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同級生 紺野
その日、紺野と俺は放課後の教室に二人きりでいた。

俺と紺野は結構親しい仲だった。
もちろん、付き合っているとかそういう関係ではなかった。
だが、クラスメートとして、そして友人としてそれなりに…いや、結構あけすけに物を言える仲ではあった。

正直、俺に下心がないとは言えない。
紺野ともっと親しくなりたい、そしてあわよくば……
そう思うことは何度もあった。

そして……紺野をオカズにしたことも……

だが、俺にはそこから先に進む勇気はなかった。
なによりも紺野が俺のことをどう思っているかわからなかったからだ。
もし、そのせいで俺と紺野の今の関係が壊れてしまったら…

それに紺野のことだ。彼氏がいるとは聞いていなかったが、きっと俺よりずっといい男がお似合いだろう。
そう思うと、ヘンに高望みせずに友人として屈託なく会話のできる現状のままでも充分だった。

「ね、だからあたしの話聞いてるの?」

紺野が俺に言う。

「ん…ああ…」

そんな考え事をしていたので俺は生返事をするのが精一杯だった。
それに…さっきからそれ以上に気になっていることがある。
紺野はさっきから俺と会話をしながら無意識のうちにだろう、何度か足を組替えていた。

そして…そのたびにその足の奥から白いものがチラチラと俺の目に入ってくる。
今時の子らしく、普段から紺野は結構短いスカートを履いている。

さすがに駅の階段などでは気にして隠しているところを俺も何度か見たが、今この場所では会話に夢中のあまり気になっていないようだった。

そんな紺野の無防備な姿を見る限り、…やっぱり彼氏いないのかな… とも思えるし、多分俺が異性として見られていない相手だからこそそういう仕草になるのかもしれなかった。

「ああ、聞いてるよ。それで?」

俺は紺野に返事をしながらも、その足の奥が気になって会話に集中できなかった。
いや、それだけではない。
次第に視線が紺野の足の奥に集中してゆくのが自分でもわかった。

…ダメだ。気にしないようにしないと紺野に気付かれてしまう…

頭の中ではそう理解しつつも、俺のスケベな欲望は正直だ。
気にしないように、視線を外そうとすればするほどかえってそっちに神経が集中してしまう。
そして…さらに間の悪いことに俺の股間はそのスケベな欲望に正直に反応していた。

「ねえ、本当にあたしの話聞いてるの?さっきから上の空じゃない。」

紺野はその大きなほっぺたをさらに膨らませて俺に言う。
そして…とうとう俺の視線に気付いたようだった。

「なによ、どこ見てるのよ…・あ!」

どうやら紺野は俺の視線の先にあるものに気付いたようだった。
下を向いて顔を赤くし、組んでいた足をあわてて戻すとぴったりと膝を閉じた。

「見たでしょ……」

紺野が上目遣いに俺に言う。

俺が返事をしかねていると、さらに「さっきからあたしのパンツ見てたよね。」と問い詰めるように俺に言ってきた。

「…え…あ…その…」

俺がさらに返事に窮していると、追い討ちをかけるように「あたしのパンツ見て興奮してたんだ。それでろくに返事しなかったんだ。」 と言った。

「……」

俺がなおも黙っていると紺野はその視線を下げ、俺の顔から足先までを舐めるように見回すと、やがて一点で止まった。

…そう、紺野は俺のズボンの膨らみを見逃さず、視線をそこに釘付けにしたのだ。

「…興奮してる?」

紺野はその可愛らしい表情に意地悪な微笑を浮かべると俺に話しかける。

「…あ・・ああ・・うん…」

俺はとうとう観念して返事ともいえない返事とともにうなずくしかなかった。
すると紺野はさらに悪魔の表情を浮かべると「…脱いでよ…」と俺に言った。

「え?なんでだよ、いきなり。」

我に返った俺は紺野に言う。

「だって、あんたあたしのパンツ見たんでしょ。だからあんたも見せなさいよ。それでおあいこじゃない。」

紺野はそう言うといきなり俺のズボンに手をかけて脱がせようとした。

「ちょ…ちょっと待てよ。」

俺はあわてて紺野を振り払おうとする。

「いいでしょ。あたしだけ見せてあんたが見せないなんて不公平よ。」

紺野はなおもそう言って俺のズボンに手をかける。
俺はなおも抵抗しようとしたが、次第に紺野の気迫に押されてその力は弱まっていった。

強引に振り払うことはできなくはなかったが、もし紺野が机やイスにぶつかって怪我でもしたら…
いや、そんな奇麗事ではなく、俺のスケベ心は本当は紺野に脱がされたかったのかもしれなかった。

「…それに…実際どうなってるのか見たいし…」と、紺野が小さな声で言ったのを俺は聞き逃さなかった。

「…もう…彼氏にでも見せてもらえよ…」

俺は顔を横を向けながらも抵抗するのをやめ、紺野のなすがままにされていた。

「……いたらあんたのなんか見ないわよ。」

紺野はそう言うとベルトとホックを外し、ジッパーを下げると「ほら、脱がすわよ。」と言った。

俺はなおも顔を横に向けながら、腰を少しあげた。
紺野はそのタイミングを見逃さず、俺のズボンとパンツを一緒に手にかけると一気に膝まで引き下ろした。
それと同時に俺のいきりたった分身が勢い良く紺野の前に姿を現す。

「キャッ!なにこれ!」

それを見た瞬間、紺野は素っ頓狂な声をあげた。
紺野は俺の分身をしばらく遠巻きに眺めていたが、しばらくするとまた近くに寄ってきた。

「ふうーん、こんなんなってるんだー。」と、しげしげと眺めはじめた。

「…なんだよ。本当に見たことないのかよ。」

俺は少しふてくされたように紺野に言う。
俺のモノを、紺野に見られていると思うと俺は恥ずかしくて仕方がなかった。
それとは裏腹に、その羞恥が余計に俺を刺激して俺の分身は収まるどころかなおいきり立っている。

「……あるわけないでしょ。あんたあたしのことなんだと思ってるのよ。」

今度は紺野が少し怒ったように俺に言う。

…そうか…紺野見たことないのか…

紺野のその一言は、俺をさらに刺激するのに充分すぎるほどだった。

「ね、さわっていい?」

そう言うが早いか、紺野は自分の右手で俺の分身をさわり始めた。

「お、おい、やめろって。」

俺はそう言って上半身を動かしたが、腰から下はそのままだった。
そう、考えてみれば紺野が俺の分身を触ってくれているのだ。
こんな展開はこの先二度とないかもしれなかった。

そんな俺の心中を知ってか知らずか、紺野は何度もその手で俺の分身を撫で回す。
それはまるで赤ん坊がおもちゃをもてあそんでいる姿に似ていた。

「ね、これこすると精子出て気持ちいいんだよね。せっかくだから精子出るとこ見せて。」

紺野はそう言うと今度は俺の分身を持っている手を上下に動かした。

「ちょ、ちょっと。それは…」

俺はそう言うと身体を少し後ろに引いた。
確かに、願ってもないシチュエーションではあったが、さすがに人前で出してしまうことには抵抗がある。

「いいからいいから。サービスサービスw」

紺野は屈託なくそう言うと、俺の分身を握る手に力をこめた。

「お…おい、やめ…」

俺のそんな言葉に耳をかさず、なおも紺野は俺の分身を握り上下に動かす。
…本当にそんな経験がないのだろう。手に力が入りすぎて痛い。

「い…痛いから。」俺が言うと紺野は「あ、ごめん。」とだけ言って少し力を抜いた。

「でもあんたが逃げようとするから力入っちゃうんじゃない。もう逃げないでよ。」 と俺に言う。

紺野はなおも俺の分身を握って上下に動かす。
痛いといったせいか、紺野の手は俺をやさしく包む。

……俺は今……紺野の手でにしてもらっている……

そのありえない状況が一層俺を興奮させて、俺の血液と快感を一点に集中させてゆく。

そして…次第に俺の限界が近づいてきた。

「……手を離して…出る…」

その言葉も終わらないうちに、俺は紺野の手の中でその精を放出した…

俺の精子は教室に飛び散り、その一部は紺野の腕と袖にかかってしまった。

紺野は俺が射精する瞬間を目の当たりにしたせいか、しばらく呆然としていたが、やがて気を取り直してポケットからティッシュを取り出すとまず自分の腕と袖についた汚れをふき取り、そして次にまだ脈打っている俺の分身にティッシュをかぶせて残りの滴をふき取った。

俺は無言でパンツとズボンを履くと、紺野から分けてもらったティッシュでイスと教室の床に飛び散ったものを拭いた。

紺野もしばらく何も言わなかったが、やがて「…変な臭い……今日はありがと。いいもの見せてもらっちゃった。」と口を開いた。

そして「今日のことは二人だけの秘密ね。また見せて。じゃ、あたし帰るから。このティッシュはあたしが捨てといてあげるね。」 と言うと鞄を持ち、教室を出て行った。

……その夜、俺が昼間の出来事を思い出してまた紺野をオカズにしたことは言うまでもなかった。


紺野に手でしてもらってから1週間が過ぎた。

あれから俺は何度もその時のことを思い出してはオカズにして抜いた。
だが、紺野にとってはあのときのことは単なる成り行き上のできごとだったに違いなかった。

あの日以降、俺と紺野はなかなか二人きりでしゃべる機会にめぐり合えなかった。
だがそれは単に他の友人が周りにいたりというもので、互いに避けているというものではなかった。

そんなある日、俺と紺野はまた放課後の教室で二人きりで話す機会にめぐり合った。

なんのことはない他愛ない会話が続く。
だが、あの時の出来事については互いに話題にするのを避けているのは明らかだった。
そして……ふと会話がとぎれたとき、紺野が不意に言った。

「……あの時のこと……誰にも言ってないでしょうね。」
「……当たり前だろ。約束なんだし。」

確かに、紺野に手でしてもらったこと自体は誰かに自慢したいことではあったが、その反面、半ば無理やりされたことだったのでそれを口にしてしまうのは男としてのプライドにかかわるとも思っていた。

それにもし噂が広まってしまえば紺野はきっと傷つくに違いないし、俺は紺野に嫌われてしまうだろう。
だから俺はそのことを人には言わなかったし、また決して口外するつもりはなかった。

「そう……良かった……」

紺野が言う。

「……なんだよ……俺のこと信用してなかったのかよ…」
「ううん……そんなことはないけど…疑ってゴメン。」

そう言って紺野は少し微笑む。
その笑顔はとても可愛く愛くるしい。
そして、再び会話がとぎれたとき……

「……ね……また見せて。」

そう紺野が言った。

「…………」

俺が返事につまっていると紺野はさらに言った。

「いいじゃない。1回見せるのも2回見せるのも一緒でしょ?見せてよ。」
「見せて……って…今かよ。」
「うん。今見せて。」

紺野が屈託なく言う。
……何を考えてるんだこいつは。
俺は正直そう思った。

「……なんでまた見たいと思ったんだよ……」

俺は紺野に聞いた。

「……だって……男の人の見たのって初めてだったし……あれからなんか目に焼きついちゃって…… それでできたらもう一回見たいな、って…… あ……ほら、珍しい動物とか見たらもう一回見たいなって思うでしょ。それと同じよ。」

……俺は珍しい動物なのか…… とは思ったが、その頭の片隅ではあわよくばまた紺野に処理してもらえるかも……との期待があったのもまた事実だった。

「……もう、いいじゃない。見せるの見せないの?」

次第に紺野の口調が強くなる。
だが、それとは裏腹にその顔は赤みが増している。
そういうことを口に出すこと自体、恥ずかしがっていることもまた事実らしかった。

「……わかったよ……見せればいいんだろ……」

紺野の気迫に押されたのが半分、期待半分の気持ちが入り交じりつつ観念したように俺は紺野に言った。

「うん。見せればいいのよ。さっ、早くズボン降ろしてよ。」

今までとは打って変わった楽しそうな表情をして俺に言う。
俺は無言のまま、ついにズボンとパンツを下げて紺野の前に再び自分の分身を晒した。

「何これ?この前のと違うじゃない。」

また紺野が声をあげる。

……そう、この間紺野の前に差し出したものと違い、今日の俺は普段の状態だったのだ。

「当たり前だろ。いつもはこんななの。そういつもいつもあんな状態だったら邪魔だろ。 見たことなくてもそれぐらい知ってるだろ……」

「そうだよね。興奮したら勃起して大きくなるんだよね。ふーん、いつもはこんなんなんだ。」
「………」
「そう言えば小さいときにお父さんと一緒にお風呂入って見たのもこんなのだったなー。ふーん。
見ようによっては結構小っちゃくって可愛いかも。」
「……ちっちゃいなんて言うなよ……傷つくだろ…」
「あ……そうなんだ。」

そこまでの知識はないのか紺野は屈託なく言ってくる。

「そうなの。俺のは普通だよ……多分。」
「ね、早くこないだ見たいに大っきくしてよ。」

紺野はそうは言うものの、そう簡単に自在に大きさを変えられるものではない。
第一平静な状態で勃起するはずもなかった。

俺は懸命に頭の中で妄想を広げようとするが、昼のひなか、それも他人…ましてや紺野に見られている状況では気が散ってとてもそれどころではなかった。

「何よ……ちっとも大きくならないじゃない。」

次第にいらついたような口調で紺野が言う。

「仕方ないだろ。興奮してないのにそう簡単に大きくなるもんか。」

俺は焦りと、そして紺野に少し意地悪をしてやろうという気持ちが混ざり合って紺野に言った。

「でも……あの時みたいに紺野が見せてくれたら興奮して大きくなるかもな。」

俺がそう言うと、紺野にとっては予想外だったのだろう、「えっ!」と一言発したのち、絶句してしまった。

「見せるって…そんな…考えてもなかった……」
「んなこと言ったってこのままじゃ全然興奮もしないし勃ちもしないんだから仕方ないだろ。」
「……どこ見せればいいのよ……」

明らかに紺野は戸惑い、動揺している。
俺はこの時、紺野と立場が逆転したと感じた。

「……そりゃ……胸とか……あそことか……さ……」

俺はさらに紺野に言った。
無論、あわよくば紺野の身体を見たいというスケベ心は充分すぎるほどあったが、 かといってこんなに簡単にそれが実現するとも思っていなかった。

「…………」

紺野はなおも動揺しているようで、次の言葉が出てこない。
俺はそんな紺野のことをかわいそうに思い、これ以上追い詰めるのも気の毒に思ったので、

「……な、もういいだろ。俺だってお前の前にこれ出してるの恥ずかしいんだからさ。」

そう言ってこの事態を収拾しようとした。
そして俺がパンツとズボンを上げようとしたとき、予想外の反応が返ってきた。

「……いいわよ。あたしも見せればいいんでしょ。」

おいおい、マジかよ。
俺は思った。

「……でも胸もあそこもダメ。こないだみたいにパンツでいいでしょ。だってあんたあたしのパンツ見て興奮してたんだからそれで充分よね。」

思いがけず、しかも願ってもない展開に俺は喜んだがそれを感づかれてはならない。
ここはあくまで俺が仕方なく妥協したという体にしなくては。
それにこれ以上高望みしたら全部パーになってしまう。
しぶしぶ取引に応じたように装いつつ、俺は紺野の条件にOKを出した。

「……どうすればいい?」

紺野が言った。

「じゃここに来て。紺野も近くでこれが勃つこと見れたほうがいいだろ。」

俺は椅子に座っている両足を少し開き、腰を前に突き出してそう言った。
紺野はその俺の両足の間に身体を入れて俺の目の前に立っている。

「……いい?見せるよ。」

そう言うと紺野は両手でその短いスカートの裾を持ち、そしてゆっくりと持ち上げた。
スカートの中から、紺野の白いパンツが姿を見せた。

!!!!!!!!!!

椅子に座っている俺のちょうど目の前の位置に紺野のパンツがある。
白の、多分木綿地の無地のパンツ。

布は薄く伸び、紺野の腰から尻の身体のラインに合わせてぴったりと張りついてその下半身を覆っている。

その布の幅はわずか数センチにすぎず、その少し上には紺野の丸いへそが姿を見せていた。
足の付け根から少し上にかけての白い布地の下半分はこんもりと盛り上がり、気のせいか薄い影があるように見えた。

その薄い布の奥には紺野の陰毛が、そしてその直下には紺野のもっとも大事な部分が存在しているはずで、 そしてそれは俺がちょっと手を伸ばせば触れることのできる位置にあった。

俺は懸命に紺野のそこを凝視する。

そしてふと視線を上に向けると、そこには顔を真っ赤にし、懸命に恥ずかしさに堪えている紺野の顔が見えた。その羞恥にまみれた紺野の表情がより一層俺の欲望を刺激する。

俺のアドレナリンが爆発し、全身の血液が下半身に集中する。
俺の分身は見る間に欲望に忠実に反応していた。

「すっごーい。本当に大っきくなったー。」

頭の上から紺野の声が聞こえる。

「ふーん、あたし大っきくなるとこ初めて見たよ。」

初めて見る光景に興味津々なのか、それとも恥ずかしさを隠すために気を紛らわしているのか盛んに紺野は声をかけてくる。 もちろんその間も紺野のスカートはまくれ上がったままだ。

俺の目の前、ほんの数十センチの距離にある紺野のパンツ、そしてその奥の秘密の部分。
俺の脳内は妄想が大爆発で、収まるところを知らなかった。

「ね、もういいでしょ。早く精子出るとこ見せて。」

紺野が俺に言う。
こうまでされては、俺は今さら引くわけには行かなかった。

「…わかったよ。見せてやるよ。その代わり出るまでそのままでいろよ。」 俺は言った。

ここでスカートを降ろされたなら、全然割に合わない。
紺野の手でしてもらうのは断念せざるを得なかったが、ずっとパンツを見ることができるのなら決して悪い話じゃない。

「……いいわよ。でも今日は自分でしてよ。あたしこのまままじゃ無理だから。」

紺野はそう言ってなおもスカートをめくり上げたままだった。
俺は自分の右手を分身に添え、上下に動かし始めた。
……そう、俺がいつも自分でしているときのように。
紺野はしばらく俺のその様子を見ていたが、やがて興味津々といった感じで見つめてきた。

「……ね……いつもそうやってしてるの?」
「……気持ちいい?」

盛んに声をかけてくるが、俺はそれに応えるような余裕はなかった。
何よりも気が散ってしまう。
それに、紺野にじっと見つめられているのはとても恥ずかしい。
俺は目の前にある紺野のパンツを凝視しながら、ひたすら右手を動かしていた。

「……なんか言ってよ。あたしこの格好してるのとても恥ずかしいんだから。」
「………」
「ねえってば。」

紺野はなおも俺に話しかけてくる。
どうやらさっきにくらべると余裕が出てきたようだった。

「……そうやって腰引いたらよく見えないだろ……」
「あ……ごめん…」

俺が椅子に座り、下半身をむき出しにして右手で自分の分身をしごく。
……はっきり言えば自慰をしている。

その俺の前には、自分でスカートをまくりあげて下着を見せて立っている紺野がいる。
それは端から見れば異様であり、またいやらしい光景に違いなかった。

紺野は少し落ち着いて気持ちに余裕が出てきたのか、突然 、「……ね、ちゃんと見てるんだよね。ほら、こういうのどう?」

そう言うとめくり上げたスカートを押さえる手を左手一本に変え、空いた右手で自分のパンツを少し下にずらした。

!$%&$#%&■&‘’%♪$$!!‘★((&!

その瞬間、衝撃が俺を襲う。

さすがに下まで降ろしてそのすべてを俺の前に露出することはしない。
たかだか数センチの範囲ではあったがそれでも紺野の下腹部にある繁みが見えそうになっている。

「どう?興奮したでしょ。」

自分の恥ずかしさを隠すように紺野が言う。
本当は全部降ろして紺野のすべてを見せてほしい…いや、見たい。

俺は激しくそう思ったが、ただ「…あ…うん……びっくりした……」と返事するのが精一杯だった。

俺はそろそろ限界を迎えようとしていた。

「ごめん…ティッシュ取って…」俺は紺野に言う。

いや、俺としてはこのまま出してしまってもよかったのだが、そうすれば紺野にかけてしまうことになる。
位置関係からいって、放出した先がちょうど紺野のパンツ、それも微妙なところにかかってしまうことは間違いない。

あとあとのことを思えばなるべくそれは避けたい。
だが紺野はそんな俺の心中を知る由もなく

「ダメ。あたし出るところが見たいんだから。」
「…そんなこと言ったって…このまま出たらかかっちゃうぞ……」
「じゃ出るとき言ってよ。あたしよけるから。」
「よけるったって……そんなことできる……うっ……もう……出る……どいて……」
「えっ?ちょ、ちょっと、待ってよ。そんな急に……」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、俺は絶頂を迎え、再び紺野の眼前で精を放出した……

俺の発射した体液は放物線を描いて飛び、紺野のスカートからそしてふとももの一部にかけて飛び散った……

そして俺の予想に違わず、最初の一撃の一番濃い部分が紺野のパンツ、 それもちょうど陰毛から紺野のその部分にかけてものの見事に命中した……

「もう!なんてことするのよ。信じらんない。」
「仕方ないだろ。だからティッシュくれって……」
「はい、これ。今日は自分で拭いてよね。あたしちょっとトイレ行ってこれ拭いてくるから待ってて。」

余韻に浸る暇もなく、紺野はあわててトイレへと駆け込んでいく。

俺はおもむろに自分のものを処理すると、パンツとズボンを上げて床に飛び散った液体を拭いた。が、その量はこの間ほど多くはなく、おそらくその大部分が紺野に命中したのははっきりしていた。

俺は正直その事実にまた興奮していた。

……紺野にかけちゃったよ……それもちょうどあそこにあたるところに……

満足感とも虚しさとも、なんとも言えない複雑な感覚が俺を包んだ。
帰り支度が済み、学校を出た俺と紺野とは連れ立って家路へと向かっていた。

「……ごめんね……」

紺野が言う。

「なんだよ、いきなり。」
「……だって……人に見せるのってあんなに恥ずかしいなんて思わなかった……」
「だろ。俺だってすごく恥ずかしかったんだぞ。しかも女の子の見てる前でするなんて、ほんと死にたいぐらいだったよ。」
「もう…悪かったわよ。でもあたしも死ぬほど恥ずかしかったんだからお互いさまよね。」

そう言って紺野が微笑んだ。
その表情はとてもかわいい。

見せるのが実際のモノとパンツじゃ全然違うだろ…と思ったが、紺野のその笑顔を見ると俺は何も言えなかった。

「また…秘密できちゃったね。」
「そうだな。」

俺と紺野二人だけの秘密。もちろん、あまりかっこいいものではない。

「それよりさ、俺こそかけちゃってごめんな。ちゃんと拭けたか?」
「うん…スカートと足のほうは拭けたけど……パンツは……気持ち悪いから捨てちゃった。 あ…そういう意味じゃないんだけど、なんかベトベトしてイヤな感じだったから。」

「紺野…そうするとお前今ひょっとしてノーパン……」

そう言って俺はスカートをめくろうとすると、紺野は「もう、バカ!知らないっ!」と言って走って去ってしまった。

……その夜…俺がまた昼間の出来事をオカズにしたのは言うまでもない……


その日以来、俺と紺野の仲は急速に発展したように感じられた。
それは、人に言えない秘密を共有する者同士の連帯感ともいえるものかも知れなかった。
そして、なによりもそれ以前と決定的に違っていたのは、俺たちの会話の話題にその手の下ネタが増えたこと。

「ね、やっぱりあの時のように手でするの?」
「だいたいどれくらいの間隔?」
「一日何回ぐらいできる?」

など、どっから仕入れたのか盛んに聞いてくる。

だが、そんなことを聞いてくること自体、図らずも紺野に経験がないことを語っているようだった。
逆に未経験だからこそいろんなことを興味深く、貪欲に聞いてくるのかもしれない。

そりゃそうだ。早いやつはもう中学校時代に済ませているし、俺のクラスの女子も半数近くが彼氏持ちでおそらくそれなりに経験しているに違いなかった。

……もっとも俺のほうもまだ女性経験はないので人のことは言えないのだが。
そして俺の方も紺野に女の子のいろんなことを聞いて知識を仕入れていた。

本当はもっといろんなこと、特に紺野のプライベートな下半身事情についていろいろ聞きたかったのだが、目を血走らせて露骨に紺野個人のことを聞いても嫌われるのがオチなので、どうしてもあたりさわりのないものにならざるを得なかった。

「生理になったら胸が張ってバストサイズが上がる」
「生えはじめたのは中学生のとき、生理が来たのも同じ頃」
「毛は多分濃くも薄くもなく普通」

というあたりさわりのないことがおそらく紺野自身の、それも会話の中で一般的な話に混じって聞けた数少ない事例かもしれなかった。

その日も、俺と紺野は放課後の教室にいた。
ひとしきりの世間や友人の話題の後、なんとなくまた話がそういう方向に進んでいった。

「ね、で夕べはしたの?」
「してねーよ。夕べは早く寝たし。それにそう毎日はしないって。」
「え?だって男の子はだいたい毎日するんでしょ?そう聞いたよ。」
「しないって。そりゃ毎日するヤツもいるだろうけどさ。だいたいどこでそんな話聞いたんだよ。」
「そっかー、毎日はしないんだー。」

紺野はさかんに聞いてくる。
これまで興味を持ちながら人には聞けなかったことを俺に一気に聞いてきているようだ。

「でさ、する時ってどんなこと思ってするの?なんか見ながら?」

どうやらこんどはそっち方面に興味が移ったらしい。

「そりゃ、アイドルのグラビアとか水着写真とか見ながらすることもあるけどな…それとヌード写真とか……」
「ふーん。」
「あとはまあ…想像だよな。この子を脱がしたいとか、脱いだとこ想像してとか。」

俺が言うと、紺野はいきなり「じゃ、あたしでしたこともある?」と聞いてきた。

正直、俺は困った。
言うまでもなく紺野にはよくお世話になっている。
第一あの時の紺野のパンツが目に焼きついて離れない。

だが、紺野はどういう答えを予想しているのかしらないが、俺が今ここでどう答えてもまずいのではなかろうか。

「いいだろ……そんなこと。それより女の子のほうはどうなんだよ。女の子も普通にひとりエッチするって聞いたけど。」

俺は切り返しに出る。

「うん、するよ、普通に。あたりまえでしょ。」

不用意に紺野が答える。
俺はしめた、と思いさらにつっこむことにした。

「ふーん。やっぱり男と同じように写真とか見ながら?」
「そーねえ。写真とかは見ないけど、好きな人とのこととか考えながらとか、実際にそうなったときのこととか想像しながらとか………」

そこまで言ったとき、紺野は自分が何を言っているのか理解したようで、急に顔が真っ赤になった。

「……や、やだっ!あたしったら何を言ってるの!今のはアレよ、アレ。一般論だからね!あたしのことじゃないから。じゃ…あたし急な用事があるから帰るね。じゃ。」 と、あわてて教室を出て行った。

…そうか……紺野……してるんだ……

ひとり教室に残された俺はそんなことを考える。

……紺野……誰のことを思ってするんだろう……

その夜、俺がまた紺野の世話になったことは言うまでもなかった。


「はい、これ。」
「あ、アレね。ありがと。じゃ借りるね。」

いつものように放課後の教室。そこで俺は紺野にひとつの包みを手渡した。
その中に入っていたのは……そう、いわゆるアダルトビデオ。
しかも無修正の裏モノと言われるやつだ。

俺がそれを悪友から入手したことを知ると、紺野は自分も一度見てみたいから貸してくれと言ってきた。
どうやら話には聞いて興味はあるのだが見たことはないらしい。
そこで俺に頼んできたと言うわけだ。

「ね、一緒に見ようか?」

紺野が俺に言う。

「は?どこで見るんだよ。」
「あたしん家でいいじゃん。あ、なんならそっちん家行っだげてもいいよ。」
「いいよ、俺それ見たし、それに今日はちょっと用事があるから。」

後から考えるとすごくもったいないことをしたと思うが、その時の俺はそこまで考えていなかった。
それに用事があったのも事実だ。

「そっかー。用事あるんだー。」
「悪いな。それに一緒に見てたらムラムラして紺野を襲うかもしれないぞ。」
「あはは、そうだね。あたし襲われたら困るからやっぱり独りで見るね。」
「ま、急がないからゆっくり返してくれればいいよ。」
「いいの?これ……使うんじゃないの?」

紺野はそう言って意地悪な微笑みを浮かべる。

「使わねーよ。もう、いいだろそんなこと。」

そう言って俺と紺野は別れた。

「ありがと。」

翌日、紺野が俺にビデオを返してきた。

「あ、もういいの?」
「うん。」
「そう。」

そう言って俺はビデオを鞄の中にしまおうとする。

「感想どうだった?初めて見たんだろ。」
「……なんかね……びっくりしちゃった。」
「何が?」
「だって……あんなことするんだよ。」
「あんなことってなんだよ。」
「その……くわえたりとか……ほんとにするんだ……」
「あれはビデオの中だけだろ。」
「そっかな。」
「そうだよ…多分。俺の友達たちだってしたことないって言ってたし。」
「そっか…そうよね。あたしの周りだってしてるって聞いたことないもんね。」
「だろ?だから実際にはあんなことしないんだよ。……まあゼロってわけじゃないだろうけど……」
「それに……あそこってあんな形してるんだって初めてわかった……」
「あそこって?」
「その…女の人の……」

紺野が言いよどむ。

「なんだ?紺野って自分の見たことなかったの?」

俺が何気なくそう言うと紺野は「もう、あるわけないじゃない。」と少し顔を赤くした。

「ふーん、そうなんだ。女の子って自分の見ないんだ。」
「そりゃ男の子みたいに外から見えないもん。自分で見ようとしない限り見ないよ、普通。」

紺野が言う。

「じゃ、紺野もいっぺん自分の見てみたら。人によって違うという話らしいし。」

なんか俺すごいこと言ってるな……とは思うが、紺野は気づかないのか気にしてないのかそれに食いついてくる。

「どうやって見るのよ。見えないのに。」
「そりゃ…鏡に映して見るとか携帯で撮って見るとかいろいろあるだろ。」
「そっか。そだね。じゃ、試してみようかな。ありがと。」

そう言うと紺野は教室を出て行った。

その翌日、紺野が俺に話しかけてくる。

「教えてくれてありがと。昨日さっそく携帯で撮って見ちゃった。」

何を?とかどうだった?とか感想は?とか聞いてみたかったがさすがに聞けるわけがない。

「あ、そう。」

俺はそう言葉を濁すのがやっとだった。

「それでね、はい、これプレゼント。」

紺野はそう言うと1枚のフロッピーを俺に手渡した。

「何これ?」
「昨日やりかた教えてくれたお礼よ。携帯で撮ったの。帰ってから見てね。でも誰にも見せちゃダメだよ。それから見たらすぐ消してね。」

……ひょっとして……まさか紺野の……

その日、俺は家に帰ると大急ぎでパソコンの電源を入れ紺野にもらったフロッピーを突っ込む。
少し指が震えているのが自分でもわかる。
パソコンが立ち上がる時間すらももどかしかった。

そして…俺が見た紺野からもらったフロッピーに入っていた画像は、「何を期待してたの?このスケベ」と書いた紙を持った紺野の、もちろん服を着た上半身の姿だった……


「ね、見せて。」

紺野が俺に言う。
もちろん、何を見せてもらいたいのかはこれまでのことから明らかだった。

「なんだよ。また見るの?」
「うん、見たい。」
「またどうして。」
「だって、夕べこないだのビデオ見てたらまた見たくなっちゃって。 」
「ビデオの人とちょっと違ってたみたいだし、どうなのかなーと思って。」
「夕べ…って」
「えへへ。実はダビングしちゃった。」
「……いや、別にいいんだけどさ。貸したんだから紺野の自由だし。で、見てんのか。」
「……いいじゃない、そんなこと。で、さっきの…」
「そりゃ人によっていろいろなんだよ。女の子だって同じだろ。」
「それぐらい知ってるよ。だからどう違うのか見たいんじゃない。」
「………」
「それにあんたしか見せてくれる男子いないもん。いいでしょ、どうせ何べんもあたしに見せてるんだし。」

……何べんも、って2回だけだろ。それに俺ばっかり見せて紺野のほうはこないだのパンツだけか…なんか不公平だな… とは思ったが俺は素直にズボンとパンツを降ろして3たびそれを紺野の前に出した。

紺野は椅子に座っている俺の横に回ると床に膝まずいて座り、俺の右の太股ごしにそれを見るような態勢になった。
俺の太股に紺野の腕を通して体重がかかる。

「やっぱ普段は小っちゃいんだね。」

紺野が言った。
俺の腰のあたりにある紺野の頭。
ともすれば会話に伴って紺野の吐く息が俺の分身にかかりそうだった。

「……だから小っちゃいなんて言うなって……」
「あ、そうだったね。」

紺野はそう言うと、指先で俺のものをつんつんとつつく。

「やめろよ…興奮するじゃないか……」

俺が口に出すまでもなく、俺のそれに血液が集まり、次第に隆起していった。

「あ、また大っきくなった。」

紺野は珍しいものでも見ているかのように無邪気に言ってくる。

「……………」

紺野はしばらく俺のそれをじっと見ていたが、やがてこう言った。

「……ビデオで見たけどこれ本当に入っちゃうんだね……」
「……………」
「ちょっと信じられないなー。」
「そりゃ入る時には広がるんだろ。なんたって赤ん坊が出てくるんだからな。」
「そーだよねー、赤ちゃん出てくるんだよねー。だから赤ちゃんの頭ぐらい広がっちゃうんだー。」
「ま、人間の身体ってのはそんなもんかもな。」
「……不思議だねー。ちょっと指入れるだけでも痛いのに……」

俺はその時、紺野がぽつりと言ったのその一言を聞き逃さなかった。
俺の脳はそれに反応し、下半身の血液がますますそこに集中する。
そして俺のそれはこれ以上ないというほどに屹立した。
紺野はようやく自分の言ったことに気づいた。

「…え?やだ、あたし何か言った?あ、なんかイヤらしいこと考えてるでしょ!」

その紺野の顔は真っ赤だ。

「もう、何考えてたのか言いなさい!」

紺野が俺を責める。

……紺野…指でするんだ……もっと詳しく知りたい。などと正直に言えるわけがない。

「いいじゃないか、そんなこと。それより……紺野のにだっていつか同じようなものが入るんだぜ。」と話をそらすのが精一杯だった。

無論、試してみよう、いや試したいなんてことは思ってはいても口が裂けても言えない。

「だからちゃんと今から覚悟しとかないと。」

なんとか俺がそこまで言うと、紺野もそれにごまかされたのか「……そうだよね……あたしのにもいつか入っちゃうんだ……」と呟いた。

「……でさ……俺これどうすればいいんだよ?」

高くいきり立った自分のものを指さして俺は言った。

「せっかく見せたんだからなんかお礼してくれよ……」

俺はその時、特に何も期待しておらず、冗談半分のつもりだったのだが、「そうよね……恥ずかしいの我慢して見せてくれたんだもんね。また手でしてあげるってことでいい?」

マジかよ。また紺野が手でしてくれるのか?
と、俺は小躍りしたい気分になったが、さらに調子に乗って「あとさ…触らしてほしい…」と頼んだ。
紺野はそれを聞くと、少し顔がひきつったようになった。

「触るって…どこ……」
「その…あそこって言いたいところだけど、そういうわけにもいかないだろうから胸……」

俺は正直言って紺野にはっきり拒否されると予想していたし、別にダメならダメでも構わないと思っていた。
あまり高望みしたらバチがあたる。

ところがそんな俺の予想に反して紺野は「……いいよ。触らしたげる。でも服の上からよ。」と言った。

紺野は立ち上がって椅子を持ってきて俺の横に並べ、ちょうど俺と直角になるように座った。
俺の下半身はさっきからむき出しのままだ。

「なんかあたしのほうが割が悪くない?」

紺野は俺のほうを向いて少しはにかんで笑う。
そしてその右手で俺の分身をやさしく包んだ。

「いやあ…まあ…その……いいじゃん別に。」
「もう。あ、それとまたあたしにかかったらヤだからね。今日は別に出すとこ見たくないからちゃんと飛び散らないようにしてよ。」
「わかったよ。今日はティッシュ持ってるから出そうになったらちゃんとかぶせるよ。」

そう言って俺は左手に持ったティッシュを紺野に見せた。
紺野はやがてその手を上下にゆっくりと動かせはじめる。
俺の下半身に紺野のやわらかい手の感触が伝わり快感が走る。

そして……余った俺の右手はゆっくりと俺のすぐそばにある紺野の左の胸に伸び、制服の上からではあったがそこに触れた……

その瞬間、紺野の表情にぴくりと緊張が走るのが見えた。
初めて触る女の子の胸。
それは、なんともいえないほど柔らかく、そして弾力があった。

下着と制服、2枚の布越しでもそれははっきりと感じられる。
いや、それだけでなく紺野の体温と心臓の鼓動までもが伝わってくるようだった。
そして予想した通り…いや、予想以上に紺野の胸はボリュームがあった。

俺は右手の手のひらで紺野の左胸を包み、ゆっくりと動かせる。
さわさわと衣擦れの音がする。
紺野は目を閉じ、顔を真っ赤にして懸命にその感触に耐えているようだった。

その表情と、俺の下半身から伝わる紺野の右手の感触は、俺をさらに興奮させるのに充分すぎるほどだった。
時折紺野の右手の動きが止まり、それと同時に深い呼吸の音が聞こえ、胸が大きく動く。

……ひょっとして……感じて……

などと思ったが、紺野はそれを気取られないようにか、一瞬の静止ののち再びその右手はなおも俺の分身を包んでやさしく動かせる。

俺の下半身からは絶え間ない快感が伝わって来、次第に限界を迎えつつあった。

「紺野…もう……出るから……手を放して……」

俺がそう言うと、紺野は我に返ったかのように目を開け、右手を離した。
その瞬間、俺は左手で持ったティッシュの中に精をぶちまけた……



「ほら、帰るわよ。」

紺野が言う。
俺はティッシュを処理し、それとわからないようにゴミ箱に捨てて鞄を持ち、帰る支度をした。

「わかってるだろうけど…今日のことも秘密ね。誰にも内緒よ。」
「あの……紺野……」

俺は紺野に声をかける。

「ん?なに?」
「その…お前…結構胸大っきいんだな……」

俺がそう言うと紺野は「もう、バカね。」とだけ言い、さっさと先に帰ってしまった。

その日以来、俺は猿になった。
右手に残っている紺野の胸の感触、そして下半身に残る紺野の手の感触。
俺は何度も何度も紺野をオカズにした。
そして、頭の中は紺野に対する欲望でいっぱいだった。

紺野としたい。
紺野を抱きたい。
そんなことばかり思うようになっていた。

俺と紺野は相変わらず下ネタを交わし合う仲だった。
だが、そんな俺の頭の中を紺野は多分知る由もないだろう。
いや、知ってしまったらきっと引くに違いない。
だから俺は、そんな自身の欲望を気取られないようにしていた。

……だが、その日はあるとき突然やってきた。

「…ね……えっちしようか……」

いつものように下ネタトークをしていると、突如紺野が思いがけないことを言ってきた。

「は?」
「だから、えっちしようかって。」

俺は紺野のその言葉が信じられなかった。

「な、なんでまたそんなこと…」

少し声が震えているのが自分でもわかる。
俺の心臓が高鳴る。

紺野はそんな俺の心中を知ってか知らずか「なんかねー、いろいろ頭の中で想像して考えちゃうより……実際に経験しちゃったほうが早いかなーって。」

「だからといって……」
「初めてがあたしとじゃイヤ?」
「な…なんでまた俺と……」

俺は正直飛び上がって喜びたいところだったが、つとめて冷静に振る舞おうとしていた。

「だって、あたしも初めてだしあんたも初めてでしょ。お互い初めてのほうがいいかなー、って。それにいっしょにいると安心できるし、気も許せるから……あんただったらいいかな、って。それにあたしたちもういくつも人に言えない秘密持ってるからもう一つぐらい増えてもいいよね。」
「………」
「ね、いいよね。しよっ。」

最近の女の子は何を考えているんだろう…よくもまあそんな簡単に……そんな分別臭いことを思った。
だが俺にとってはそんなことよりも、紺野とできることのほうが大きかった。

「あんたじゃなきゃあたしこんなこと言えないよ?」

紺野のその一言に俺は陥落した。
いや、実は最初からお誘いに乗る気まんまんだったのだが。

「わ、わかったよ。俺で良ければ。」

そうは言ったものの俺の頭の中はバラ色だ。

「じゃ、決まりね。一度家に帰って今日の夕方待ち合わせしましょ。いくらなんでも制服のままじゃホテル入れないしね。場所は2丁目の角のコンビニにしましょ。あ、ホテル代は割り勘でいいよ。あとお風呂入ってきてね。不潔なのはイヤよ。じゃ。」

そう言って紺野は教室を出て行った。

俺は急いで帰宅するとシャワーを浴び、全身をくまなく洗う。
特にあそこは念入りにだ。

そのついでに、……もし…俺だけ早くイッたらまずいよな…… と思ったのであらかじめ一本抜いておいた。

もう頭の中は紺野のことで一杯だ。
目の前に紺野の顔ばかりが浮かんで消えることがない。
しかもその表情は一つではなく、ころころと変わってゆく。
笑った顔、少し怒った顔、はにかんだ顔、すねた顔……どれもこれまでに俺が見て知っている表情。
その紺野を俺は今日これから……

本やビデオや友人に聞いて仕入れて覚えた知識を元に、その時の手順について頭の中で何度も何度もシミュレートする。 そして新しい下着を身につけ、時間より早めに待ち合わせ場所に急いだ。

ひょっとして紺野は俺をからかっていて待ち合わせ場所には誰もおらずドッキリなのかも……
などと一抹の不安を抱えながらそこに着くと、紺野はもうそこで待っていた。

私服の紺野は制服で見る以上にかわいい。

「早かったね。」
「え、まあな。」

俺の声が少しうわずっている。
言うまでもない。これから起こる出来事を想像してだ。

「そんなにあたしとしたかったんだ。」

紺野が少し意地悪く笑った。

「そりゃ……あ、いや……女の子待たせちゃいけないと思って。」
「……ちゃんとお風呂入ってきてくれたよね?」
「ああ。」
「そっか。あたしも入ってきたよ。」

そうか……それでさっきから少し石鹸の香りが……

「………」
「なに?なんかついてる?」
「いや……私服の紺野もとてもかわいいと思って。」
「…ありがと。じゃ、行こっか。」

俺達はコンビニを出、街中…目的のホテルへ向かって歩く。
やがて…俺の手に触れるものがある。
紺野の手だ。
紺野が俺の手を握ってきていた。
俺も紺野の手を握り返す。

俺はちらりと紺野のほうを見たが、紺野は前を向いたままだ。
やがて俺の視線に気付いたのか、何も言わずに俺のほうを見て少し微笑んだ。
その笑顔は心なしか少しこわばっているように見える。
俺たちは手をつないで歩いていたが、徐々に俺の手を握る紺野の手に力がこもってくる。
その手が汗ばんできているのが俺にもわかる。

……紺野……平気なふりしてるけど……やっぱり緊張してるんだ……

俺はそう思った。

住宅街の外れにある一件のラブホテル。
その前に俺達はいた。
目立たない入り口を見つけて入ってはみたものの、俺も紺野もそこからどうしていいかわからない。

「……どうやって部屋に入ったらいいんだ?知ってる?」
「……あたしが知ってる訳ないでしょ……」

それでもなんとかチェックインして、その中の部屋の一つへ案内された。

「ふーん。雑誌とかでは見たことあるけど実際もこうなってるんだ。」

紺野が言う。
部屋の中には大きなベッドが一つ。
そしてトイレとバスルーム。

傍目には普通のホテルかマンションの一室のようにも見えるが、ただそれらと違っていたのはこの部屋の存在もここに来てそれを使う客も、その目的はただ一つだということだった。

そして……俺と紺野もその例外ではない。
そう、俺達はこれから……

ひとしきり部屋の中を見回ると紺野はベッドの上にちょこんと座る。
俺もその紺野の後を追いかけるようにベッドに昇る。
互いに向かい合って座っている俺と紺野。
緊張しているのか、次第に二人とも無口になっていた。

「じゃ、しよっか……」
「うん……」

俺と紺野は向かい合ってお互いの目を見つめ合う。

「わかってると思うけど…あたし…初めてだから…」
「俺もだから……うまくいかなかったらごめんな。」

次第に顔が近づいてゆき、紺野はゆっくりと目を閉じた。

そして……互いの唇が触れ合う……
あたたかくて……やわらかい……
それが紺野の唇に対するその時の俺の感想だった。

しばらく紺野と唇を重ねていると、紺野のほうから舌を入れてきた。
俺は少し面食らったが、紺野の求めに応じて少し口を開き、舌を伸ばして紺野の唇の中に差し入れる。
絡まりあう互いの舌と舌。

……ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……

そんな音が聞こえてくる。
しばらくして俺と紺野は唇を離し、俺は紺野の両肩を抱くと、ゆっくりと紺野をベッドの上に押し倒した。

肝心なのはこっからだ……ちゃんとシミュレーションした通りにしなくちゃ……
俺の全身に緊張が走る。

俺は紺野の身体の上に覆い被さると紺野の服を脱がせようとボタンに手をかけた。

その時、「ちょ……ちょっと待って。」と、紺野の声がした。

「服…しわになったら困るから……自分で脱ぐからいっしょに脱いで。」

そう言うと紺野は自分から着ていたものを脱ぎ、とうとうブラとパンツだけの下着姿になった。
いざというときは女のほうが度胸あるってホントなんだな……

俺がなんとなくそう思っていると「なにしてんのよ。あたしだけ脱いだら恥ずかしいじゃない。早く脱いで。」 と言ってきた。

俺は紺野に促されて着ているものを脱ぐ。
そして、紺野同様パンツ一枚の下着姿になった。

さっきと同じようにベッドの上で向かい合う二人。
俺の前に下着姿の紺野がいる。
パンツだけは見たことがあるが、それ以外の身体の部分を見るのは初めてだ。
あらためて見ると俺が予想していた通りのいい体つきをしている。
大きな胸、くびれたウエスト、そして腰。
それが今からこの俺の……
そう考えただけで俺の下半身は既にパンツがはちきれんばかりにテントを張っていた。

「あ、もう大っきくしてる。もう……エッチなんだから。さ、さっきの続きしよ。」
紺野にそう言われて俺たちは再び唇を重ねた。

んっ……んんっ……ちゅっ……ちゅっ……んっ……

さっきと同じように俺たちは互いの舌を絡め合う。
互いの唾液が混ざり合い、糸となって二人の唇の間を結ぶ。
そして俺は自分の右手をゆっくりと紺野の胸に添えた。
その瞬間、紺野の身体がぴくりと反応したような気がした。

俺は左手で紺野の身体を支え、紺野の胸に触れた右手をゆっくりと動かし、その胸を揉みはじめた。

……ん……んん……んんん……ん……

紺野は甘い吐息を漏らす。
俺はしばらくブラ越しに紺野の胸を揉んでいたが、やがて背中に手を回してブラのホックを外した。
腕から肩紐を抜こうとすると、紺野も肩を動かして俺の動きの手助けをする。
紺野のブラが外れて、その豊かな乳房が姿を現す。
巨乳というほどまでには大きくはなく、少し左右に離れてはいるものの、適度にボリュームのある紺野の乳房。
色白の紺野らしく、血管が青く透けて見える。
そしてその先端部分には、10円玉ぐらいの大きさの乳輪を従えた朱鷺色の乳首があった。

「やだ……恥ずかしい……」
紺野は両腕で乳房を隠そうとしたが、俺はその紺野の手を押さえて
「……恥ずかしくない……きれいだ……」
と言いながら、ゆっくりと体重をかけて二人の身体をベッドの上に倒れこませた。

俺は右手で今度は直接紺野の乳房に触れ、それを揉む。
紺野の乳房は張りがあって瑞々しく、そして柔らかい。
俺より先にこういう経験をしている悪友などは、女の子の胸は柔らかいマシュマロだとか
つき立ての餅のようだとか言っていたが、俺が実際に触れた紺野のそれは、そんなものとは到底比較にならなかった。
俺はその紺野の乳房を円を描くように揉み、そして指先でその先端にある突起を刺激した。

……んんん……あっ……んんっ……んん……

紺野はその刺激に感じ始めているのか、時折甘い吐息を漏らす。
その吐息がさらに俺を刺激する。
俺は今度は頭を下に降ろして、今度は唇と舌で紺野の乳房と乳首を刺激し始めた。

……あっ……んんっ……はあっ……んん……

さっきとは違う刺激に、紺野はまた吐息を漏らす。
俺の右手はそれからゆっくりと下に降り、今度は紺野の太ももに触れると徐々に足の付け根のほうへと移動させてゆく。

そして、その右手はついに紺野の足の付け根を覆っている布にたどりいてそれに触れると、その下にあるであろう溝に沿って這わせ始めた。

……はあああっ……

その時……紺野がひときわ大きな吐息を吐いた。

俺はなおも布越しに右手を上下に動かせる。

……はあっ……ふあっ……はああっ……

紺野は今度はその刺激に合わせるように吐息を吐く。
いや……もはや吐息というより喘ぎ声に変わっているように感じた。
布の上からでも湿り気が感じられる。
そして……俺はその右手を紺野のパンツの中に滑り込ませた……
右手に感じる紺野の若草の繁み。
そこを通過して指先が紺野の女の子そのものの部分に触れると……
そこはすでに充分過ぎるほどに潤っていた……

「濡れてる……」
俺がそう言うと紺野は顔を真っ赤にして手で覆った……

俺は紺野の乳首を吸い、右手をなおもパンツの中に手を入れて紺野のそこを刺激する。
人差し指から薬指の3本の指を、紺野の大事な溝にそって這わせる。
時折、中指に少し力を入れて溝に押し付けたり、左右に動かせたりしてみる。
紺野のそこからは、汲めども汲めども尽きない泉のように愛液が溢れ出してくる。
そこからは
……くちゅっ……ちゅっ……くちゅっ……
と湿った音がしているようだった。

紺野は俺の唇と右手の動きに合わせるかのように

はあっ……ふあっ……ひゃあっ……ふああっ……

と喘ぎ声を出している。
やがて俺は、右手をゆっくりと腰から尻の方へと回して、紺野のパンツをゆっくりとずり下げようとした。
紺野も自ら腰を浮かして、俺を助けようとする。
パンツが膝まで下がったとき、紺野は自分から足を動かしてそれを脱ぎすてた。
俺もそのタイミングに合わせて自分のパンツを脱ぐ。

俺と紺野、二人の生まれたままの姿がそこに現れた……

俺はなおも同じように紺野を愛撫していたが、
……そろそろいいだろう……
と思い、
「……そろそろいい?」
と声をかけた。

後から考えれば、もっとじっくりと時間をかけてあげればよかったと思ったが、
その時の俺は無我夢中の上、その次のことで頭がいっぱいで、とてもそこまでの余裕はなかった。

「……うん……」

快感で瞳を潤ませながら紺野がうなずく。
俺は体制を立て直し、紺野の両足を開かせるとその中に自分の身体を入れる。
そして紺野の太ももを持ち上げて挿入する体制を取った。
その刹那、初めて見た紺野のそこ。
下腹部から足の付け根にかけてなだらかな丘があり、そこには黒々とした陰毛が三角形に形をなしている。
その先端部分は紺野の愛液で黒々と濡れぼそっていた。
そしてその下には、両側に襞を従えた裂け目が見えている。
左右の襞は充血してぷっくりと膨らんでいる。
それが左右に開き、中心にある裂け目は、紺野の体内から出た液体にまみれて俺を迎え入れる用意を整えていた。
いや、むしろ俺がそこへ入ってくるのを待ち望んでいるように見えた。
ビデオやネットで画像は見たことがあるものの、実際に見るのは初めてだ。

これが女の子……いや、紺野の……
そんな感慨にふけりながら俺がしばらくそこを眺めていると
「……見ないで……恥ずかしい……」
と紺野の声がする。
「ご…ごめん。」

俺は自分の分身に手を添え、とうとう紺野のそこにそれを差し入れようとする。
その時、
「……ゴム……着けてくれた?」
とまた紺野の声がした。

「ちゃんと着けてね……あたしまだ子供産みたくないから……」

紺野の言葉に俺は我に帰る。
あわてて部屋の中を見回してゴムを見つけると封を切り、装着しようとする。
が、これまでしたことがないのと気があせってなかなかうまく装着することができなかった。
「…もぉおん……早くぅん……」
そんな俺を見て、紺野が悪戯っぽく笑いながら俺をせかした。

なんとかゴムを着け終わって俺は再び紺野の両足を開き、身体を中に入れる。
紺野は両手を俺の首に巻きつけ、自分のほうへと俺の身体を引き寄せた。
そして、俺が手で紺野のそこに分身をあてがって中に差し入れようとしたとき、
「そこ……違う……」
と、また紺野が言った。

俺は慌てた。場所は確かここだと思っていたけど違うのか?
そう思ったとき、紺野は自分の右手で俺の分身を支え、自らそこへと導いた。

「……ここ……?」
「うん……」

俺の先端が紺野の入り口に触れると、紺野は再び両手を俺の首に回す。
そして俺のものが侵入しやすくなるように両足を持ち上げて膝を曲げ、
ちょうど赤ん坊がおむつを替えてもらうときの姿勢を取った。

俺は自分の手を添えながら、俺の分身を紺野の中に沈めてゆく。
ついに……紺野と……

……う……ぐぐ……うううっ……ううっ……

紺野のそこは自らの潤滑液で充分潤っているはずなのに、壁があるかのように俺の侵入に抵抗する。
その痛みに耐えかねてか、紺野の口からは嗚咽が漏れる。
「痛い?」
「……うん……でも……大丈夫……」
紺野が涙ぐみながら言う。
俺はさらに先端を沈めてゆくと、紺野はまた

……ぐぐぐぐ……うううっ……ぐぐ……ぐっ……

と嗚咽を漏らし、俺の首に巻きつけている手に力をこめた。
俺の分身はなおも紺野の中にゆっくりと侵入を続けてゆく。
漏れてくる紺野の嗚咽。
その顔には次第に脂汗が滲んでくる。

そしてとうとう……俺の分身は紺野の奥まで達し……
俺たちの身体は一つにつながり、そして紺野は少女から女になった……

俺たちはしばらくその状態のままで抱き合っていたが、やがて
「動く……よ。」
俺はそう言ってゆっくりと腰を前後に動かせ始めた。

ううっ……ふうっ……ううっ……ううっ……

紺野はそのたびに苦痛と嗚咽の交じった声をあげ、俺の背中と腰に回した両手と両足に力を入れてくる。
俺もその紺野の身体をしっかりと支えて押さえるため、紺野の背中に腕を回して強く抱きしめる。
俺の胸に紺野の乳房がつぶれて押し付けられる。
乳房と、その先端にある二つの乳首の感触。
絡みあった二人の荒い呼吸だけが聞こえてくる。
俺を包む紺野の中は温かく、そして俺の分身を周囲から締め付けてくる。
俺のなにもかもが、紺野の中にとろけていきそうな感覚。
少しでも長く持たせようとここに来る前にあらかじめ出してきたはずなのに、
ほんの数分も経たないうちに俺はもう限界を迎えようとしていた。

「ごめん……もう……出る……」

とうとう俺はそれだけ言うと、そのまま紺野の中で果ててしまった。

俺たちはゆっくりと身体を離し、汁が漏れないように慎重に俺の分身を抜いて着けていたゴムを外した。
先端に溜まっている俺の白い血。
そしてそのゴムの外側には、うっすらと赤い液体が付着していた。

「あ、血が出てる。」
紺野のその声に俺は紺野のほうを見た。
そこには、紺野の体内から出た血が流れ出し、シーツに赤い染みを作っていた。
それはまさしく、紺野の破瓜の証しに他ならなかった。

「これって……あたしの初めてのしるしだよね。」

紺野はベッドの上に座ったまま、俺に向かってそう言った。

シャワーを浴び、脱いだものを再び着て俺たちはホテルを出る。
俺はまだ夢見心地だった。
俺……本当に紺野としたんだ……
しかも紺野の処女を俺が……
ほんのついさっきまで自分がしていた行為が、俺にはまだ信じられなかった。
だが、今俺の隣にいる紺野の、その唇、胸、肌、そしてあそこの感触とぬくもりが俺の全身にはっきりと残っている。

……やべ……また勃って……

俺はそんな自分を静めようと懸命だった。
そしてちらりと隣にいる紺野のほうを見た。
紺野は俺の視線に気付かずに前を見ている。
その紺野の横顔はとてもかわいい。
俺は腕をそっと紺野の肩に回そうとした。
紺野は俺のそんな気配を察したわけではなかったろうが、自ら俺の腕に自分の腕を絡めてきた。
「…………」
「えへへ……今だけいいでしょ。だって、あたしの初めての相手だもん。」
俺のほうを向いて微笑む紺野。
それはこれまでに見たどの微笑よりも可愛かった。
そして、俺の気のせいかこれまでとは違った女らしさ、艶っぽさがあるように見えた。

俺たちはしばらく腕を組みながら歩いていたが、どうも紺野の足取りがぎこちない。
「どうした?」
俺が聞く。
「ん……まだちょっと痛くて……なんだかまだ足の間に何か入ってるみたい……」
「そんなに痛かったのか?」
「うん……でも、ま、こんなもんかなって。ね、そっちの感想は?」
「あ……紺野の中……とってもあったかくて気持ちよくて……まるで俺が溶けていきそうだった…」
「もう……やだ……」
そう言って紺野はまた顔を赤らめた。
「ごめんな。俺がもっと上手だったら紺野をもっと……」
「いいよ……二人とも初めてだったんだもん、仕方ないよ。
だいいち……あたし他の人なんて知らないから比べられないもん……上手いか下手かなんてわかんないよ…」
「…………」
「……それに……もし上手じゃなかったとしてもこれから二人で経験重ねていけばいいじゃん。ねっ。」

……それって……どういう意味……

「……あたし初めてだったけどちょっとも緊張しなかったし、こわくもなかったよ。
してる最中だって……すごく安心できた……
あたし…初めての相手があなたで良かったと思ってる……」
「…………」
俺は照れて少し横を向いた。
すると紺野は
「ね、これ見て。」
と言うと、組んでいた腕を解き、俺の前に回ると自分の両手を合わせてものを掬うような形を取り、
その手を俺の前に差し出した。
俺が少し首を傾けてその手の中を見ようとしたとき……

………ちゅっ………

紺野の唇が再び俺の唇に触れた……
俺が少し驚いた表情をしていると
「……だからまたしよっ、ねっ。」

そう言って紺野はきびすを返して家へ帰ろうとする。

「あ、紺野……」
「なに?」

俺と付き合ってくれ……

そう咽元まで出かかったが、それが言葉になることはなかった。
「じゃ、あしたまた学校でね。バイバイ。」
紺野はそう言うと自宅の方向へと歩き去っていlく。
その歩き方は、やはり少しぎこちない。
俺はその紺野を見送ることしかできなかった……

その夜もまた……俺は自分に残る紺野の体温と感触を思い出しながら今日3度目の放出をした。


その日を境に、俺と紺野は何かがふっきれたように感じられた。
その証拠に俺たちは何度も何度も身体を重ね合った。
紺野も最初の頃は痛がったりしたが、徐々に馴染み、こなれてきたのか
前戯のときの愛撫だけでなく挿入後の動きにも反応を示すことが多くなった。
俺もまた、はじめの頃は数分も持たなかったものが次第に長く持続するようになり、
また回をこなすごとに余裕も出てきて紺野の身体の隅々までを丁寧に愛撫するようになった。
だが、まだ紺野が中でイクことまでには至らなかった。

……その日も……俺たちはホテルで身体を重ねていた。

紺野の全身をたっぷりと時間をかけて撫で回し、やがて俺自身を紺野に挿入する。

ああっ……ふぁっ……はあっ……はあっっ……はあっっ……

前後運動に合わせて紺野が喘ぎ声を漏らす。
初めて関係を持った時に比べると、その声も息も大きく、荒くなっている。
俺がさらに前後運動を続けようとすると、
「……少し……待って……」
と、俺の身体の下で紺野が言った。

「どうした?」
腰の動きを止めて俺が尋ねる。
「なにか……来るみたい……」
「来るって……なにが?」
「その……もしかしたらイけるかも……」
「そう……じゃ俺頑張るよ……」
俺はそう言って前後運動を再開する。
手前から奥へ、奥から手前へ俺の分身は紺野の中をかき回し、突く。
紺野の喘えぐ声はそれにともなってますます大きくなる。

ああっ……ふあっ……ふああっ……はああっ……はあ……はあ……はああっっ……ああっ……

そして……

ふああああああっっっ…………・んんんんん……・・

ひときわ大きな声と息を吐いたかと思うと、全身を大きく痙攣させ……やがて身体中の力が抜けたようにぐったりとなった……

そう……その日、紺野は初めて絶頂を迎えた……

俺はぐったりとなっている紺野から自分自身を抜き、しばらくベッドに横たわる紺野を眺めていた。
やがて紺野はゆっくりと俺のほうを向く。
そしてそのうるんだ瞳で
「…………イっちゃった…………・」
と俺に言った。

「良かった?」
俺が言うと紺野は
「うん……エッチがこんな気持ちいいものだなんて思わなかった……」
と微笑みながら返事をする。
その表情はとても満足げで幸せそうだ。
そして……とてもかわいかった。

「そう……でも……余韻に浸っているところ悪いんだけど、俺のコレ……どうしたらいいのかな?」
俺はそう言ってまだいきり立っている自分のものを紺野に示した。
「あ……ごめんね……」
紺野はそう言うとゆっくりと両手で俺のモノを持ち、かぶせてあったゴムを外すと俺の股間に顔をうずめて自らの口に含ませる。
予想もしなかった紺野の行動。
「お……おい……」
俺がそう言うのも構わず、紺野はその口で、舌で俺のモノを含んで絡める。
「いいから……したげる……」
紺野の唇からはぴちゃぴちゃといやらしい音が漏れてくる。
そして、俺のほうも限界に近づいていった。
「もう……いいから……口離して……出る……」
俺がそう言っても紺野は口に含むことをやめなかった。
いや、それどころかその舌の動きはいっそう激しくなっているかのようだ。
「出るから……やめ……」

そして……とうとう俺は紺野の唇の中に熱い精を放出した…………

「えへへ……気持ちよかった?」
「いいから早く吐き出せよ……」
「うん……」
紺野はそう言うと口の中に出した俺の体液をティッシュに吐く。
そして俺のほうを見てまた微笑んだ。
「……なんでまた……」
「ん……なんかね……急にしてあげたくなっちゃって……不思議だね……
今の今までビデオの中だけにあるものだと思ってて……自分がするなんて思ってなかった……」
「紺野……」
俺はそんな紺野の身体を抱きしめる。
そして、また互いの唇を重ねる。
その紺野の唇は……少し栗の花の匂いがした……



「あの……頼みがあるんだけど。」
俺は紺野に言った。
「なに?」
紺野は屈託のない瞳で俺に聞いてくる。
「その……実は………してほしい…」
「え?よく聞こえなかったんだけど。」
再び聞いてきたので、俺は少し大きな声でもう一度言った。

「え?わかめ酒って……なに?」
紺野が聞いてくる。どうやらよく知らないらしい。
「あまり大きな声で言うなよ……」
俺は紺野の耳に口を近づけ、内容を説明する。

「え!」
紺野に困惑の表情が広がる。
俺達は大抵のことはしてきたが、わかめ酒の経験はまだなかった。
「……だいたいあたしたちまだ未成年でしょ。お酒飲んじゃいけないんだよ。」
「……ま…いいじゃないか。そこはそれってことで。」
「それに……恥ずかしいし……」
「そこをなんとかお願い。紺野さま。お願い。」
「……………」
「お願いします。一回だけ、一回だけでいいから。愛してます、あさ美さま。」
俺が両手を合わせて懇願すると紺野はそれにほだされたのか
「……わかったわよ……今回だけね……まったく……どこでこんなこと仕入れてきたのかしら……」
と、渋々ながらもOKしてくれた。

「もう……仕方ないわねえ。」
紺野の顔は少し赤くなっている。
「こぼれたら大変だからね。」
そう言ってバスタオルを畳んで床に敷く。
「……じゃ、脱ぐよ……」
紺野はそう言うとスカートの中に手を入れ、その中の下着を脱いだ。
その日、学校が終わると俺は紺野の家に行き、部屋に上がった。
今まで履いていたパンツが足元まで下がると、紺野は足を抜いてそれを手に持ち、折り畳んで自分の足元に置く。
続いてスカートのホックを外してファスナーを下ろすとそのままスカートは足元へと落ちる。
紺野の裸の下半身が俺の目の前にあらわれた……
俺の目はそこに釘付けになる。
上半身は制服のブラウスを着ていながら下半身は靴下だけの姿。
それがなんとも言いようのないエロスを醸し出している。
何度も見て、よく知っているはずなのに俺の下半身に血液が集中してゆくのがわかった。

「もう……恥ずかしいからそんなじろじろ見ないでよ……」
紺野は顔を赤くしてそう言うと足元に落ちているスカートを畳んでパンツの隣に置くと、
そしてそのままバスタオルの上に正座をした。
「……このままじゃ裾が濡れちゃうわね……」
さらにそう言うとブラウスのボタンを下から2つ外し、その裾を左右に振った。
ブラウスに隠れていた紺野のへそが姿を現す。
「……今日も…キレイだよ……」
俺がそう言うと紺野は
「もう、バカ。」
と答えた。

「……冷た~い。」
紺野はあらかじめ買ってあった日本酒のビンを開けると、自分の足の間に注いでゆく。
そんなに量は入らなかったが、紺野の両足の間に酒が溜まり、小さな池を作った。
色白の紺野の両足の間にできた透明な酒の池。
その中に、黒い陰毛があたかも海草のようにゆらゆらと揺れていた。
……これがわかめ酒か……
俺は話には聞いていたが、実際に見るのは初めてだった。

「……もう……さっさとしてちょうだい……」
俺がしばらく見とれていると、恥ずかしさに耐えかねてか紺野がそう言った……

「いただきま~す。」
俺は両手を紺野の太ももに回して身体を支えると、両足の間に顔を突っ込んで池の水…いや、酒を飲む。
コップを使うわけでもない、犬や猫が水を飲むのと同じ姿勢だ。

ぴちゃぴちゃ、ずるずると酒を飲む音が自分でも聞こえる。
紺野は懸命に恥ずかしさをこらえて我慢していたが、
「やだ……くすぐったい……」
と言うとその手で俺の頭を押さえてきた。
どうやら俺の息がかかるのと舌の動きが紺野に刺激を与えているようだ。
とはいえ、足を開けば酒がこぼれてしまうので、懸命に足を閉じているのがわかる。
次第に池の水は減ってゆき、やがて滴を残すぐらいになった。

「ね…もういいでしょ。」
紺野はそう言ったが俺は
「ダメ。ちゃんと最後まで舐め取らないと。」
と言うとなおもそのままぴちゃぴちゃと舌を這わせた。
「や…やだっ…くすぐったいよぉ……そんな……舐めちゃ……」
紺野から甘い声が漏れてくる。

……やがて……酒はすべて俺によってきれいに舐め取られた……

「……ありがと、紺野……本当にわかめ酒が飲めるなんて感激したよ……」
俺は紺野にそう礼を言って立ち上がろうとした。
すると紺野は少し不満そうな顔を俺に向ける。
「……どうしたの?」
俺は紺野に尋ねた。
「……ね……希望かなえてあげたんだから今度はあたしがお願いしていい?」
「……いいよ。何?」
すると紺野はまた顔を赤らめて
「……続き……続きをして欲しい……」
と、甘えた声で俺に言ってきた。


今日はどうも紺野の様子がおかしい。
今朝からずっとソワソワして落ち着きがない。
授業中も休み時間も、なにかが気になって心ここにあらずといった感じだった。

「今日どうしたんだよ?全然落ち着きなかったぞ。」
一緒に帰る帰り道、俺は紺野に聞いてみた。
「うん…あのね…実は履いてないの…」
「は?どういうことだよ。」

どうやら紺野は今下着をつけておらず、ノーパンの状態らしい。
そういえば今日の1時間目は今年初めての水泳の授業だった。
紺野は面倒くさがって家から水着を制服の下に着てきたとはいうものの、
肝心の着替えのパンツを忘れたらしい。

それで体育の授業が終わってから今まで、気もそぞろだったというわけだ。
なにしろなにか事故があってスカートがめくれるようなことがあればそれこそ
丸見えとなってしまうわけだから、紺野の気もちもわかる。

「あ、あそこにコンビニあるからとりあえず買ってきたら。」
俺が紺野に言う。
すると紺野は少し意地悪な微笑を浮かべて
「ね…買ってきて。」
と俺に言った。

「は?」
俺が怪訝な表情をしているとさらに続けて
「パンツ買って欲しいな。」
紺野が上目遣いに俺を見て言った。

「そんなの…自分で買えばいいじゃないか…」
俺が言うと
「だって…このままだと何かあってスカートめくれたらあたしのが他の人に見られちゃうんだよ…
それでもいいの?」

……それは困る。
正直言って紺野のそこは俺以外の男に見られたくない。
それに紺野にこんな表情でおねだりされるととてもじゃないが断れない。

「わかったよ…買ってくるよ……」
俺はコンビニに向かう。
「なるべくかわいいのがいいな…」
背中でそう声が聞こえた。

「はい、買ってきたぞ。」
俺は紺野に買ったばかりのパンツを見せる。
「ありがと。」
「女の店員さんだったからすごく恥ずかしかったんだから……」
「えへへ。ありがと。」
紺野はそう言って微笑んだ。
その表情はとてもかわいい。
この表情が見れるならどんなことでもしてやろうと思える。

「…ここじゃ人目につくからそこの陰に行こうか。」
俺たちはそう言って建物の、通りの人から見えない場所へと入った。
「ほら、早く履いて。」
俺は紺野にパンツを渡そうとした。
すると
「ね…履かせて。」
と紺野が言った。

「えっ……」
俺は絶句した。
「履かせてよ。」
紺野は少し強い口調になる。

俺は紺野の足元にしゃがみ込むと、買ってきたパンツを広げた。

右、そして左と紺野はパンツに足を通す。
俺はそのままパンツを紺野の足の上のほうへとたくし上げていった。

そして、それが太もものところまで来たとき、紺野は自分でスカートをめくり上げた。

俺の目の前に紺野の陰毛が、そしてその下の女の子そのものが現れる。
スカートの中にこもっていた紺野のメスの匂いが広がった。
俺のよく知っている、しかし俺しか知らない紺野のそこ。

俺は目の前のそれにむしゃぶりつきたい衝動を抑えつつ、紺野にパンツを履かせる。
その刹那にふと上を向くと、紺野と目が合った。
紺野は顔を赤くして俺をじっと見つめていた。

俺はあわてて視線をそらす。
そしてそのままパンツを履かせ終わると、紺野もまたスカートを下ろしてそれを隠した。

「ありがと……ね、ちょっとは興奮した?」
紺野が聞いてくる。
「…………」
俺は答えなかった。
が、今まで眠っていた俺の欲望が目を覚ました。
しばらくして俺は紺野に言った。
「な、これから俺の家来ないか?」
「なに?今履かせてくれたばかりなのにもう脱がせたいの?」
と紺野が俺に言う。
俺が返事に困っているとさらに
「…うん、いいよ。」
と俺の腕に手を回してきた。

とある放課後、紺野と一緒にくだらない世間話をしながらの帰り道。
別れ際に突然紺野が言った。

「ねぇ、明日の朝、7時に教室に来て。」
「はぁ?そんな時間に学校に行くのは野球部くらいだろ。」
「いいから、いいから。あ、ちゃんと朝シャワー浴びてきてね。」
おいおい。朝っぱらから、それも教室でしようって言うのか?

紺野は、「教室でもしてみたい。」何て大胆な事を度々言っていたが、
俺は誰にも紺野の痴態を見られたくない思いから、それを断っていた。
その前に俺、朝シャワーなんて面倒なことした事ないし…

「遅刻したら、購買のメロンパンを一ヶ月ね!」
「教室はやばいって…」
「だいじょぶ。だいじょぶ。じゃあね。」
目一杯の笑顔で、顔のあたりで手を振りながら横道に入っていく紺野。
「おい!紺野…」
何が大丈夫なんだか……

明日の朝は何かするのは確かなんだろう。
多少の不安に駆られながらも、スケベな妄想をする俺の股間は既に朝になっていた。

次の日の朝。
俺は紺野と約束したとおりに教室に来た。今、7時3分前。

「あ!おはよ~。遅刻しなかったかぁ…メロンパン…」
「あぁ。おはよう。で?」
メロンパンに未練タラタラの紺野をよそに、俺は軽く挨拶をした。
「ふっふぇっふぇっ」
……何だ?その笑いは。
紺野は、いつものような可愛らしい笑顔の中に、何か企んでそうな目をしてる。

「こっちこっち。」
俺の手を掴んで教室を出、廊下を引っ張っていく。
「どこに行くんだよ。一体…」
紺野に引き摺られるようにして着いた所は、女子トイレの前だった。
「ちょっと待ってね」
一人でトイレの中に入っていく紺野。
すぐさまドアから顔を出して手招きをする。
「入って。」

「はいっ!?」
訳がわからない俺。
「人来ちゃうから早く!」
いくらなんでも男の俺が入るのはマズイ。
万が一、女子に見つかったら「変態」と言うあだ名とともに総スカンを食らうだろう。

「早く!」
躊躇している俺の手を引っ張る紺野。
しかたがない…
当分学生は来ないだろう。という思いとともに、俺はいざ女子トイレの中に足を踏み入れた。

「!?」
同じトイレなのに、男子トイレとこんなに匂いが違うもんなのか!?
アンモニアの匂いと共に、各種コロンの匂い。
それに、頻繁に嗅いでいる紺野の甘いメスの匂いとほぼ同じ匂いが、渾然一体となって漂っている。
この匂いだけで俺の息子は既に勃ち上がり始め、頭はクラクラしていた。

鼻をヒクヒクさせる俺を不思議そうに見る紺野。
「あれ?何か匂う?」
「…すごいな…女子トイレって……」
「ん?何が??」
女の紺野には、この強烈な女の匂いが解らないのだろうか…
この、甘く酸っぱい匂いだけでヌケるぜ俺……

そんなことを考える俺をよそに、
紺野は俺の手を掴んだまま、ぐいぐいと個室にまで引っ張り込む。
そしてそのまま個室の隅っこに追いやられる俺。

「はい。まずはこれ着けて。」
渡されたのは何故かアイマスク。
まだ、何をしようとしているのか解らないまま、それを素直に着ける。

「はい。では、あさ美先生が注意事項を言います。」
「注意事項ぉ?あさ美せんせぃ~??」
「気持ち良くしてあげるから黙って聞くように。破ったらメロンパンです。」
「…はい。」
朝シャワーして来いと言われてたから、スケベな事とは思っていたが
アイマスクに、注意事項と、一体何なんだ…

「まず一つ。手は後ろに回して、絶対に動かさない事。」
「……はい。」
「じゃ、とりあえずズボンとパンツ脱がすね。」
そう言って紺野は手際よく俺のベルトを外し、パンツごとズボンを下ろして脚から引き抜いた。
何度もやっている事なのだが、俺のパンツを下ろす時、
紺野はいつも目線をそらして、恥かしそうに顔を赤く染める。
何を今更とは思うのだが、その恥かしそうな顔を見るのが何時も楽しみでもあった。
それが見れないのがどうにも残念…

「あれ?朝勃ち。ってやつ?」
出てきた俺のち○こが既にギンギンで驚いたようだ。

「……いや…この女子トイレの匂いにちょと……」
「おしっこの匂いに興奮するんだぁ。変態さんだぁ。」
ち○こを突付きながら、楽しそうに俺の耳元に囁く紺野。
ゾクゾクする。俺ってMかも……

「注意事項その2。何があっても絶対に声は出さないように。」
「…はい」
「はい。あとはこれをしてね。」
アイマスクで何も見えない俺の手に、紺野が握らせたのはイヤーホンみたいなスポンジ。

「何これ?これをどうすりゃいいの?」
「耳栓」
目だけじゃなく耳も塞げって言うのか…何なんだよ一体……

「はい!声は出さないでって言ったでしょ。」
「……」
「よろしい。ちゃんと音が聞こえないように詰めてね。」
「……」
耳栓なんて詰めたところで、完全に聞こえなくなる訳でもないんだがなぁ
と思いながらも耳栓を詰める。

「聞こえる?」
紺野の良い香りと共に、俺の耳元に紺野の吐く息がかかるが、
かなり遠くの方から喋っているように聞こえる。
これじゃヒソヒソ話だったら聞こえないか。

何かの合図のように、先走り液の出ているであろう、ち○この先に「チュッ」とキスされた。


軽い振動と共に、個室の中に風が入った。
紺野の気配はさっきのままで残っている。
え?誰か入ってきた??

人の気配が、俺を挟んで紺野とは反対側に近づいてきた。
まさか、友達を呼び込んで俺のち○こを見せびらかしてんのか?!

信じられない状況に困惑するが、ち○こは勃ったまま。
こんな事を出来る紺野の親友といえば……
浮かんでくる子全員が可愛いどころばっかりで、一段と興奮してしまう。

ボソボソと二人で何か話している。どうなる俺…ラッキーなのか?

紺野じゃない方が、突然俺のち○こを摘んだ。
親指と人差し指だと思うが、2本の指でおずおずと言う感じで擦り始める。
…おいおい。紺野の目の前で擦られてるよ……
興奮度は最高潮。先走り液もかなり出てるんではなかろうか。
暫くし、またボソボソと聞こえて、その手が離れる。

別な角度から触れられる。今度は紺野だ。
手のひら全体を使って、そして先走り液を上手く塗りたくるように
絶妙の力加減、そして俺の弱点を見事に捕えて擦り上げる。
気持ち良い…と思っていたところでその手が離れる。
このまま出させてくれよ……

再び紺野じゃない方の指が触れる。今度は手のひら全部でち○こを握り締めてきた。
力加減が解らないのか、ち○こが怖いのか、若干緩めに握って擦りあげる。
そいつも興奮しているのか、鼻息らしき風がち○こにかかる。
擦り方は、なんともぎこちなくもどかしいが、それが妙に気持ち良い。
遊ばれてる感覚とでもいうのか……

それと共に、俺は頭の中で、これが誰なのか一生懸命探っていた。
中腰になっているのか、そいつの頭は俺の胸のあたりにある。

…紺野とは違うシャンプーのいい匂いはするが……
…俺の太腿に時折触れる髪は長いような……
…紺野より柔らかくてあったかい手……
…コロンの匂いはしない…

…誰かわからん。もうどうでもいいや。

俺は考えるのは止めて本能のままに、ち○こを擦られる快感に身を任せた。
女子トイレの匂い、二人がボソボソと話す声も快感を増幅させる。
そして、そろそろ…と思った瞬間、ボソボソッと聞こえ、俺のち○こから手が離れた…

……え?え~~……
射精感が収まっていく…

再度、紺野が握って擦りあげてきた。
すぐに湧き上がる射精感。
…もう…たまらんっ……

スッと手が離された。仕方なく、また引いていく射精感……

再び紺野じゃない方が擦りあげてくる。
そして、紺野のボソボソッという声の合図と共に離される。
出したい!でも出せない…そんな事が幾度となく続く。
時には袋の方だけ刺激したり、棹の先っちょだけだったり……

………生殺しだ…
もしかしたら、精液垂れ流してるんじゃないか?俺……

もう何度目か、紺野じゃないほうの手に包まれる。
その温かさだけで完全に限界。
俺は紺野の前で、誰とも判らない女の子の手で、おもいっきり精を放出した。

一瞬「ヒッ!」というような声が聞こえ、離された手。
すぐに紺野に掴まれて、おそらく便器の方へ向って抑えつけられる。
そのままボソボソと左右から聞こえる話し声のようなもの。
多分、紺野に握られながら精液を垂らしている俺の様子を話しているんであろう。
暫くして、ドアが開くような振動と共に未確認者の気配が消えた。

紺野にアイマスクと耳栓を外された。
「にへへへー」という感じで上目使いで俺に笑顔を見せる。
……悪魔だ……
「お疲れさまっ!」と一言。
そして萎えかけた俺のち○こを、その可愛い口に含む。
玉袋の付け根も捏ねながら、ち○この残滓を吸い上げ、丁寧に汚れを吸い取っていく。
……やっぱり天使だ……

「おいおい、紺野。そんなに舐めたらまた勃っちゃうよ。」
「は、ひゃへっは!ひほんはん!」
「何言ってるかわかんないし…」
チュッと音を立ててち○こを吐き出し、
「喋ったからメロンパンね!」
なんて、また上目遣いで笑顔の紺野。
「わかったよ。今日だけ奢るよ。」
「やった~!」
そう言って、嬉しそうなその笑顔を見せられてはかなわない。
パンとか焼き芋くらいだったら、いつでも奢ってあげたくなる。
そんな紺野がとてもいとおしくなり、またしゃぶろうとする彼女を立たせ、
俺の方からその唇にキスをした。
どんな可愛い子に色々されても、俺は紺野が一番だよ…
紺野にだったら何をされたって構わない……
ちょっと癖っ毛の髪を撫でながら、舌を絡ませた。

…精液混じりの唾液流してよこした……前言撤回。いつでもは奢ってやんない……

紺野は、ち○こについた自分の唾液をハンカチで拭い、俺を先に教室に戻らせた。
結局誰だったんだ?あれ…
教室を見まわしても紺野の鞄しか無い。
暫くすると、パラパラとクラスメイトがやってくる。そして紺野も。
当りを付けていた子もパラパラと来るが、特に変わった感じもしない。

ワイワイと賑やかな教室の中、そっと紺野に聞いてみる。
「何だったの?さっきの。」
「え?持続力付ける為の朝練。それと、一度、アレと、出るトコ見たいって言ってたから。」

…朝錬て…

「だからって何で俺が…」
「だって彼氏居ないし、わたしのだったら色々と安全でしょ?私も居たら襲われないし。」
…そういう問題なのか?ま、女の子二人に弄られるなんてラッキーなのかもしれないけど。

「で、気持ち良かった?」
「…あ…うん。かなり。出すまではキツかったけど…でも誰だったんだよ。あれ。」
「教える訳ないでしょ。浮気されたら嫌だもん。」
そもそも俺はそんなにモテないし、紺野一筋だから浮気なんてする気は無いんだが…
紺野に苛められる快感?も知っちゃったし……

「コロン着けてない子だったんだよなぁ…」
「今時、コロン着けてない子って居ないよ。当然バレないようにですー。」
敵も然る者だ…

あれは誰かとあまりにも俺が聞いた為、若干不機嫌になった紺野だったが、
昼休みに購買からメロンパンと、新製品らしいタラコポテトパンを買ってきたら、
あっさり機嫌を直してくれた。

その夜…俺は、紺野を含めその友人、数人がかりでち○こをなぶられる幸せな夢を見た。

紺野とえっちした翌日、俺は学校へと向かう。
……ダメだ……
考えないようにしても昨日のことを何度も思い出しては顔がニヤけてしまう。
こんな表情を紺野に見られたら……
「もう、なにニヤついてるのよ。このスケベ。」
と笑って済ましてくれるだろうか。
そんなことを思いながら教室に入った。

「あ……紺野……おはよう。」
「………………」
挨拶しても紺野は答えなかった。
昨日までは「おはよう」ぐらいは言ってくれたというのに……

授業中も気になって紺野のほうをちらちらと見る。
紺野は俺の視線に気づいてこちらをちらりと向く時もあったがすぐに視線をそらす。
休み時間中に声をかけようとしても、そのたびにうまくすかされてしまう。
……明らかに俺を避けている………

その時、俺は気がついた。これは

勘違いしないで。あたしたちただの友達じゃない。一回身体を許したからと言って彼氏ヅラしないでちょうだい。

という紺野からの無言のメッセージなんだと。


確かに、昨日の夕方から今朝にかけての俺は浮かれていた。
紺野とえっち……いや、紺野の処女を貰ったことで俺は紺野にとって特別な男なんだと勝手に思っていた。
だが、考えてみたら紺野の目的は俺の身体。
自身の興味と好奇心を満足させるために手近でそれなりに親しい友人である俺を選んだに過ぎない。

わかってはいたことだが、いざそう思い知らされてみると寂しい。
だが、なんとか自分を納得させ、そう割り切ってしまうようにした。
そうすれば多少は気が楽になる。
もし、昨日の別れ際に紺野に「付き合ってくれ」なんて言って玉砕してたら、俺は立ち直れないだろう。
今のままでいれば、少なくともこのまま親しい友人でいることはできる……と思う。
それに紺野は「またしようね」って………
もちろん、感情の高ぶりが言わせた社交辞令だとは思うがいつかまた昨日のようなことがないとは限らない。
考えようによってはなかなかラッキーなポジション……なのかもしれない。
そう思うようにした。

……結局……その日は紺野と一言も言葉を交わすことはなかった。

しかし一度覚えてしまった紺野の肌を俺は忘れることができない。
その夜もまた、この前のことを思い出して俺は紺野の世話になった……

次の日も、その次の日も、俺と紺野の間には会話がなかった。
……ひょっとしたら紺野はこの前のことをなかったことにしたいんじゃないか……
だからほとぼりが冷めるまで俺としゃべらないようにしているんじゃないか…
なにかの拍子に俺が得意げにその話をするんじゃないかとか、彼氏のようにふるまったりすることを
嫌がってるんじゃないか……
不安と、疑心暗鬼が俺を襲う。
正直、紺野と話さないことがこんなに寂しいものだとは自分でも思っていなかった。
せめて普通の会話ぐらいしてくれたっていいじゃないか……
そんな恨み節さえ出そうになる。

それからさらに数日が経ち、俺がいつものように自分の席で昼飯を食っていると、紺野が俺のところにやってきた。
そして小声で
「……ね、今日一緒に帰ろっか。」
と俺に小声で言った。
その口調は以前と変わらないもの。
俺は、少なくとも紺野に嫌われていないということがわかって正直ほっとした。

帰り道、俺は紺野と並んで歩いている。
学校を出てしばらくの間、二人とも何もしゃべらなかった。
普段なら明るく話題をふってくる紺野も何も言わない。
いや、互いに何をしゃべっていいのかわからなかったのかもしれない。
この間のことを口にするのも憚れたし、かといってそれをなかったことにするのもよそよそしい。
それに……今日一緒に帰ろうと誘ったのはどういうつもりなんだろうか……
妙な緊張感が俺を包む。
……そう……まるでこの間、二人でホテルに向かっているときのような……

その時、紺野が急に自分の腕を俺に絡めてきた。
「えへへー。」
「な……なに、いきなり?」
「ね……今日これからヒマ?」
「な、なんだよいきなり。そりゃ今日は別に用事ないけど……」
俺は答える。
何日ぶりかの紺野との会話。
内心、うれしさがこみあげてくるのが自分でもわかる。
「あのさ……今日うち来ない?」
いきなり紺野が言った。
俺は何が起こったのか一瞬わからなかったが、すぐに紺野の言ったことは理解した。
だが……それを口にした紺野の意図はなかなか理解することができなかった。

紺野……どういうつもりで……まさか……ひょっとして「またしようね」の「また」なのか……?

さまざまな憶測が頭を駆けめぐる。
だが俺の口は推理が脳内をめぐるよりも早く
「ああ。いいよ。」
と答えていた。

その返事をしたとたん、俺の腕をつかむ紺野の腕に力が入る。
そしてもう一度俺のほうを見て
えへへ。
と微笑む。

天使のようにかわいいその表情。
そして……女になったせいだろうか、その中に少し大人の色っぽさを俺は感じた……

紺野は自分のそんな表情に気づくわけもなく、なお俺に腕を絡めてくる。
そして、ときどき俺の腕にあたる紺野の胸の感触。
それは俺の欲望を刺激するには充分すぎた。
……やべ……また…………
自然と俺の腰が引け、歩みが遅くなる。
紺野はそんな俺に気づくわけもなく、
「もう、何してんの。」
と俺を急かした。

「いや…だって急に腕組んできたから……」
と、俺はごまかす。
「だって……学校に近いとこじゃ誰かに見られちゃうかも知れないし。」
紺野はそう言う。
そう、俺と紺野が関係を持ったことはみんなには秘密だ。
もし男共に知られたらどんなやっかみを受けるかわからない。
俺自身は自慢したい気持ちもあったが、紺野が秘密にしようというのなら仕方がない。
それに……ちゃんと付き合っているわけではないということが俺に負い目を感じさせていた。
この状況で自慢したら単なるヤリ自慢に過ぎないことは明らかで、そしたら紺野は傷つくに違いなかった。

「だって……いいじゃん、そのぐらい。なんたってあたしの初めての相手なんだもん。」
紺野は明るくそう言う。
その言葉を聞くと、
紺野の嫌がりそうなことはやめよう、そう思える。
何より俺は紺野に嫌われたくない。
少なくとも紺野は俺のことをいい友人として見てくれていて、好奇心からとはいえ身体を許してくれるという信じられないことまでしてくれた。
もし……ここから始まってもっと親しい……いや、ありていに言えば彼氏彼女になれたら……
そんな期待もあった。
だから……

そんなことを考えながら腕を組み、時折他愛ない会話を交わしながらいつしか紺野の家に着く。

「さ、上がって。お母さん今日は遅いから今誰もいないよ。」
「おじゃまします。」
そう言って紺野の家に上がらせてもらう。
今……誰もいないって……ひょっとして本当に……
期待をふくらませながら階段を昇り、紺野の部屋に入れてもらう。
机と、ベッドと、洋服ダンスのある部屋。
女の子の部屋らしく、全身が映る鏡もある。
この前紺野にもらった画像に写っていた鏡。
紺野……この部屋で撮ってたんだ……
そう考えると脳内に妄想が広がり、興奮が呼びさまされる。
そして、なにより部屋いっぱいに満ちている紺野の匂い。
甘くて…ちょっと酸っぱい紺野のフェロモン。
それが俺の興奮と欲望をさらに刺激する。

「今何か飲むもの持ってくるね。ちょっと待ってて。」
紺野はそう言うと階段を降りてゆく。

一人残された俺はいろんなことを考える。
紺野が今日俺をここに連れてきた意図、そしてこの部屋で紺野が普段していること……
そしてこれから起きること……

……やべ……また勃って………

俺の下半身は再び欲望に反応しはじめてきていた。

「お待たせ。」
紺野がそう言ってジュースを持ってきた。
「あ……ありがと。」
二人でしばらく無言でそれを飲む。
飲み終わった後、俺は
「な……どうして今日は俺を呼んだんだ?」
と思い切って紺野に聞いてみた。

紺野は少し照れて下を向く。
そして
「だって……Aくんあたしの初めての人だもん……あたしのこともっと知ってもらいたいな、って……」
と言った。

……それって……どういう……
「でも……どうしたらいいのかわかんなかったから、とりあえず部屋に来てもらったらどうだろうかな、って。」
「………………」
俺も、紺野のことをもっと知りたい、いつもそう思っていた。
いや、これまでのつきあいでわかっていることもあったがもっと深くいろんなことを知りたい。
好きな食べ物、趣味、そして……好きな男のこと。

「でも考えてみたら部屋見せただけじゃ何もわかんないよね。」

……いや、そんなことはないさ。この部屋を見ただけで紺野のいろんなことがわかった……ような気がする……
そう思ったが言えなかった。
すると紺野は、こんどはぽつりぽつりと話し出した……
「あたし……自分がこんなにえっちだなんて思わなかった……」
「……………………」
紺野が続ける。
「あのね……最初A君のおち……見せて……ううん、見て手で触った時……身体がすごく熱く感じて……
それから……パンツ見せた時とか……胸…触られた時なんかも……
自分でも信じられないほどえっちになっちゃって……それで……そのあと一人でして……
それも学校のトイレで……変態さんだよね、あたし……」
「……紺野……」
何を言おうとしてるんだ……
紺野はさらに続ける。
その顔は次第に赤みがさしてくる。
自分でも言っていて恥ずかしいんだろう。
「それで……こないだ初めてした後も……なんどもなんども思い出して…また一人で……
だから次の日なんて恥ずかしくて全然顔見れなくて……」

……そうか……それで俺が声をかけても返事しなかったし目をそらしたりしたのか……

俺がそんな紺野の表情を見つめていると、紺野はそれに気づいたのか突如我に返ったかのように
「やだっ!あたしったらまたなんてこと……」
と両手で顔を覆ってしまった。
普段なら絶対に聞けることのない紺野の本音。
相手が俺だから……そしてここが自分の部屋だからこそそんな自分を赤裸々に語っていることは明らかだった。

しばらくして落ち着いたのか、紺野は顔を覆っていた両手を離す。
そして手で自分の顔をぱたぱた扇ぐと、照れ隠しもあるのか笑いながら俺に言った。

「でも、A君も思ってたよりむっつりだったんだよね。あたし、そんな人だと思わなかった。
だってあの日までそんなこと全然話題にしてこなかったんだもん。」

そう言うと真っ赤な顔のまま俺に向かって微笑む。

……もう……たまらん……

俺はとうとう、我慢できずに両手で紺野の肩をつかむと、その瞳を見つめて言った。
「俺……もう一度紺野と……したい……ダメかな……」
紺野は何も言わずに、俺を見つめたままだった。
もし……紺野が最初からそのつもりで俺を自分の家に連れてきたのなら……
「俺も……前から紺野で何度もしてた……前に紺野にあたしでもするの、って聞かれた時……
どう答えようか、って思った……正直に言おうかどうか、って……
それからも……この前紺野とした後も何回も思い出して一人でした……」
紺野がここまで心を許して自分の性欲を正直に明かした以上、俺も正直に言わなければならないと思った。
それがせめてものお返し、というか俺にできることだった。
もし……これで紺野が引くのならそれはそこまでだ。
そして……思った通り……いや、俺の期待に応えてくれるかのように紺野は
「……うん……いいよ……」
と頷く。
そして
「……あたしたち……二人ともえっちだからちょうどいいよね。」
と言った。

俺はそのまま紺野の顔を近づけ、唇を重ねる。
以前に感じたのと同じように暖かくて柔らかく、そして……甘い。
それはさっき飲んだジュースのせいなのか、それとも……
俺は紺野を立ち上がらせ、そのままベッドに寝かせようとした。
その時、紺野は急に我に帰ると
「……ごめん……ちょっとシャワー浴びてきていい?それに……制服だし……」
と言った。
俺が少し虚をつかれた感じでいると、紺野はそのまま階段を降りてゆこうとする。
そして降り際に
「あたしが終わったらA君もシャワー浴びてね。」
と言い残した。

一人紺野の部屋に取り残される俺。
いろんなことが頭の中をめぐる。
紺野がさっき話してくれたこと、これから起こること。
そして、この前の紺野の肌の感触がよみがえる。
その時の俺にはまだ一緒にシャワー浴びよう、ということもそれを実行することも思い至らなかった。
ただごちそうを待つ子供のようにそわそわしている他なかった。

俺は気を落ち着けてあらためて部屋の中を見回してみる。
ここが……紺野の部屋……そして紺野が毎日寝ているベッド……
紺野は毎晩このシーツと布団にくるまれて……
俺はベッドに昇って横たわり、シーツに頬ずりをしてみる。
……紺野の匂いがする……
何度も顔を擦りつけてみて
……何やってんだ俺………
と、ふと我に返る。

階下からかすかにシャワーの音が聞こえてくる。
紺野は今、これから俺とするためにシャワーを浴びて……
そう思うと興奮が止まらない。
俺の分身は早くもその準備を整えてズボンにテントを張っている。
……やがて、水の止まる音、そして階段を昇ってくる音がした。
再び俺の前に現れた紺野。
制服を脱ぎ、丈の長いTシャツ一枚だ。
時折裾からチラチラとパンツが見える。
そして……胸はシャツに丸く張りを作っており、
さらに先端の突起が形を現していて下はノーブラであることはすぐわかった。

「お待たせ。次はA君シャワー浴びてきて。」
俺がしばらく紺野のその姿に見とれていると、紺野が俺を促す。
「あたしがシャワー浴びてる間、部屋の中かき回したりしてなかったでしょうね?」
少し意地悪く微笑んで紺野が言った。
「そんなことするもんか。………あ、お風呂場どこ?」
俺はそう言うと急かされるように入れ代わりにシャワーを浴びに行こうと床から立ち上がる。
そして紺野とすれ違う際、紺野は
「どうせすぐ脱ぐんだし、裸のままで出てきたら?」
と冗談とも本気ともつかないことを言った。

紺野って……ああ見えて意外にスケベだったんだ……
これまで俺が思っていたのと違う紺野の実像。
いや、今までも見せて、とか言ってきたからそういうところがなかったわけじゃないんだろうけど……
ひょっとして実はヤリマ……でも俺が初めての相手だったんだよな……
それにあの時まではそんな話題なんて全然出さなかったし……
髙橋とか小川なんかも紺野は奥手だって言ってたみたいだし……
おとなしくてまじめな子ほど逆に目覚めてスイッチが入ったら止まらないともいうし……
ひょっとして紺野もそういうタイプだったのかも……

シャワーを浴びながらいろんなことを思う。
だが、俺にとって紺野が紺野であることに変わりはない。
むしろまじめ一辺倒でとっつきにくいよりはよかったのかも……
それに……紺野とこういう関係になれたんだから……
そういや俺ゴム持ってたっけ……
確かこの前ホテルに置いてあって使わなかったやつ貰って帰って財布に入れたよな……

変に現実的なことも考える。

自分の部屋で紺野が待っていることを考え、なるべく手早くシャワーを浴び終えた。
とはいえ、肝心なことろは念入りに湯をかけて清める。
こんなことが原因で嫌われたりしたら目も当てられない。

紺野は裸で出てきていいよ、とは言うものの、さすがにそういうわけにはいかない。
とはいえ、またすぐに脱いでしまうだけにいちいち着るのも面倒くさい。
結局、俺はバスタオルを借りてそれを腰に巻いて2階へと上がっていった。
着ていたものを手に抱えていたのは少しマヌケだったが……

ドアをノックし、部屋に入ると紺野はベッドに腰掛けて待っていた。
俺の姿を見ると 「キャッ」 と小さな声をあげる。
まさか本当にこのような格好で来るとは思ってなかったらしい。
「ごめん、待たせた?」
俺が言うと紺野は首を横に振る。
俺は衣服を部屋の隅に置くと紺野の隣に並んで腰掛け、手の中に持っていたゴムを手を伸ばせば届くところに置く。
そして再び紺野を見つめた。
紺野はゆっくりと目を閉じ、互いの顔が近づいてゆく……

俺は紺野と唇を重ねたままその身体を抱き、ベッドの上へと押し上げる。
そして一旦重ねた唇を離し、俺達はもういちど互いを見つめ合った。
紺野はそこで一呼吸置くと、ふと俺の下半身に目をやると
「……ね、する前にまた一度見せて。」
と俺に言う。

なんだよ……せっかくこれから、ってとこで気分が高まってきたのに……
少し気分を折られた俺はちょっぴり不満げな表情を見せた。
すると紺野は
「えへへ……いいじゃない。し始めたら全然余裕なくなっちゃってゆっくり見れないんだもん……」
と微笑んで言う。

……仕方ないか……紺野にそんな表情されたら、なんでも言うことを聞いてやりたくなる。
まったく天使なのか小悪魔なのか……

「……ん……どうぞ……」
俺は自分でバスタオルを外して分身を紺野の前に晒した。
紺野はベッドの上に正座したまま、俺の分身をしげしげと眺める。
Tシャツの裾から時折ちらちらと見える紺野のパンツ。
それがまた俺の欲望を刺激して、俺の分身はこれ以上ないほどに屹立していた。

「ふーん。これこの前本当にあたしの中に入ったんだねー。すごいねー。」
紺野はためつすがめつ俺の分身を眺め、時折手でそれに触れる。
「……ということはあたしのもこれぐらい広がっちゃったんだ…………」
「…………………」
どう返事してよいやらわからない。
「……痛いはずだよね……」
紺野はしばらくそうやって俺の分身を手で弄んでいたが、やがて満足したのか
「……この前はごくろうさま。今日もよろしくお願いしますね。」
と俺の分身に向かって声をかけると、指でちょんとそれを突っついた。

……おいおい、そっちに挨拶かよ……
俺があっけにとられていると、紺野はそのことに気づいたのか今度は顔を上げて俺を見ると
「…あっ……ごめんね。本当は持ち主にあいさつしないとね。さ、続きしよっ。」
と言って、両手を俺の首に回して目を閉じた。

……今日三度目のキス。
俺はそのまま体重を預けて二人の身体をゆっくりとベッドに倒れこませる。
俺だけ先に全裸なのはちょっとマヌケかな……とも思う。
が、なるべくそのことは考えないようにして俺はそのままTシャツ越しに紺野の胸に手を這わせていった……

「……ん……んん………」
俺の手の動きに紺野が吐息を漏らす。
俺はしばらくそのままTシャツの上から、そして次にTシャツをめくり上げ、その裾から手を入れて紺野の胸に直接触れる。
紺野の胸は、この前と同じく柔らかい。
俺はTシャツをさらにめくりあげて上に上げ、紺野の首を抜いて脱がせ、下着一枚の姿にした。
右手で乳房の周囲を円を描くように撫で、時折先端にある朱鷺色の乳首をつまみ、指で震わせる。

「……んっ……ふううっ……んんっ……」
徐々に喘ぎ声へと変わりつつある紺野の吐息。
時々背中がぴくんぴくんと小さく痙攣するのがわかる。

行為に無我夢中でまったく心にゆとりのなかったこの前と比べると、さすがに二度目は自分でも余裕を持つことができる。

そして俺はこの間と同じように、右手を胸からへそ、さらにその下へとすべらせて布越しに紺野のそこに触れた………

「……ふううっ……」
紺野は大きく吐息を吐いた。
俺はこの間と同じように布越しに指の腹を上下させる。
そして時折左右にと撫でる。
俺の指には布越しに紺野の体内から染み出た液が感じられる。
紺野はその刺激に合わせて小刻みに身体を震わせていた。
「……気持ちいい?」
俺がそう聞くと紺野は顔を真っ赤にして
「……やだ……恥ずかしい……」
と横を向いた。

そして俺はまた、この間と同じく右手を紺野の布の中に入れると、それを一気に引き抜いて脱がせた。
再び俺の前に生まれたままの紺野の姿が現れる。
巨乳でなはいが大きくて形のいい外向きの胸、くびれたウエスト、張りのある腰。
それらが絶妙のバランスを取っていてえもいわれぬぐらい美しい。
紺野は恥ずかしいのかなおも横を向いたままだ。
「紺野……こっち向いて……きれいだ……」
俺は紺野にそう語りかけたが紺野はなおも
「……恥ずかしいよう……」
と横を向いたまま蚊の鳴くような声を出した。

俺は再び紺野の身体に覆いかぶさると、唇と舌でその右胸を、右手で下腹部を刺激しはじめた。
「……はうっ……ふうっ…ふあっ…はああっ……」
その刺激に、紺野は再び吐息とも喘ぎ声ともつかない声を出しはじめる。
両手はシーツをつかみ、懸命に快感をこらえている。
俺の右手の先は、紺野の縦割れに沿って上下に、そして左右に動いて刺激を与え、時折左右の襞をぷるぷると震わせる。
紺野のそこは、すでに滲み出した液体にまみれていてその液は留まるところをしらないかのように後から後から体内から湧き出てきて俺の手の先に絡みついてきていた。

俺は裂け目の先端にある突起の感触を確かめると、指先でそれをつまんでみた。
「ふうううううううっっっっっ………」
その刹那、紺野はひときわ大きな吐息を吐いた。
俺はそれからしばらく、その突起を弄んだり、指の腹でさすったりする。
「……はあっ…ふああっ…ふううっ…ふうっ……」
そのたびに紺野はその声とともに、腰を突き出して自らそこを俺の手に押しつけてくる。
もうすでに充分快感につつまれていることは明らかだった。
ふと、俺は人指し指と薬指の先で襞を左右に開き、中指をその中心にある窪みへ沈めていった。
俺が貫通させた紺野の女の子そのものの穴。
「ふうううううううっっっっ………」
指が沈みゆくのと同時に、再び紺野は大きな大きな息を吐く。
「……大丈夫?」
紺野が少し眉をしかめたので、俺は聞いた。
「……うん……平気………気持ちいい……」
快感に大きな目を潤ませて紺野が答える。

俺は再び、紺野の中に入れた指をゆっくりと動かせる。
俺の指に絡みついてくる紺野の体内の襞。
「ふわっ……ふわっ……ふわっ……」
指の動きに合わせるように紺野が喘ぐ。
紺野の身体から次第に汗が滲んでくる。
指から感じる紺野の体温。
紺野の体液は俺の指に絡み、くちゃくちゃと湿ったいやらしい音を立てていた。

しばらくして……俺がそこから自分の指を抜くと紺野は再び
「ふうううううううっっっっ……・・」
と大きな息を吐いた。

「……いくよ……」
俺がそう言うと紺野が頷く。
俺は自分の分身にゴムをかぶせ、紺野の両足を開いて自分の身体を割って入らせる。
自分の分身に手を添え、紺野のそこにあてがい場所を確認する。
場所は確か……今度は間違えないようちゃんとしないとな……

そして……俺はそのまま体重をかけて紺野に挿入を開始した……

「……ふうううっ………うううううううっっっっっ………」
紺野の口から嗚咽が漏れる。
「……まだ……痛い?」
「……うん……少し……でもこの前よりは楽………」
涙目で健気にも俺にそう言ってくる紺野。
俺はそのまま腰を押し出して紺野への侵入を続ける。

……そして俺たちは再び一つにつながった………

暖かくて……まるで真綿でやさしくくるまれたように心地よい紺野の中。
ともすればその快感に負けて精を放出しそうになる。

今度は……少しでも長く保たせないと……

そんなことを思いつつ、俺は腰を動かして前後運動を開始した。

…ううっ……くうっ……ううっ……うくっ……ふうっ……

2回目ということもあってまだ馴染んでいないのだろう。
この前ほどではないものの紺野は苦痛と嗚咽の混じった声を上げる。
俺の背中に回した手に力が入る。
一方俺は、すぐに果ててしまわないようになるべく気を集中させないようにした。

とはいうものの、俺を包む紺野の中はえもいわれぬほどの快感を俺に与える。
初めての時よりは少しは長く保つことができたのだろうが……
俺は再び紺野の中で……正確にはゴムの中にだが……精を放った……
俺と紺野はベッドの上に向かい合って座っていた。
紺野は終わった直後はしばらくベッドに横たわっていたが、しばらくすると起き上がってTシャツを着、再びパンツを履いた。
俺はもっとそのきれいな裸を見ていたかったが、紺野は恥ずかしいという。
つい今しがたまで俺と裸で絡み合っていたというのに……
まったく女の子の考えることはよくわからない。
俺だけ裸のままでいるというのも変なので、俺も衣服を着た。
取り出したゴムの口をしばってティッシュにくるんでポケットに入れようとすると、
紺野が
「それ、捨てといてあげるね。」
と言って俺からそれを受け取った。
紺野はそれをまたティッシュから出すと、自分の目の前にぶらさげて珍しそうに見ている。
「……なにしてんだよ……いったい……」
「ふーん……こんだけ出たんだ……いっぱい出たんだね。」
と俺を見て微笑みながら言うと再びそれをティッシュにくるみ、自分の机の上の片隅に置いた。

「また…しちゃったね。」
紺野が言う。
「すっきりした?」
なんと答えようか俺が迷っていると
「……あたしはすっきりしたよ。なんかここ何日か溜まってたもんが抜けた感じ。」
と屈託なく言ってくる。
それは……どういう……
確かに女の子も性欲があることは紺野自身が言っていた。
俺は……単なる紺野の性欲の処理の対象なんだろうか……
いや、そうじゃないと思いたい。
だが……どういう形であれ紺野が俺を必要としているのなら俺は……
いろんな想いが頭の中をめぐる。

ただわかったことは、俺は紺野を必要としているということ。
だから……紺野が望む形に……

そんなことを考えていたら突然
ぐるるるる………
と、俺の腹がなった。

俺と紺野は顔を見合わせて笑う。
「おなか減っちゃたの?」
「………ああ………」
「そっか……運動したもんね……ね、なんか食べてく?簡単なのでよければ作ったげるよ。」
「……いいよ……今日晩飯いらないって言ってきてないし……」
「そっか……」
紺野は少し寂しそうな顔をした。
正直、紺野の手作り料理を食べてみたい気持ちもあったが、一方でこの場を早く離れたいという感情もあった。
紺野はする前と同じく、Tシャツにパンツだけの姿だ。
そして、さっきと同じように時折Tシャツのすそからチラチラとパンツが姿を見せる。
そのなんともいえない姿に、俺のそれはさっき精を放出して収まったばかりだというのにもう回復の兆しを見せていた。
このままここにいたらまたしたくなってしまう。
心だけでなく、身体も紺野に溺れそうになっているのがわかる。
それに…もし紺野の親御さんが帰宅して顔を合わすことになったら、すごくバツが悪い。
ましてやしている最中に帰ってこられでもしたら……
「……じゃ……そろそろ帰るから……」
「……うん……」
俺は立ち上がって帰る支度をする。

「……ごめん……ベッドのシーツしわにしちゃって……それに汗もたくさんかいて……」
「……いいよ……・あたしが誘ったんだし……明日洗濯するから……ね、今度はあたしがA君の部屋に行っていいかな?」
「いいよ。いつでも歓迎するよ。なんなら明日でも来る?」
俺は紺野に言う。
この状況で俺の部屋に来るといったことがどういう意味を持つのか、理解できない俺ではない。
「そうだね。あたし明日は用があるからダメだけど……前もって都合言っておいたほうがいい?」
「そりゃできたら……」
なるべく家族が遅くなる日。できればどっか泊まりがけで出かけてくれたら最高なんだが……
「……あ、じゃ俺のほうから声かけるってことでいいかな。」
そしたら俺から誘うきっかけもできる……
「いいよ。じゃ誘ってくれるの待ってるね。」
紺野が言った。
「ね……最後にもっかいキスして。」
そう言って顔を突き出してくる。
俺も顔を近づけ、今度は軽くキスをする。
……ん……
重ねた唇が離れた際、紺野が
「……あたし……Aくんとしかしないから安心して……」
と囁いたのが俺には聞こえた。

俺は紺野の家を出て、自分の家へと向かう。
振り向いて紺野の部屋を見ると、紺野がまだ手を振ってくれていた。
俺も笑って振り返す。
紺野が俺のことを避けていないことがわかっただけでも甲斐があったというのにその上また……
俺はしばし満ち足りた気分につつまれる。
だが、紺野はまだ俺の彼女ではない。
ひょっとしたら紺野が求めているのは俺の身体だけなのかもしれない。

……また…言えなかったな……付き合ってくれ、って……

できれば紺野の身体だけでなく心も欲しい……
帰りの道すがら、今日もまた性欲が先走ってしまったことを俺は少し後悔した……


紺野を部屋に誘う約束こそしたものの、いつにするか俺はまだ決めかねていた。
俺の親は共働きではあるが、いつもはそんなに帰るのは遅くならない。
俺としてはできるだけ長く……いや、欲を言えば朝まで紺野と一緒にいたい。
単に紺野を遊びに来させるために俺の部屋に誘うだけなら親がいても全然構わないのだが、
その目的、そしてそこですることを考えるとさすがに親がいるのはまずい。
終わった後に親と顔を合わせるのもなんとなく気まずいし、ましてや行為の最中に帰って来られたら目も当てられない。
それに、今の俺と紺野の関係を知られることに少し後ろめたい気持ちもあった。
もし、ちゃんとした彼氏彼女だったら、堂々と紹介できるのに……
そんなことも思う。
だから紺野を誘うのは両親が帰るのが遅いことがわかっている日……
できればその日はどこかに出かけていて帰らない日が望ましい。
そんなこんなで俺はタイミングを図りかねていた。


俺としてはできるだけ早く紺野を誘いたい……いや、したい。
その時の俺は、どういうわけか3回目は俺の部屋で……と決めていた。
それは紺野が自分の部屋へ俺を誘ってくれたことへのお返し……いや、むしろ俺が先に部屋に誘うべきだったのでは……
その時はそんな下心満々の誘いをすることに抵抗感と後ろめたさがあったが、
今となってみれば先に紺野に誘わせてしまったことに少し罪悪感を覚えていた。
でも……それも結果論なんだよな……ずるいな、俺……
そんな自己嫌悪にも陥る。

とはいうものの、そんなにうまく親がいなくなることは考えられないし、かといって誘うのは早くしたい。
でないと俺の高ぶった気持ちが収まらないし、紺野だって醒めて忘れてしまうかもしれない。
できるものなら明日にでも紺野を部屋に迎えたい。
そんな時……


「じゃ、行ってくるから。ちゃんと留守番してね。」
その週の金曜の朝、母親が俺に言った。
聞けば親父の恩師が急に亡くなってその葬儀に出るそうだ。
その人は両親の仲人でもあったので、母親も一緒に出席し、ついでにその近くの観光もしてくるらしい。
俺にとっては願ってもない展開だった。
よく福引で当たって急に……とかはマンガなんかで見かけるが、まさか自分がその立場になるとは思ってもみなかった。
故人には悪いが、よくぞこのタイミングで亡くなってくれました、って感じだ。
これで堂々と……俺は喜び勇んで学校へ行った。

休憩時間に紺野をつかまえて、他の人間に目立たないように連れ出す。
俺と紺野の関係はまだクラスの誰も知らない。
というか二人だけの秘密だ。
俺は紺野とその秘密を共有していることにささやかな満足を感じていた。

「あの……さ……今日両親いないんだけど、俺の家に来ない?」
俺はそう言って紺野を誘った。
当然OKしてもらえる、俺の胸は高鳴った。


「……ごめん。今日はムリ。」
紺野は顔の前で両手を合わせると、俺にそう言った。
「……そうか……急だもんな……仕方ないよな……」
俺は半ば呆然としながらそれだけ言うのが精一杯だった。
聞けば今日の夕方から寺田たちと遊びに行くらしい。
寺田というのは俺のクラスメートの男だ。
だが俺とは派閥…というかグループが違うのであまりつきあいがない。
もちろん、別に対立しているわけではないので機会があればそれなりの会話はするが、つるんで遊ぶとかそういうことはなかった。
その寺田……のグループが最近紺野たちによく声をかけているのを目にする。
どう見ても紺野を狙っているように見える。
それは……紺野がここ最近垢抜けてきれいになった、というか色っぽくなったというのがもっぱらの噂だったからだ。
もちろん、以前からその愛らしい表情や仕草で時折男子たちの話題に上がることはあったが、到底今ほどではなかった。
紺野がきれいになった………その原因の一つに俺があるかも、
ということは俺にとっては鼻が高いことではあったがまさかその理由を口にするわけにはいかない。


「あ、そしたらA君もいっしょにくる?なんならあたしから寺田君たちに言ってあげようか。」
「……いいよ……別に。」
紺野はそう言ってくれるが、ここで俺が寺田たちのグループに加わったら極めて不自然だ。
それこそ女目当てだということがあからさまにわかってしまう。
さすがにそれは格好が悪いし、誰が目当てなんだと痛くもない腹を探られかねない。
ましてや紺野に仲立ちしてもらって仲間に加わったりしたら……
かといって俺には紺野を止める権利なんてない。
自分の彼女ですら遊びに行くのを止めることなんてできないのに、
ましてや俺が紺野にそんな束縛をするのはまったく筋違いだし理不尽だ。
「わかったよ。じゃまた今度誘うってことでいいかな。」
「うん。待ってるね。」
紺野はそう言うとまた教室に戻って行った。


その日の晩、俺は一人自分の部屋で過ごしていた。
両親もいない、この家に俺一人。
コンビニで弁当を買って食い、風呂に入ってテレビを見る。
つい今朝方までは 紺野をこの部屋に呼ぶ、と期待をふくらませていただけに余計にわびしさがつのる。
紺野は今、寺田たちと楽しくやってるんだろうな……
寺田に対してそんな羨望を感じる。
少し早いけどそろそろ寝るか……
そう思った時、俺の携帯が鳴った。
誰だよ……Bか?それともCか?何の用だ……
「……もしもし。」
俺がめんどくさそうに携帯に出ると
「もしもし。あたし紺野。A君?……だよね。」
と、紺野の声がした。
俺はあわてて姿勢を正し、携帯を握りしめる。
「うん、俺。なに?」
自分でも動揺しているのがわかる。
「……あのさ……これからそっち行っていい?」
まさか。
これから、こんな夜になって紺野が俺の家に来るっていうのか?
ということはまさか……泊まるつもりか?
俺は期待に胸が膨らみ、心なしか声も高まる。
「うん、せっかく誘ってくれたのに悪いもん。あ……でもあたしA君の家って知らないから途中まで迎えに来てくれるかな?」
俺は紺野と待ち合わせの場所を決めると、大急ぎでそこへ向かった。

2丁目の角のコンビニ。
そう、そこは俺と紺野が初めてしたときに待ち合わせに使った場所。
それが誘蛾灯のように光を放っている。
そしてそこにまた紺野はいた。
「ごめん、待った?」
「ううん、今来たとこ。早かったね。」
「まあな。女の子待たしちゃ悪いと思って。」
いつかと同じ言葉を交わして俺たちはそこを出る。
こんどの行き先はホテルではなく、俺の家。
俺と紺野は並んで歩き、やがてどちらともかく手をつなぎだした。
「その……寺田たちと……どうだった?」
俺は夕方から気になっていたことを紺野にぶつける。
「うん。楽しかったよ。ボーリング行って、カラオケ行ってごはん食べて……それからゲーセンとか行って
……もっと遅くなるかと思ってたんだけど意外に早く解散しちゃったから。」
「誰がいたの?」
「女の子はあたしと愛ちゃんと、まことと里沙ちゃんの4人かな。男の子は寺田君とはたけさんと……」
「ふーん。そっかー。」
俺がまだしたことのない紺野とのデート。
それを寺田は……いや、グループ同士だからデートじゃなくて合コンだよな……
それでも俺はまだ紺野と遊びに行ったことなんてないのに……
俺がそんなことを考えていたら
「あ、ひょっとして妬いてる?」
と、唐突に紺野が言った。
図星をつかれた俺は少し慌てたが
「え……いや、別に。良かったじゃない。楽しかったみたいでさ。」
と、なるべく感情を出さないように答えた。

俺と紺野が家に向かって並んで歩く。
ふと俺は紺野の持っているバッグに気がついた。
「……なに?それ。」
俺が聞くと紺野は
「あ、これ?お泊まりセット。だって今日泊めてくれるんでしょ?」
と屈託なく答えた。
「本当は今日は愛ちゃんのところでお泊まり会する予定だったんだけど、愛ちゃん都合悪くなっちゃって。
まことや里沙ちゃんもそれなら、ってことで自分ち帰っちゃった。」
「……そう………」
「……それで……あたし家には愛ちゃんのところに泊まるって言ってきてたから……
そしたら……A君が誘ってくれてたなっ、て思い出して………」
まるで弁解するように次第に声が小さくなる。
やっぱり男の部屋に泊まるということに少し抵抗……というか後ろめたさがあるのかもしれない。
「……ありがと。思い出してくれてさ。」

「こんばんはー。お邪魔しまーす。」
誰もいない室内に向かって紺野が挨拶をする。
「さ……あがって。」
「うん。」
「あ……俺の部屋こっちだから。」
階段を昇り、紺野を俺の部屋に迎える。
「へー、ここがA君の部屋なんだ。結構片づいてるね。」
紺野は俺の部屋に入り、中をひとしきり見渡すと言った。
「あ……いや、普段はもっと散らかってるんだけど……」
「……あ、やっぱり。」
そう言ってにやりと笑う。
「なんだよ…それ。」
「ううん、別に。」
なんとなくまったりとした空気が流れる。
それが少し心地よい。
「あ、今なんか飲むものもってこようか。」
俺が言うと紺野は
「うん、ありがと。」
と微笑んだ。

ジュースを持って俺が部屋に戻ると、なにやらごそごそと物音がする。
よく見ると紺野が俺の部屋をあちこちかき探していた。
「あーっ、何してんだよ!」
「あ、えっちな本とかないかなーとか思って。」
屈託なく紺野が答える。
「だって男の子ってえっちな本とかいろいろ隠してるんでしょ。聞いたよ。」
「どこでこそんな話聞いたんだよ。」
「え?違うの?」
「……いや……それは……」
確かに、実は俺もその手の本ぐらいは持っていて押し入れに隠している。
いつ親に部屋に踏み込まれて見つけられるかわからないからだ。
だが、部屋に呼んだ女の子に見つけられるのは親のそれより恥ずかしい。
「あーっ、やっぱり隠してるんだー。」
俺が口ごもったのを見て、紺野がうれしそうに言った。
「……別に……いいだろ。その……俺だって男なんだから……」
俺はそう言うのが精一杯だった。

ジュースを飲んでからも紺野はなおもしげしげと俺の部屋の中を見渡している。
まるで初めて来た博物館で珍しい展示物でも見ているようだった。
「……なんか……そんな珍しいものでもあるのか?別に普通の部屋のはずだけど……」
「だって……男の子の部屋来たのなんて初めてだし……あたしの部屋とか愛ちゃんの……
ううん、あたしの知ってる女の子の部屋とは全然違うんだなーって……」
紺野が言う。
俺もこの前感じたが、確かに俺の部屋と紺野の部屋とは全然違う。
机や本棚やベッドなどの調度品は同じようなもので、違っているものといえば全身鏡ぐらいなのかもしれないが、
それよりもっと……部屋の醸し出す雰囲気などが違っていた。
俺が紺野の部屋で感じたのは、そこがまさに女の子の部屋だということ。
部屋全体に満ちている紺野の……女の子の香り。
多分、この部屋にまったく同じ調度品があったとしてもあの部屋みたいには決してならないだろう。
それを今、同じように紺野も感じているのかもしれない。
「なんか……あの時A君が言ったことわかったような気がする……」
「……え?」
「だって……この部屋入っただけで……A君のことがわかった気がするもん……」
紺野はそう言った。

紺野はそのまま俺の部屋で座って部屋の中をあちこち眺めていたが、やがて
「……ね……シャワー貸りてもいいかな?」
と言ってきた。
「……ん……いいよ。あ、まだお湯張ってあるから湯船も使ってもらって……
いや、単に明日も使おうと思ってただけなんだけどさ。」
「ありがと。じゃ借りるね。えと…場所は……」
紺野はそう言うとバッグを持って階段を降りようとする。
その降り際に
「ね、いっしょに入ろうか?」
と少し言ってきた。
「……え?……え?」
いきなりのその言葉に動揺する俺。
まさか……いや…確かに……紺野と一緒に入りたい……そして……いろいろ……
俺が口ごもっていると、紺野はそんな俺の内心を見透かすかのように
「……なーんてね。まだちょっと恥ずかしいから……それはまた今度ね。」
と少し顔を赤らめ、手を振りながら言った。
………びっくりした………
ベッドにもたれながら俺は自分の胸に手をやった……

女の子の風呂は長い。
俺はしばらく部屋でぼーっと待っていたが、気になって階段を降りていく。
それも忍び足だ。
一段一段降りるごとに、水音が大きくなる。
俺はそっと階段を降りると足音を立てないように風呂場へ近づいてゆき、扉の側にやってきた。
扉の向こう側では紺野が風呂を使う音、そして時折紺野の鼻唄が聞こえる。
足元に目をやると、紺野が持ってきたバッグが置いてあった。
バッグの上にはいま紺野が今脱いだ衣服がかけてある。
さすがに下着はない。おそらく一緒に持って入ったんだろう。
下着を洗濯機ではなく手洗いする女の子も結構いるそうだから、あるいは紺野もそのクチかもしれない。
バッグの口が少し開いていて、中からパジャマと……おそらくこれから身につける下着が顔を見せていた。
……紺野……これ着るんだ……
そう想像するだけで俺は興奮してきた。

その後の俺だったらそこで躊躇することなく着ているものを脱いで風呂に乱入していただろうが、
その時はまだそうする勇気も度胸もなかった。
今から思えば純でかわいいもんだ。


その時、俺の気配に気づいたのか中の水音が止まり、
「いるの?」
と紺野が声をかけてきた。

やばい!戻らないと!

俺は心臓が飛び出しそうになるぐらい仰天するとあわてて足音を立てないように部屋に戻る。

………びっくりした………

部屋に戻ってしばらくの間も、俺の心臓はバクバクと高鳴っていた……

結局俺はそのまま部屋で紺野が風呂から上がるのをおとなしく待つことにした。
ベッドにもたれ、TVをつける。
他人の家と違ってそのへんは気をつかうことがないから気が楽だ。
そうしてしばらくTVを見ているうち、階段を上がってくる足音がして紺野が部屋に戻ってきた。
手にはバッグ、そこに家に来た時の衣服がひっかけている。
そして紺野本人は……さっきバッグからちらっと見えたパジャマを着ていた。
湯上がりの石鹸の香りを漂わせる紺野はとてもかわいく、艶っぽい。
完全に乾ききっていない濡れた髪がますますそれを際立たせる。
今にも抱きしめたく……いや、押し倒したくなってしまう。
紺野はバッグを部屋の隅に置くと、
「さっきお風呂覗こうとしたでしょ。」
と、意地悪な微笑みを浮かべながら俺に言った。

………ばれてるよ……おい……

俺は焦る。
「……え……いや……その……」
どう言い訳しようかしどろもどろになっていると紺野は
「……もう……エッチなんだから……」
とたしなめるように俺に言った。そして続けるように
「……別に……入ってきてもよかったのに………」
と呟いたのが聞こえたのは俺の気のせいか……

紺野は俺の隣に並んで座り、しばらく一緒にTVを見る。
再び部屋の中にまったりとした空気が流れる。
紺野は時々画面に突っ込みを入れて俺の感想を求めたりする。
俺は適当に相槌を打つ。
やがて……自然に俺の右手が伸びて紺野の肩を抱くと、その身体を俺のほうに引き寄せた。
紺野も俺の肩に自分の頭を乗せ、身体を俺にもたれかからせる。
そして時折安堵ともいえるような吐息を吐く。
俺にとっては至福の時間。
こうしている時だけは恋人同士になれた気分だ。
このまま時が止まればいいのに……
そんなことを思う。

すると紺野は
「ね、なにかビデオかなんかない?」
と、唐突に言ってきた。

……は……なんだよ、一体……

当の本人から雰囲気を壊されて俺は少し不機嫌な顔になる。
やっぱり恋人とかそういうのはノーサンキューなのかな……
それで自分からムードを打ち消したんだ……
そう思うと少し悲しくなった。

……仕方ないか……紺野がそう思ってるんなら……

俺はそう気持ちを切り換えることにした。

「ビデオって……どんなのさ。あんまり大したのないし……紺野の趣味に合うかどうか……」
「ね、アレある?アレ見ようよ。」
「アレって?」
「その……A君があたしに貸してくれたやつ。」
アレって……いつかの裏ビデオか?
またなんで………それに紺野もダビングして見てるって……
「ね、一緒に見ようよ。あたしA君と一緒に見たいな……」
紺野が再び俺のほうを見て言う。
その大きな瞳で見つめられると俺は断れない。
まったく……天使なんだか小悪魔なんだか……

俺は机の引き出しを開けて隠してあったビデオを取り出すとデッキに入れる。
「……やっぱり隠してるんだ。」
紺野がめざとく言った。
……いいだろ……親に見つかりでもしたら困るんだよ………

それまで流れていたTV番組が消え、画面からはアダルトビデオの映像が流れ出した。
絡み合う男と女。
紺野はそれを見て
「わー、すごーい。」
「あー、あんなことしてるー。」
「やだー。ほんとにしてるよー。」
「あ、くわえたー。」
と、大きなほっぺたを手で包みながら声を上げた。

……おいおい……自分だって何度も見てるんだろうに……それに……その……処女じゃないんだろ……

そう突っ込みたくなったが、自分がするのと他人のを見るのとでは違うのかもしれない。
それに他人の行為を見ることで自分の記憶がよみがえるのかも……

興奮してはしゃいでる紺野を見て俺はそう思う。
とはいうものの、俺も画面の映像と紺野から漂う香りでさっきから興奮が高まって仕方がない。
あとはもういつ、というタイミングだけだ。

とうとう画像の中の男女が交わりを始める。
紺野は
「もう…やだっ。恥ずかしいっ。あたしもう寝るね。おやすみ。」
と赤くなった顔を手でぱたぱた扇ぐとベッドに昇り、布団をかぶってしまった。

……おいおい、それは俺の……

「へへー、お布団取っちゃったー。」
紺野は布団から顔だけ覗かせ、舌をぺろっと出して悪戯っぽく微笑むと再び布団をかぶって隠れる。
「あっ、このやろ。」
その微笑みに釣られるかのように俺も紺野を追うような形でベッドに昇り、布団の上から紺野にまたがるような形になる。
「やだぁ!やだぁ!やだよぉー!」
紺野は笑いながら布団の中で暴れて俺に抵抗してくる。
まるで子犬がじゃれあっているような俺と紺野。

そして、抵抗する紺野を抑えて布団をめくると、真っ赤な顔をして息を弾ませ、少し目を潤ませた紺野の顔が現れた……
「あはは…めくられちゃった……やっぱり男の子にはかなわないな…」

互いに見つめ合う俺たち。
そして……紺野はゆっくりと両手を俺の首に回した……

俺はその状態のまま身体を降ろし、紺野に覆いかぶさる。
「……電気……消すよ……」
そして……唇が触れ合う……

もう日付も変わった深夜の俺の部屋。
その俺のベッドの上で俺と紺野は身体を重ねていた。
電気も消し、街灯の光のごく一部だけが部屋に差し込む。
その暗さの中でごそごそと蠢く二つの身体。
そして……それはやがて一つに結ばれようとしていた……

唇を重ねたままパジャマのボタンを外し、下着越しに胸を撫でる。
そのまま袖を抜いて上半身を下着だけにする。
腕を背中に回してホックを外し、ブラを取ってその豊かな乳房を露出させる。
右手を紺野の下半身に回し、紺野の大切なところを愛撫しながらパジャマとパンツを脱がせて生まれたままの姿にした。
俺もそれに合わせるかのように着ているものを脱いで裸になる。

……うんっ……んんっ……んっ……ふうっ……

紺野はそのたびに吐息を吐き、そしてそれは徐々に喘ぎ声へと変わってゆく。
その大切な女の子の部分からはえっちな液が染み出して止まることを知らない。
その液体は俺が右手でそこを刺激するたびに、くちゅくちゅと湿った音をたてて指に絡みつく。

……ふうっ……あふっ……んんっ……ふうっ……

そのたび吐き出される紺野の甘い吐息、そして喘ぎ声。
もうすっかり快感に包まれていることは明らかだ。

……もっと……もっと紺野を気持ちよくしてやりたい……できるなら……イカせてやりたい……

最初に紺野とした時、そしてその次も俺は自分のことでいっぱいいっぱいだったが
さすがに三度目ともなるとそんな余裕もできてくる。

……俺と紺野……まだ恋人じゃないけどせめて今この時ぐらいは……

そう思い、自分の気持ちをぶつけるように俺は愛撫を続ける。
「……気持ちいい……?」
俺が聞くと紺野はこくんと頷いた。
暗くて顔はよく見えないが、その大きな瞳は涙で潤んでいるのがわかる。
「……ね……」
「……なに……?」
「……その……舐めて…ほしい……」
紺野は小さくそう言うと、たぶん恥ずかしかったのだろう、両手で顔を覆って横を向いた……

俺はそれを聞いた途端、しばらく絶句した。
聞いた俺のほうが恥ずかしくなってくるような紺野のその言葉。
だが逆にそれはますます俺の欲望を刺激する。

……紺野が……おねだり……

紺野が自分の性欲をカムアウトしたのはこの前の時と同じだ。
だが、今日はそれ以上に自分の欲望を正直に俺にぶつけてきている。
俺は……そんな紺野がこれ以上ないほどにいとおしく感じられた。

紺野はまだ両手で顔を覆って羞恥に耐えている。
俺は自分の身体を上にずらすと、両手で紺野の両の手首をつかみ、ゆっくりと広げる。
再び俺の前に現れる紺野の顔。
だが紺野はまだ恥ずかしいのかまた横を向く。
「……紺野……」
俺は紺野にそっと囁きかける。
だが紺野は横を向いたまま
「……やだ……恥ずかしい………」
と、それこそ蚊の鳴くような声で答え、また手で顔を覆った……

俺は両手で紺野の身体を上から抱き抱えるようにすると、その髪を何度も何度も撫でる。
乾いたばかりの……ほんのりとシャンプーの香りのする髪。
元々くせ毛だとは言ってはいたが、今俺の前にある紺野の髪はさらさらで柔らかい。

そして俺は再び……頭を下げると紺野の乳房に……そしてその先端の乳首に舌を這わせた。

……ひゃああっっ………

その刺激に紺野は一瞬声をあげ、顔を覆っていた両手を離して俺の頭を掴む。
俺はしばらく舌と唇で紺野の乳首を転がすと、徐々に頭を下半身のほうに移動させてゆく。
乳首から乳房、脇腹からへそへと動き、その都度紺野の白い肌に唇で印をつける。
それに合わせて腕は肩から背中へ、そして腰へと下がる。

……ふあっ……ふうっ……ふあっ……ううっ……

そのたびに紺野の口からは甘い喘ぎ声が漏れてくる。

そして……俺は紺野の太ももを抱えて足を上に向けると、その中心に顔を近づけた。
俺の間近にある紺野の女の子そのもの……
そこは……少しチーズのような臭いがした……

今、俺のすぐ目の前に紺野の大切な部分がある。
俺しか知らない、だが俺もはっきりとはみたことがない紺野のそこ。
それがほんの数センチの間隔で俺の目前にあった。
そこはチーズのような少し刺激のある臭いを放っている。
だがそれは決して不快なものではなく、より一層俺を興奮させる紺野のメスの匂い…・・いや、フェロモンそのもの。
紺野はその一番恥ずかしいところを俺の前に晒している。
眼前にありながら暗くてはっきりとは見えないのが残念だったが、それでも
そこは中央に縦に溝があり、その左右に羽のように襞があるのがわかる。
溝の先端には皮をかぶった丸い突起のようなもの。
そしてその襞の中は、おそらく紺野の体内から染み出した液体で満たされているに違いなかった。

「……恥ずかしいぃぃ……見ないで………」

再び手で顔を覆い、紺野が蚊の鳴くような声で俺に言う。

……おいおい……舐めてくれって言ったのは紺野だろ……見なくちゃ舐められないだろ……
それに……第一暗くてよく見えないし……

そうは思うものの、舐めて欲しいけど恥ずかしくて見られたくないという紺野の心境も多少は理解できる。
紺野自身も今、欲望と羞恥の間の葛藤にさいなまれているに違いなかった。
そんなところがまたかわいく思える。

俺は紺野のその部分めがけてふっと息を吹きかける。
その刹那、紺野の身体がぴくりと反応する。

そして、俺は両方の親指でその突起を包んでいる皮をやさしく剥くと、そこに舌を触れさせた……

…………ふううううううううっっっっ…………

紺野がひときわ大きな声を出した。
それは一瞬だったが、俺を驚かせ、さらには外に聞こえるんじゃないかと心配してしまうぐらいの大きさだった。

「………紺野………」
「……ごめ……ん……うう……恥ずか…し…い……」

思いがけず声を上げてしまったことで、一層の羞恥が紺野を包んだようだ。

「……いいよ。気にしなくて……」
俺は紺野にそう言った。
とはいうものの、外に聞こえたらまずいよな、
俺はそう思った……

俺は再び紺野のそこを広げ、真珠のような突起、そして襞からその内側に舌を這わせてゆく。

……はあっ……ふあっ……はああっっ……ふああっっ……はあっ……

紺野はさっき以上に荒い息を吐き、快感に喘ぐ。
襞の内側の中心からは、俺の舌の動きに合わせるかのようにあとからあとから紺野の体液が湧き出してくる。
まるで汲めども汲めどもつきない泉。
ぴちぴちゃ、くちゃくちゃと湿った音が俺の口元でしている。
猫がミルクを飲むように……いや、熊が蜂蜜を舐めるように俺は舌を動かして紺野の蜜を舐める。

……はあっ…・はあっっ…ふううんんっ……はああっっ……ふあっ……はあっ……

紺野はそのたび、ある時はシーツを掴み、またある時は俺の頭を持って身体を捩り、悶えている。
……そう……まるでさっき見たビデオの中の女優のように……

紺野がこんなに乱れるなんて……

……俺はふと、そんな感慨を抱く……

紺野は俺の愛撫によって快感を得、快楽に溺れている。
このままイカせてやりたい……
俺はそう思い、なおも舌で紺野のそこを刺激する。
心なしか紺野から染み出す蜜は、しだいに粘りを帯びてくる気がする。

……はあっ……ふああっ……ふあっ……はああっ…んんっっ……

呼吸するのに合わせて漏れ続ける紺野の喘ぎ声。
そのリズムが次第に早くなり、やがて……
ぴくんぴくんと身体を小刻みに痙攣させて紺野の力が抜けた……

「少し……イっちゃった……」
しばらくして落ち着くと、紺野が大きな瞳を潤ませて俺に言った。
「……そう……良かった……」
俺はまた身体をずり上げ、紺野を抱えるようにして髪を撫でる。
それから唇を重ね、再び舌を絡め合う。

…ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……

互いの唾液を交換し合いながら俺は右手で紺野の両足を順に外に開いて自分の身体を割り込ませる。
そして……俺は紺野に挿入を開始した………

その夜……俺と紺野は終わった後もしばらくそのまま布団にくるまっていた。
互いになにも身につけていない、生まれたままの姿。
俺の右腕の上には紺野の頭……腕枕の状態だ。

「……えへへ……」
俺の腕の上で紺野が微笑む。
「……やっぱりえっちだね、あたしたち。」
「……そうだな……まさか紺野があんなこと言うなんて思わなかったよ。」
俺が少し意地悪っぽく紺野に言う。
「もう……やだっ……」
紺野はそう言うと俺の脇腹をつねった。
「……い、痛いだろ。」
「えへへ……ごめん。」
そう言って紺野はぺろっと舌を出す。
俺と紺野。
身体を重ねているときだけは恋人同士だ。
俺にとってはしばしの間の至福の時。
幸いにも今日は朝まで一緒にいることができる。
次にいつこんな機会があるかわからないぶん、今このひとときを大切にしないと……
そんなことを思う。

「……でも……してもらってうれしかった……」
紺野が言う。
「ん?なんで?」
「……だって……もしかしたら嫌がってしてくれないかも、って……汚いし……」
「……汚くないさ。紺野のだから……」

……そう……紺野の一番大切なところだから可愛くていとしくはあっても汚いことなんかない……
それに……紺野が俺にそういうおねだりをしてくること自体が俺にはうれしかった。

「……それで……良かった?」
俺は紺野に聞いてみる。
「……うん……とっても良かった……」
紺野はそう言って俺のほうに頭を寄せてくる。
「……でも……中でイケたらもっといいんだって……なんかの本に書いてあった……」
「……………」
「……あ、ごめん。そういう意味じゃないんだけど……まだちょっと痛いし……でもそれだけじゃなくなってきたよ。」
「……そう……」
単に気を遣っているだけなのかもしれないが、とりあえず俺の前後運動が否定されたわけではなかったので安堵した。

「あたしがもっと馴れて馴染んだら中でもイケるかな?」
俺はどう答えようか迷ったが
「……そうだな……紺野がイケるように俺……もっと頑張らないとな……」
と言った。
それは、これからも紺野と、という俺からのせめてもの意思表示。
紺野はそれに気づいたのかどうか
「……うん。そのうちきっとイケるよね。だから二人で頑張ろうね。」
と俺に言った。

「せっかくパジャマ持ってきたのにいらなかったね。すぐ脱がされちゃって。」
紺野が言う。
確かに、夜遅くに俺の家に来たこと自体そのつもりだったのだろうが、あからさまにそう言われては返事のしようがない。
「いいじゃん、別に。そういうこともあるってことで。」
「えへへ。そうだね。じゃ朝までこのままでいよっか。」
紺野はそう言って身体を俺に寄せてくる。
俺の胸に触れる紺野の乳房。
そしてその先端の突起の感触が俺の興奮を刺激して、ついさっき出したばかりだというのに俺の分身は再び回復しつつあった。
その先っぽがちょうど紺野の腹にあたる。

「……あの…さっきからお腹になにか当たってるんですけど?」
紺野が上目遣いに俺に言う。
「……仕方ないだろ……さっきから紺野の胸が……その……当たって……」
「もう……あたしのせい?」
そう言って俺と紺野は顔を見合わせて うふふ と笑った。

「やっぱりあたしたちえっちだね。」
「……そう?……そうかもな……」
「うん。えっちだよ……だから……2回目……しよっか……」

紺野がそう言うと、俺たちは再び唇を重ねた……

やがて、夜が明けて朝がやってきた。
結局俺たちはもう一度、さらにその後にももう一度身体を重ね、求め合った。
我ながら元気……いや、相手が紺野だからこそ元気になれるのだろう。
現実にはあり得ないだろうが、紺野が相手だったら俺は限界などないんじゃないか……本気でそう思う。
その紺野は俺の隣で寝息を立てている。
髙橋や小川はともかく、家族以外の男では俺しか知らない紺野の寝顔。
眠っている時に時々目を開けたり唸り声を上げたりするのには正直驚いたが……まあそれも愛嬌のうちだ。
そして漂ってくる少し汗の混じった紺野の匂い。
少し早く目覚めた俺は上体を起こし、しばらく紺野のその寝顔を見つめていた。
時折そのくしゃくしゃになった髪を撫でてやる。
紺野が……俺の彼女だったら……
もう何度そんなことを思っただろう。
そして何回それを言おうとしただろう。
だが、肝心なところで感じる紺野からのメッセージ。

勘違いしないで。あたしたち仲はいいけど友達じゃない。
確かに身体の関係はあるけど、それはお互いにえっちだからでそれ以上じゃないわ。

もし、俺が口に出して紺野にそう返されたなら、俺はもう立ち直れない。
そして間違いなく今の関係も終わりを告げるだろう。
俺はそれが怖かった。
だから……いや……でも……言わなくちゃ……
俺の心に葛藤が生まれる。

「……ん………ううーーん……」
やがて小さな唸り声とともに、紺野が目を覚ます。
「……ん……あ……おはよ……」
寝ぼけ眼で俺を見て紺野が言う。
「……あ……おはよう……」
「……………きゃっ!」
紺野はしばらく布団の中でゴソゴソしていたが、自分が裸のまま寝てそのままだということに気がつくと急に飛び起き、
あわててベッドの下にあった下着とバッグに引っかけていた服を身につけた。
「もう!恥ずかしいからこっち見ないで!絶対こっち向いちゃダメだからね!」
そう言って俺を叱る。

……おいおい……今の今まで裸で一緒に寝てたのに……それに俺に一番恥ずかしいところ見られ……
いや、はっきりとは見えてないけど同じだよな……そのうえ舐められたりもしたのに……

この間と同じことを思う。
ま、女の子にとっては全然違うのかもしれないが、少なくとも俺には理解できない。
とりあえず俺だけ裸でいるわけにもいかないので紺野に合わせて俺も服を着る。

「あー、髪ボサボサ。ごめん、ちょっと洗面所借りるね。」
紺野はそう言うとバッグから洗面セットを取り出すとあわてて階段を駆け降りていった。

なんかあわただしいな……普段学校で見てる紺野とは違うな……

ひょっとしたらこれが紺野の普段着の姿なのかも……
だがそんな紺野の素の一面を見れたことだけでも俺はうれしかった。
それだけ俺に気を許しているということに他ならないからだ。

怪談のしたからはなおもばたばたという音がする。
時折「あーん、どうしようー。」という紺野の声。
そんな音や声が聞こえるたび、俺は紺野のことがますますかわいく思えた。

しばらくして落ち着いたのか再びとんとんと音がして紺野が階段を昇ってくる。
これから紺野はどうする予定なんだろう。
もし……何も予定がないのなら俺と一日……この部屋にいるのもいいけど一緒にどこかに出かけたりとか……
いや……その前にちゃんと言わなくちゃな……
さまざまな思いが頭の中をめぐる。

紺野は俺の部屋に戻ってくると床にちょこんと座ると
「なんか……3回もするとは思ってなかった……」
と言うと、少し顔を赤らめて下を向いた。
「ごめん……俺……止まらなくて……」
「……いいよ……なんかね、あたしも充実した感じだし。ちょっと疲れちゃったけど……」
紺野がそう言うと、しばらく沈黙が流れる。

……今しかない……

「……あのさ……紺野……」
そう思った俺は、紺野に話しかけた。
「……なに?ひょっとしてこれからまたしたいの?」
微笑みながら冗談混じりに言葉を返してくる紺野。
「いや……そうじゃなくて……」
「じゃあ…なに?」
そんな紺野はきょとんとしつつ、その愛くるしい瞳で俺を見つめてくる。
俺もその紺野の瞳を見つめ返す。
互いに何も言わない。
次第に二人の間の空気が重くなってゆく。
「あのさ……俺……」
意を決して俺がそう言いかけた時……
突然紺野が
「あー、もうこんな時間―。たーいへーん。ゴメン、あたしもう帰るから。じゃ、また月曜学校でね。」
とバッグを持って立ち上がった。

聞けばこの後小川と買い物に行く約束をしているらしい。
そのために一度家に戻るそうだ。
別に……わざわざ一旦戻らなくてもここで時間までゆっくりしていけば。
必要ならシャワーだって自由につかってもらえばいい。
そう言うと
「何言ってるの。昨日と同じ服着てその上同じバッグ持ってたら家に帰ってないってことバレちゃうじゃない。
そしたらどこに泊まったんだっていう話になるし、何してたんだということになるもん。」
と言い返された。
「……まこっちゃんああ見えて結構細かいから絶対ごまかせないよ。」

男同士と違って女の子は大変なんだな……
それに……俺たちのこと、まだ周りには秘密だしな……

結局紺野はそのまま慌ただしく家を出て行った。
一人後に残される俺。

……なんか…はぐらかされた……

やっぱり紺野は俺とのこと……身体だけのつきあいだと思っているのかも……

俺の胸に切なさと寂しさが漂う。
いつか……紺野と心もつながる日が来るんだろうか……
それまではどこか割り切らなくちゃいけないんだろうか……

俺は、まるで蝉の抜け殻のように残されたベッドを見ながら大きなため息を一つついた。


神社の前に俺と紺野は立っていた。
そう、初詣のために待ち合わせていたのだ。
去年までは一人かせいぜい家族、友達と参るだけだったのでいかにも義務感が強かったが、今年は違う。
俺の隣に紺野。
俺の恋人だ。
まあ紺野とはその成り行きも含めていろいろあったわけだが、去年の正月は一緒に初詣に参るなんて考えられなかった
ただの友達の間柄だった。
それが今年は…

「なに?あたしになにかついてる?」
紺野が言う。
俺がしげしげと紺野を見るから、どうやらそれが気になった様子だ。
「…いや。今年もかわいいなって。」
「……もう……バカ。」
そう言って紺野はほっぺたを軽くふくらませる。
少し赤くなった顔。
その表情がまた実にかわいい。

「どうせなら晴れ着着て来ればよかったのに。」
俺は紺野に言う。
正月なんだし、晴れ着を着た紺野はもっと華やかに見えるだろう。
そう思ってのことだったが、
「うん。実は着ようかなとも思ったんだけどね・・・」
「思ったけどなに?」
「……その…晴れ着だと脱いだらまだ一人じゃ着れないから…」
紺野はそう言うと、また顔を赤らめて今度は少し下を向いた。


賽銭を投げ入れ、二人並んで頭を下げて両手を合わせる。

浪人せず大学に合格しますように…
できれば紺野と同じ学校に入れますように…
そして今年も…いや、ずっと紺野と一緒にいれて仲良くできますように…

普段信心のない俺だが、正月だけは別だ。
ましてや具体的に神様にお祈りすることができた今年は特別だ。

「ね、なにお願いした?」
顔を上げて紺野が俺に聞く。
「その…無事に大学に合格しますようにって…」
俺は紺野にそう返事をした。
さすがにいつまでもいっしょにいたい、と面と向かって言うのは少し恥ずかしい。
「…それだけ?」
紺野は少し不満そうに俺を見た。
その顔で見つめられると俺はもう抵抗できない。
「それと…紺野といつまでも一緒にいられますように、って…」
そう言ったとたん、渋い顔をしていた紺野の表情が一瞬にして輝き、にこやかになる。

「……あたしも同じことお願いしたよ。A君と同じ大学に合格しますように、って。それで……
あたしたちがずっと仲良く一緒にいられますように、って。」

紺野はそう言って俺の方を見て微笑んだ。


俺たちはお参りを済ませると、露天をひやかしたりしながら神社を抜け、街をぶらぶらと歩く。
さすがに正月の街は普段と違って人気がない。
これからどうしようかな……そういえば紺野とは年末に会って以来だし…それに……1週間以上ご無沙汰……
などとスケベなことが頭に浮かぶ。
久しぶりに紺野とエッチ……

一度変なことを考え出すと、もう止まらない。
俺の脳の中はピンク色に染まり、紺野の身体を、その行為を何度も思い出してしまっていた。

「あのさ……これからなんか用事ある?」
俺が紺野に言うと、紺野はなんのことか即座に理解したらしく
「……ううん……いいよ…」
と小さく頷いた。


さすがに正月は誰しも考えることは同じらしく、いつものいきつけのホテルは満室だった。
何軒か回ってようやく空きをみつける。
わざわざ探し回るくらいだったら今日のところは止めてまた次に…となりそうだが、一度発情してしまうとなかなか収まらないのは性だ。
とはいえ、俺も紺野も次が満室だった萎えてまた次の機会に……という寸前まできていたのは事実だが。

「やっとゆっくりできるね。」
チェックインをし、部屋に入って紺野が言う。
「なんか身体冷えちゃったな。」
「そうだね。」
「紺野の手……こんなに冷たいし。」
そう言いながら俺は紺野の手を自分のそれで包み込む。
「A君の手も結構冷たいよ。」
「え?そうか?」
俺はそう言うと手を離し、紺野の正面に向き合うと今度は両手でほっぺたを包んだ。
「ほんとに冷たい?」
「きゃっ、冷たーい。」
「そうか、冷たいんだ。」
「うん。冷たい……」

俺たちはそう言うとしばらく無言になって見つめ合う。
そしてどちらからともなく小声で
「……あけましておめでとうございます……」
と、もう一度新年の挨拶をすると、唇を重ね合った……

「先にシャワー浴びなくていい?」
重なった唇をゆっくりと離すと、俺は紺野に言う。
「……うん。家を出る時もうお風呂入ってきたから……」
「そう。実は俺も入ってきたんだ。」
「じゃ終わってからでいいよね。一緒に入ろうか。」
そう言うと俺たちは見つめ合って笑った。

……なんだ。二人とも最初からそのつもりだったんだ。
そういやさっき紺野は晴れ着だと脱いだら着れないからとか言ってたが、このことだったのか。

いつもならこの後ゆっくりと紺野をベッドの上に押し倒すところだが、今日はそうはしなかった。
いつもと違う俺の仕草に紺野は少しきょとんとしている。
どうしたの?と聞かれたので
「うん。今日はちょっと違うことしてみようと思って。」
と俺は言った。

俺はそのまま紺野を立たせると、着ていたコートに手をかけて脱がせる。
「え?なに?」
「いや、今日は俺が脱がせてやろうと思って。」
「え?ここで?ベッドじゃなくて?」
「うん。なんか着せ替え人形みたいにかわいいから。じっとしてて。」

よくもまあこんなセリフが出るものだと自分でも思うが、紺野をその気にさせるためだ。
ま、実際お人形さんみたいにかわいいのは事実だけどさ。

俺は紺野の足元にしゃがむと、ソックスに手をかけゆっくりとしたに降ろしてゆく。
足首まできたところで紺野に足を上げさせて抜き取り、静かに床に置いた。
続いてセーターの裾を持ってスカートの中から引っ張り出すとそのまま上にたくし上げると
隠れていた紺野の生身のウエストが姿を現す。

腕、そして頭を抜いてセーターを脱がせ、これも丁寧に床に置いた。
目の前に現れたのはブラだけの紺野の上半身。

俺は続いてスカートに手をかけるとサイドのジッパーを下へ滑らせてゆく。
着せ替え人形をこの手で着替えさせているような感覚。
紺野が無抵抗で俺になすがままということもあるのだろう、なにかしてはいけないことをしているようで俺自身も興奮してきているのを感じる。
ふと紺野のほうを見ると、紺野は顔を赤らめて羞恥に耐えているようだった。

「……なんか……いつもベッドの上で脱がされているのと違って恥ずかしいね……」

空気に耐えられなくなったのか紺野が声を出した。

「そう?」
その言葉を流すように返事をすると、そのままスカートを脱がせて床へ置くと足を抜き、セーターの傍らへと置いた。

ブラとパンツ。下着だけになった紺野の身体を俺は舐め回すように見つめる。
不思議なもので、普段下着どころか身体の隅々まで俺に見られ、知られているくせにシチュエーションが変わるとやっぱり恥ずかしいらしい。
紺野はその視線に耐えかねてか、顔を耳まで赤くして横を向いた。

「その下着って初めて見たけど…俺が知らなかっただけかな。」
俺が言うと紺野は
「……その……新年だから新しいの卸してきたの……」
と小声で言った。

「もう。あたしだけじゃ恥ずかしいから今度はあたしがA君脱がすから。じっとしてて。」
「えっ……まだ下着……」
俺が言葉を返す間もなく、紺野は俺の着ているものに手をかける。
「ダメ。A君が脱いでから。」
ちょっと強めの口調で紺野は言った。
「……わかったよ……」
少し渋そうな返事をしたが、実はイヤじゃなかった。

紺野は俺をその場に立たせたまま、自分は下着姿で俺の衣服を脱がせにかかる。
まず上着のジャンバー、そして自分と同じ順番に靴下。
それから紺野はシャツのボタンに手をかけ、上から順番にボタンを外してゆく。
下にゆくにつれ、紺野の姿勢も徐々に下がってゆき、一番下のボタンを外す頃にはその頭がちょうど俺のあごの下あたりにくる。
紺野の髪が俺の鼻をくすぐる。
ほのかに香るコロンの……いや、紺野の香り。

恥ずかしい……

さっき俺に脱がされている紺野の恥ずかしさと同じものが俺を包む。
だが、その一方でえもいわれぬ興奮を感じていた。

徐々に下半身に血液が集まり、分身が硬直していくのがわかる。

俺はまだ経験はないが、風俗の女の子にサービスされているような錯覚に陥る。

紺野は俺の足元にしゃがみこむと、俺の股間の変化がわかったのだろう、顔を上げて俺の顔を見るとまるで小悪魔のように少し意地悪っぽく微笑んだ。

そしてTシャツを脱がせるとそのままベルトに手をかけてバックルを外し、ゆっくりとズボンを床に降ろした。
ちょうど紺野の眼前に現れる俺の分身。
トランクスは高くテントを張ってすでに興奮状態であることがはっきりと見て取れる。
紺野はしばらくそれを凝視したかと思うと、何事もなかったかのように脱がせたズボンをたたんで床に丁寧に置いた。
そしてもう一度俺を見上げると

「……もう……ホントにエッチなんだから。」
と、子供をたしなめるように俺に向かって言った……

「じゃこれも脱がしちゃうね。」
紺野はそう言うと俺のトランクスに手をかける。
おいおい、俺のほうが先に脱がされるのかよ…
「あ…その…紺野…」
「なに?」
「終わったら次は俺に脱がさせてくれるんだよな…」
俺がそう言うと紺野は途端に顔を赤らめる。

「…バカ…」
否定しなかったということはOKだということ。
俺は勝手にそう思うことにした。
妄想が膨らみ、俺の分身はますます元気に屹立してトランクスに張りを作る。
紺野は俺のそんな心境を知ってか知らずか、慣れた手つきで突っ張ったトランクスをひょいと持ち上げるようにしてひっかかりを外すとそれをずり下げた。

いつもの手馴れたしぐさではあるが、紺野はこの瞬間とても恥ずかしそうな顔をする。
その表情はとてもかわいい。
紺野のこの表情が見れるだけでも俺は幸せ者だと思う。

トランクスの中に収まっていた俺の分身は、引っ掛かりが取れた反動のように少し上下に動かせながら紺野の眼前にその姿を晒す。
紺野はそれを見ると、一瞬視線を逸らす。

紺野だって何度もこれを見ているはずなのに…
いや、それどころか自分の身体の中に受け入れ、時にはそのかわいい唇の中で弄んでいるはずのものなのに…
女の子というのは不思議だ。
俺はそう思った。

「よし、じゃ最後は俺な。ほら、立って。」
俺はそう言うと紺野を再び俺の目の前に立たせる。
「え~。恥ずかしいよぉ。」
口ではそう言うが心底嫌がっているのではないことはその口調からもわかる。
「いいから。さ。」
「……もう……」
それでも恥ずかしいのか、両手で胸を押さえて見られないようにしていた。
「ほら、手を離して。」
俺はそう言って紺野を促す。
「……ね、ホック外すんでしょ?だったら後ろ向いてていい?」
「ダメ。ほら、こっち向いて。」
ここで後ろなんか向かれてはこっちとしてはたまったもんじゃない。
紺野はしぶしぶという感じで俺のほうを向き、あきらめたかのように両手を身体の横に下ろした。

その豊かな乳房が、狭いブラの中に押し込まれているのがはっきりとわかる。
それをこれから解放する……
そう考えるだけで興奮してくる。

もっともそんな俺は、全身丸裸でしかも下半身を勃起させているのだから間抜けといえば間抜けな姿なのだが。

俺は紺野を抱くように両手を大きく回すと、背中にあるブラのホックに手をかける。
俺の腕の中に紺野のある身体。
このまま抱きすくめ、押し倒してしまいたい衝動にかられるがそれをこらえる。

「なんか……ちょっと鼻息荒くない?」
紺野がまた意地悪げに言う。
「え?そうか……な」
思わぬ指摘に指を止めてしまう俺。
「それに……ちょっと当たってる……し」
言われてみると、俺の分身の先端が紺野の下腹部に接触してしまっていた。
そんなことに気づかないくらい興奮していたようだ。

「ご…ごめん……」
あわてて謝る俺。
「……いいよ……別に。なんなら今出してあげようか?」
紺野はそう言って俺の分身に手を添えようとする。
「…いや…それはいいから。」
俺は少し腰を引いた。
ここで出されてしまっては興奮が一時とはいえ冷めてしまう。
いや、すぐ回復するのだが、やっぱり紺野とはそれなりに高ぶった状態でしたい。
手でしてもらうときにはあらかじめ心の準備を…などと思ってみる。

俺は気を取り直し、つとめて冷静に振舞いながらホックをはずして広げると、肩紐を回して紺野の腕を抜く。
紺野のその豊かな胸が俺の目の前に現れた。
束縛するものがなくなったそれは、はちきれんばかりに瑞々しく張っている。
先端にある突起が多少わがままに左右を向いているのもご愛嬌だ。


紺野がまた恥ずかしそうに胸を隠そうとするのでそれを制すると
俺はしゃがんで今度はパンツに手をかけた。
ちょうど俺の目の前に紺野のパンツが、そしてその布の奥には紺野の女の子そのものが隠れている。

両手でパンツの端をつまむと、ゆっくりと下へとずり下ろす。
布に隠されていた紺野の下腹部、そして陰毛が徐々に姿を現した。
ふと頭を上げると、紺野は眼を閉じてうつむいている。
その顔は耳まで赤くなっている。

何度も俺に脱がされているはずなのに、こうして立ったまま人形の着せ替えのようにされるのはやっぱり恥ずかしいのか…

そう思ったが、その一方で紺野のその恥じらいの表情には実にそそられる。

……今度からいつもこうやって脱がしてやろうかな……

などと俺は考えた。

「……早くして……」
恥ずかしさに耐えられなくなったのか、紺野が振り絞るような声で言う。
その声がまた俺を刺激する。
俺はなるべくゆっくりとパンツを脱がせてゆく。
こんな楽しいことをすぐ終わらせたらもったいない。

そして…とうとう足の付け根の三角地帯……いや、紺野の女の子すのものの箇所が姿を見せた。
陰毛の生え際と重なるように割れ目の先端が姿を見せる。
それまで閉じ込められていた紺野のメスの匂いが解放されて漂ってくる。

そのままパンツをずらそうとしたとき、その布の幅の一番狭い部分が心なしか湿り、紺野の肌に張り付いているように感じられた。

「あ…紺野もしかしてもう……」

俺が言いかけると紺野は
「もう、いいじゃない。どうだって。」
と顔を赤らめたまま少し強い調子で俺に言った…

「あらためてあけましておめでとうございます。」
互いに全裸で向き合う俺と紺野。
新年の挨拶はこれで3度目だが、さっきとは状況が少し違う。
とはいうもののすることはさっきと一緒。
俺たちは顔を近づけ、そして唇を重ね合う。
さっきより長い時間、互いの舌を絡めあい、唾液を交換する。
両手を背中に回しあい、身体を密着させて体温を感じ合う。
俺の屹立した分身の先端は、紺野の下腹部に触れてそこに圧力を加えているはずだが、
紺野は今度は何も言わない。
いや、むしろ意識的にかどうか、その下腹部を逆に押し付けてくる。
俺と紺野の二人の身体に挟まれ、押し付けられる俺の分身。
裏側のスジの部分からも伝わってくる紺野の体温と柔らかな肌の感触。
再び高ぶってくる神経。
このままじっとしているだけでもう出してしまいそうになる。

そんなことを思っていると、やがてどちらからともなく重なった唇が離れた。

絡み合った唾液が少しばかり糸を引いて垂れる。
紺野は閉じていた眼を開けると、俺を見て微笑んで言った。
「えへへ…じゃベッドのほうへ行こっか。」

紺野に促されて俺たちはベッドに向かう。
今年も紺野にペース握られるのかな……
とも思うが、そんな尻に敷かれた状態を心地よいと感じている俺がいる。

紺野はベッドの上にちょこんと乗ると、正座した状態で俺にもその姿勢を促した。
「なに?」
「いいから。A君もちゃんと座って。」
言われるがまま俺もベッドに登り、正座をして紺野と向かい合った。

なに?ひょっとしてまた新年の挨拶か?
「そう。こういうことはちゃんとしとかないと。姫始めって言うんでしょ。新年になって一回目のこと。
今年もよろしくおねがいします。」
紺野はベッドに両手をついて頭を下げる。

「あ…ああ…こちらもよろしくお願いします…」
つられて俺も両手をついて頭を下げる。
なんかへんな感じだ。
そう思っていると紺野は
「…そうだ、この子にもちゃんとあいさつしとかないとね。」
と言うなり俺の分身に手を添えた。
「ふつつか者ですが、ことしもよろしくお願いします。」

おいおい…そっちのほうが挨拶丁寧じゃんか。
紺野がそのつもりなら俺だって…

そう思った俺は、やおら両手を紺野の両膝の下に差し入れると、そのまま上に持ち上げて後ろに転がすように紺野をベッドの上に倒す。

「きゃっ!」
意表をつかれた紺野は、仰向けに倒れながら小さな悲鳴をあげた。
「俺もお返し。」
俺はそのまま身体を寄せて紺野の背中の下に膝を入れて起き上がれないようにする。
そして上を向いた紺野の両足を左右に開き、いわゆるまんぐり返しのポーズをとらせた。

「ちょ…ちょっと!」
「俺もこの子にちゃんと挨拶しないとな。」
意趣返しのような俺の言葉に、紺野は何も言い返せずに黙って横を向いた。

俺の目の前に紺野のそこがある。
よくアワビだとか生ガキとかに比喩される女の子のそこ。
冷静に、客観的に見れば結構グロい形状をしているが、紺野のそこだと思えばむしろ可愛くいとおしくすら思える。

「今年もよろしくお願いします。」
何度も俺に見られ、全部知られているとはいっても自分の一番恥ずかしいところに声をかけられて
紺野は恥ずかしさのあまり手で顔を覆う。
とはいえ、自ら足を閉じようとはしない。
これからされることをむしろ楽しみにしているかのようだった。

「ちゃんと中のほうにも挨拶しないとな。」
俺はそう言うと、小さく開いた左右の襞を両手で軽く開く。
するとそこは、すでに粘液に満たされていた。

「…やっぱり…紺野…もう濡れてる…」
「もう…知らない……」
紺野は一瞬だけ顔を見せ、再び両手で覆う。
その瞳は心なしか少し潤んでいるように見えた……

そのまま俺は目の前にある紺野のそこにキスをし、舌を這わせる。
「……んんっ……んあっ……」
紺野もすでに高ぶっていたらしく、吐息を漏らし始める。
そのまま俺はいつものように紺野のそこを、それから乳房を、全身を愛撫していった……


紺野とこういう関係になってから、何度も何度も紺野を抱いた。
だが一度として飽きることはなかった。
俺はいつも自分の想いのたけを紺野にぶつける。
そして紺野もその俺を受け入れ、その身体を無防備に俺に預けてなすがままにされている。
それは紺野が俺を信頼して自分の身を任せているからに他ならないと思っている。
その紺野の想いに応えてやりたい。
だから…俺はいつも紺野を満足させてやろうと一生懸命だった。
そしてもちろん今日たった今も……

紺野はそんな俺の愛撫に快感の声を漏らし、時には快楽に包まれて身体を反応させる。
ときおりぴくぴくと身体を痙攣させ、軽く絶頂を迎えていることを知らせる。

そして…前戯も終わり、挿入にかかろうとしたとき、紺野はその雰囲気を読んだかのように俺の分身に再び軽く手を添えて
「……この子たちも早く仲良くなりたい……って……」
と俺を促した……

俺は用意していたゴムを装着すると紺野の中へと挿入を始める。
と同時に
「んんんんんんんっ………………」
紺野がくぐもった声を漏らす。

正直、ゴムなしの生でしたいと思わなくもない……いや、実際に生でしたことも紺野の中に直接俺の白い血を放出したこともあった。
薄いゴムの有り無しでこんなにも違うものか…と初めて知ったし、それこそパズルのピースがぴったりとくっつくような一体感を味わうことができた。
聞けばそれは紺野も同じだったらしい。
だが、終わった後にこぼれてきて後始末が大変だったのと、安全日ではあったもののその後ちゃんと生理が来るまで二人とも不安だった。
特にその時は少し遅れてきたものだから俺も紺野も覚悟はしていたものの気が気ではなかった。


そんなもんだから、それからはずっとゴムつきだ。
俺の欲望と快感より、紺野の…いや、俺たちの将来を大切にしたいという二人の合意だ。

「あと何年かしたらそんなこと気にしなくていいようになるから…それに…いずれは赤ちゃん欲しいし…」
と、紺野が意味深なことを言ったのも耳に残っている。

「あんっ!あんっ!はあんっ!んっ!あんっ!はあっ!あんっ!」

俺の分身に突かれて紺野は喘いでいる。
快感に包まれてその両手は時には俺の背中に回され、そして時にはシーツをつかむ。

「……ん……そろそろ姿勢変えるよ。」
一通り突いて紺野に快感を味わせると、俺は自分のものを紺野の中に入れたまま両手を紺野の背中に回してその身体をゆっくりと抱き起こす。

俺の膝の上にくる紺野の身体。
いわゆる対面座位というやつだ。

紺野はこの体位が好きだ。
聞けばつながったままいちゃいちゃできるかららしい。
俺も嫌いではないのだが、ただ紺野の体重が膝と太ももにかかるのでいささか重い。
それに下から突き上げるときに背中かあるいは尻を支えながらとなるので腕を自由にできない。
とはいえ、紺野がこの体位をリクエストしてくるので俺はいつもこの体位を途中に挟んでいる。

「あんっ!んっ!あはんっ!あんっ!あんっ!んっ!ふうっ!」

今度は下から突き上げられて紺野は再び喘ぐ。
俺は時折腰を回し、紺野の中をかき回すと、紺野はその刺激に耐え切れずになお声を上げる。

「んあっ!はあっ!ああんっ!あんっ!はあっ!あんっ!あんっ!はあっ!はあんっ!」

両腕を俺の背中に回し、まるで大木にしがみつくような姿勢の紺野。
大きな胸がつぶれて俺の胸に押し付けられる。
先端の突起が上下に動いてこすれる感触が心地よい。

「あんっ!ああんっ!はあっ!あんっ!あんっ!はあっ!」

快感に包まれ、徐々に紺野の表情がゆがんでゆく。
眉は下がり、眼を閉じて懸命に荒い息を吐く。
たぶん、紺野はもう忘我の境地にあり、頭の中はピンク色のもやがかかってなにも考えられない状態なのだろう。
この表情が出ると紺野の絶頂は近い。
俺は両手を紺野の背中に回すと、顔を近づけてまた紺野の唇を強く吸った。

んんんっ…んっ…んんんっ…ちゅっ…ちゅっ…んんんっ…ぴちゃっ…ぴちゃっ…ちゅるっ…じゅるっ…

二人の舌と唾液が絡まりあい、入り混じって卑猥な音を立てる。

「今日はこのままでいいかな……」
普段ならこのあともう一度体位を変え、俺が上になってフィニッシュを迎えるのだが、今日はこのまま紺野をイカせてやろうと俺は思った。

……うん……

少し潤んだ…快楽のあまり朦朧として焦点の定まらなくなった目をしながら紺野はうなずく。
「……そう…じゃこのままな……」

俺はそう語りかけると再び腰を上下に動かし、紺野を下から貫きはじめる。

「あんっ!ああんっ!はあっ!あんっ!あんっ!はあっ!ふあっ!」
突き上げられ、かき回されて紺野は快感の声をあげる。

次第に動きが激しくなり、もう二人とも汗まみれだ。


俺の紺野…
かわいい紺野…
えっちな紺野…

俺は自分の想いをぶつけるように激しく、強く、時にはやさしく紺野を突き上げる。
二人が繋がっている箇所から聞こえる、ぐちゅぐちゅという湿ったいやらしい音。

やがて…俺の背中に回した紺野の両手にひときわ力が入ったかと思うと……

「あ……んんんん………んんんんっ……!!!!」

と声にならない声をあげて……
紺野は絶頂を迎えた………

「うっ!……ふうっ!………」

と、それと時を同じくして俺のほうも限界を迎え、溜まっていた欲望を吐き出した……

はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、はーっ
はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、はーっ、

絶頂を迎え、息を荒くしている紺野を抱えてゆっくりとベッドに横たえると、俺は自分のものの後始末をする。
紺野はまだぐったりと力の抜けた状態でベッドに横たわっていた。

「…風呂…湯張ってくるな。」
俺が言うと、紺野は顔だけをこちらに向けて少し微笑みながら頷いた。


「ん、沸いたよ。こっちおいで。」
俺がそう言うと、紺野はベッドから起き上がって俺のほうへとやってくる。
もちろん全裸だ。
少し左右に離れた乳房、くびれたウエスト、そして大きく張った腰。
白い肌と、それと対照をなすように下腹部から足の付け根にかけて生えている黒々とした陰毛。
それがなんともいえずにエロさを感じさせる。
いつも思うことだが、普段着ている衣服の下にはこんなにもエロい肢体が隠されている。
それを知っている男は世界で俺一人。
そう思うとき、俺はいつも自分を自慢したくなる。

「ん?なにニヤニヤしてるの?…もうなんかまたエッチなこと考えてたんでしょ。」
紺野が大きなほっぺたをさらに膨らませて俺を叱る。

……仕方ないだろ…紺野がそんな身体してるから……

俺はそう思ったが、何も言い返さず黙っていると
「ほら、一緒に入ろうよ。」
と紺野はこんどは俺を促す。
すぐふくれたかと思うとすぐ話を切り替えたりするあたり、女の子は不思議だ。

ともあれ、こういうホテルの風呂は家庭のそれと違って大きいのがいい。
俺たち二人がいっしょに入っても充分余裕がある。
もっとも、最初からこういう使い方を想定しているんだろうけど。

入試まであと1ヶ月ほどに迫ったし、センター試験にいたってはもう目と鼻の先だ。
試験が始まったらこうして紺野といちゃつくこともエッチすることもしばらくおあずけになることだろう。
もし…二人とも志望の大学に合格したらそのときは……
……どうか二人がそろって合格しますように……できれば同じ大学に……

神様にそうお祈りをしながら、俺はバスルームへと入った。


「さすがに誰もいないね。」
紺野が言う。
大学の入試も終わり、普段のように図書室が閉鎖された土曜日の校舎には立ち入る生徒もおらず、しんとしている。
校庭ではいくつかのクラブが練習をしているとはいえ、その数もいつもより少ないとみえて聞こえる声もそう大きくない。
卒業式を数日後に控え、俺と紺野は教室に置いてあった私物を取りに学校に来ていた。
二人でいっしょに勉強した甲斐があって、俺たちは学部こそ違えど無事同じ大学に合格することもできた。
ま、勉強以外のこともたくさんしたわけだがそれはどうでもいい。
……これからも4年間紺野と同じ学校だ……
一緒にまた楽しい学園生活を送ることができる。
そう思うとウキウキしてくる。

ふと横を見ると、紺野が教室の中を見渡している。
誰もいない無人の教室。
そして……俺たちにとってはいろいろと思い出深い教室だ。
思えばあの時、紺野と放課後二人きりになっていなければ今頃俺たちの関係は……


「……ね……いろんなことあったよね。」
不意に紺野が言ってきた。
「ん?」
「その……ここで初めて見たんだよね……」
「……何を?」
と、知りながら俺はとぼける。
「……その……A君のおちん……ちん……」
最後のほうはもう小声だ。そのうえ顔も真っ赤になっている。
普段散々えっちなことをしているというのに、未だにそのものの名前を口にすることは恥ずかしいらしい。
……が、それがまたかわいい。
「……そうだな……もしあのとき……」
俺がそう言おうとすると、紺野は
「ね、あのときのこと思い出して今からしてみない?」
と唐突に言ってきた。
「……え……」
俺が狐につままれた表情をしていると紺野は続けて
「だって……あたしたちがこうなるきっかけだったじゃない。もうこの教室で二人きりなんてことも多分…ないし……」
「…………」
「……その……二人の想い出の……」
紺野がそう言いかけたとき……
俺は両手で紺野の身体を抱きしめていた……


「…えと……確かあたしがここに座って……」
「俺がここだよな。」
「うん。それであたしがちょっと気を緩めてこう……」
紺野はそう言うとゆっくり両足を広げる。
それに伴い、俺の視線はそこに釘付けになる。
両足の付け根の奥の布。
俺の視線を感じた紺野の顔が次第に赤くなる。

「……やだっ、見ないでよ……」
と、紺野は言うが膝は開かれたままだ。
だいたいあの時の再現をしようと言ったのは紺野なので、ここで足を閉じてしまうのも変な話だ。

「ね、だからあたしの話聞いてるの?」
あの時と同じように紺野が俺に言う。
「ん…ああ…」
俺の生返事。
紺野は俺と会話をしながら何度か足を組替える。
そして…そのたびにその足の奥から白いものがチラチラと俺の目に入ってくる。
「ああ、聞いてるよ。それで?」
俺は紺野に返事をしながらも、その足の奥が気になって会話に集中できなかった。
ふりだけではない。実際に集中できない。
それどころかあの日と同じように次第に視線が紺野の足の奥に集中してゆくのが自分でもわかった。
あの日と違うところは、俺も紺野もそれを承知の上でいわばプレイなんだがいつの間にやら
本心とが混ざり合ってしまっていた。
現に…俺の股間は正直に反応している。

「ねえ、本当にあたしの話聞いてるの?さっきから上の空じゃない。」
紺野はその大きなほっぺたをさらに膨らませて俺に言う。
そして…とうとう俺の視線に気付いたようだった…いや、ふりをした。

「なによ、どこ見てるのよ……あ!」
紺野は俺の視線の先にあるものに気付くと、下を向いて組んでいた足をあわてて戻しぴったりと膝を閉じる。

「見たでしょ……」
紺野が上目遣いに俺に言う。
さらに
「さっきからあたしのパンツ見てたよね。」
と問い詰めるように俺に言ってきた。
「…え…あ…その…」
……なんかノリノリだな……
俺が返事に窮していると、追い討ちをかけるように
「あたしのパンツ見て興奮してたんだ。それでろくに返事しなかったんだ。」
と言った。
「……」
俺がなおも黙っていると紺野はその視線を下げ、俺の顔から足先までを舐めるように
見回すと、やがて一点で止まった。
…そう、紺野は俺のズボンの膨らみを見逃さず、視線をそこに釘付けにしたのだ。
「…興奮してる?」
紺野はその可愛らしい表情に意地悪な微笑を浮かべると俺に話しかける。
「…あ……ああ……うん…」
俺はとうとう観念して返事ともいえない返事とともにうなずくしかなかった。
すると紺野はさらに小悪魔の表情を浮かべると
「…脱いでよ…」
と俺に言った。

「え?なんでだよ、いきなり。」
俺は紺野に言う。
「だって、あんたあたしのパンツ見たんでしょ。だからあんたも見せなさいよ。それでおあいこじゃない。」
紺野はそう言うといきなり俺のズボンに手をかけて脱がせようとした。
「ちょ…ちょっと待てよ。」
俺はあわてて紺野を振り払おうとする。
「いいでしょ。あたしだけ見せてあんたが見せないなんて不公平よ。」
紺野はなおもそう言って俺のズボンに手をかける。
その表情はなにか楽しそうだ。
俺はなおも抵抗しようとしたが、次第にその力を弱める。
ここで本当に抵抗してしまっては意味がない。そんなことはお互いハナから承知の上だ。
「…それに…実際どうなってるのか見たいし…」
と、あの時と同じように小さな声で言った。
「…もう…彼氏にでも見せてもらえよ…」
いや、実は俺がその彼氏なんだが。
俺は顔を横を向けながらも抵抗するのをやめ、紺野のなすがままにされていた。
「………………」
さすがにどう返事していいのか紺野も黙ってしまう。

紺野は慣れた手つきでベルトとホックを外し、ジッパーを下げると
「ほら、脱がすわよ。」
と言った。
俺はなおも顔を横に向けながら、腰を少しあげた。
紺野はそのタイミングを見逃さず、俺のズボンとパンツを一緒に手にかけると一気に膝まで引き下ろした。
それと同時に俺の分身が紺野の前に姿を現す。
「キャッ!なにこれ!」
それを見た瞬間、紺野が素っ頓狂な声をあげた。

……なんか白々しいぞ……

紺野は俺の分身をしばらく遠巻きに眺めていたが、しばらくするとまた近くに寄ってきた。
「ふうーん、こんなんなってるんだー。」
と、しげしげと眺めはじめた。
……充分すぎるほど知ってるくせに……
その白々しさが少し俺を刺激する。

「でも思ってたのと違うよね。」
「え?何がさ。」
「だって……もっとこう……猛々しくそそりたってるっていうか……」

そう、確かに俺の分身は普段よりは大きくなってはいたが屹立というまでにはいたっていない。
もちろん、気が高ぶっているのは事実だが慣れというかなんというか……
初めて紺野のパンツを見たときにはちきれんばかりにテントを張っていたのとはえらい違いだ。
それだけ経験を積み、刺激に慣れたのか……とも思う。

「何よ……ちっとも大きくならないじゃない。」
次第にいらだちと照れ笑いが混ざったような口調で紺野が言う。
「仕方ないだろ。そう簡単に大きくなるもんか。
でも……紺野が見せてくれたら興奮して大きくなるかもな。」
俺がそう言うと、紺野にとっては予想外……いや、ひょっとしたら予想していたのかもしれない。
「えっ!」
と一言発したのち、絶句してしまった。

「……どこ見せればいいのよ……」
戸惑い、動揺したような風で紺野が言う。
「……そりゃ……パンツとか……あそことか……そうだな……俺が見せたんだから
あそこ見せてくれたらおあいこだよな。」
少し意地悪い口調でそう言ったとき、紺野から反応が返ってきた。
「……いいよ。あたしも見せればいいんでしょ。見せたげるよ。」

……なんか楽しそうだな、おい……

「……どうすればいい?」
紺野が言った。
「じゃここに来て。紺野も近くでこれが勃つこと見れたほうがいいだろ。」
俺は椅子に座っている両足を少し開き、腰を前に突き出してそう言った。
紺野はその俺の両足の間に身体を入れて俺の目の前に立っている。
「……いい?見せるよ。」
そう言うと紺野は両手でその短いスカートの裾を持ち、そしてゆっくりと持ち上げた。
スカートの中から、紺野の白いパンツが姿を見せた。

椅子に座っている俺のちょうど目の前の位置に紺野のパンツがある。
白の、木綿地の無地のパンツ。
布は薄く伸び、紺野の腰から尻の身体のラインに合わせてぴったりと張りついてその下半身を覆っている。
その布の幅はわずか数センチにすぎず、その少し上には紺野の丸いへそが姿を見せていた。
足の付け根から少し上にかけての白い布地の下半分はこんもりと盛り上がり、気のせいか薄い影があるように見えた。
その薄い布の奥には紺野の陰毛が、そしてその直下には紺野のもっとも大事な部分が存在し、
そしてそれは俺がちょっと手を伸ばせば触れることのできる位置にあった。
俺は懸命に紺野のそこを凝視する。
そして視線を上に向けると、そこには顔を真っ赤にし、懸命に恥ずかしさに堪えている紺野の顔が見えた。
何度も見られているとはいえ、紺野はそのたびいつもこの表情になる。
その羞恥にまみれた紺野の表情がより一層俺の欲望を刺激する。

アドレナリンが爆発し、全身の血液が下半身に集中する。
俺の分身は欲望に忠実に反応していた。

「すっごーい。本当に大っきくなったー。」
頭の上から紺野の声が聞こえる。
「ふーん、あたし大っきくなるとこ初めて見たよ。」

…うそつけ……とは思ったがそこはそれ、今日はプレイの一環だ。
あのときと同じように盛んに紺野は声をかけてくる。
もちろんその間も紺野のスカートはまくれ上がったまま。
俺の目の前、ほんの数十センチの距離にある紺野のパンツ、そしてその奥の秘密の部分。
そして今日はあのときとは違い、そのさらに下も……

「そろそろ見せて……」
「……うん………」

俺が言うと紺野は顔を赤くしてスカートを押さえる手を左手一本に変え、空いた右手で自分のパンツを少しずらせた。

スカートの中の紺野の下腹部が徐々に露出する。
やがて……なかから黒々とした茂みがその姿を現せる。
白い肌と対照的な陰毛。
しばらくの間、紺野は躊躇していたようだったがやがて意を決したかのようにパンツを太ももまでずり下げた。

紺野のそこが俺の眼前にその姿を見せた。
スカートの中から見える、ほどよく肉付きのある、柔らかくて張りのあるお腹。
その中心に鎮座する少し縦長のへそ。
その下にはゆっくりとした曲線を描いて恥丘が広がる。
そしてそこに生えている芝生。
少し薄めに生え揃ったそれは、きれいな逆三角形を描いて両足の付け根へと下がってゆく。
先っぽには両足の付け根。
その中央には紺野の大切な裂け目の先端が姿を覗かせる。
そこは紺野の女の子そのもの。俺を受け入れるための器官だ。

「ね、精子出るとこ見せて。」
紺野があの日のように俺に言う。
「…いいよ。見せてやるよ。その代わり出るまでそのままでいろよ。」
「……うん……」


俺は右手を自分の分身に添え、ゆっくりと上下に動かし始める。
……そう、俺がいつも自分でしているときのように。

傍から見るときっと俺たちは異様な光景に見えただろう。
誰もいない教室で二人きり。
俺はイスに座り、自分のものをしごいて自慰行為をしている。
そのすぐ前にはスカートを両手で捲りあげ、パンツを太ももまでずりさげて立ち、俺の行為をじっと見つめている紺野。
きっと誰かが俺たちのことを見ていたら
……さっさとそのままヤっちゃえばいいのに……
と思うに違いない。
そんなアブノーマルなプレイ。
だがそんなプレイに、俺も紺野も次第に興奮していくのがわかった。

紺野はしばらく俺のその様子を見ていたが、やがて目を光らせて俺を…いや、俺の分身を凝視する。
「……ね……いつもそうやってしてるの?」
「……気持ちいい?」
盛んに声をかけてくるが、俺はそれには応えなかった。
気が散ってしまうこともあるし、なるべくあの時を再現したいということもある。
それに…じらしてやろうという思惑もあった。
俺は目の前にある紺野のそこを凝視しながら、ひたすら右手を動かしていた。

「……なんか言ってよ。あたしこの格好してるのとても恥ずかしいんだから。」
「………」
「ねえってば。」
紺野はなおも俺に話しかけてくる。
「……そうやって腰引いたらよく見えないだろ……」
「あ……ごめん…」
紺野はそう言うと、少し腰を突き出して自分のそこを俺に見えるようにする。
俺もまた、そこに視線を集中させて見つめる。
その視線を感じたのか、紺野のその顔はまた、羞恥にまみれ赤みを帯びてきている。
散々俺に見られたそこだというのに、こういうシチュエーションだとまた別らしい。

しかし、何度見ても紺野の恥じらいにみちたその表情は燃える。
それが俺の分身をますます元気にしていた。

俺はそろそろ限界を迎えようとしていた。
「ごめん…ティッシュ取って…」
俺は紺野に言う。
いや、俺としてはこのまま出してしまってもよかったのだが、そうすれば紺野にかけてしまうことになる。
位置関係からいって、放出した先がちょうど紺野の陰毛から太ももにかかってしまうことは間違いない。
あの時も俺は派手に紺野にかけてしまったこともあり、今回はなるべくそれは避けたい。
だが紺野はそんな俺の心中を知る由もなく
「ダメ。あたし出るところが見たいんだから。」
「…そんなこと言ったって…このまま出たらかかっちゃうぞ……」
「じゃ出るとき言ってよ。あたしよけるから。」
いつかと同じような言葉を吐く紺野。
まさか……かけられたがっているなんてことは……
そんなことをふと思いつつもあったが、
「よけるったって……そんなことできる……うっ……もう……出る……どいて……」
「えっ?ちょ、ちょっと、待ってよ。そんな急に……」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、俺は絶頂を迎え紺野の眼前で精を放出した……
俺の発射した体液は放物線を描いて飛び、予想に違わず紺野の下腹部からふとももの一部にかけて飛び散り、
その中の最初の一撃の一番濃い部分が紺野のちょうど陰毛のあたりに命中し、黒と白のコントラストを描き出した……


「だから言ったろ。ティッシュくれって……それにどいてって……」
「はい、これ。あたしちょっとトイレ行って拭いてくるから待ってて。」
「いいよ、俺が拭いてやるから。」

俺は紺野からティッシュを受け取ると、まず自分の先端にまだ残っている汁を拭き、そして紺野の下腹部に手を伸ばした。

……そういえば屋上でしたときもこうなったな。あの時は「いい」って言ってたけどさすがに今日はな・・・・・・

ティッシュを紺野のそこにあてがい、まず陰毛にべったりと貼りついている白濁液を、
次に重力で太もものほうに垂れてきているしずくを拭き取る。

ふと顔を上げて紺野を見ると、目を閉じて下を向いて俺に自分の体を委ねている。
俺は少し悪戯心を出し、ティッシュを持ったまま指先を伸ばして紺野のそこに触れると、そこはすでに潤っていた。
そしてもう一度紺野の顔を見る。
紺野は俺の指が触れるのを感じて目を開けていて、俺と視線が合う。
少し切なげな、それでいてなにか期待がこもっているかのような紺野の表情。
互いに何も言わなかったが、二人ともこれから何を望んでいたのかは明らかだった。

とはいえ、このまますんなりとえっちに流れるようなことはしたくない。
せっかく二人の思い出の教室にいるんだし、今日が最初で最後だろうからもう少し楽しみたい。
それに……元々「教室でしたい」って言ってたのは紺野のほうだしな。

俺は自分のものをズボンのなかにしまうと、スカートを下げてパンツをはこうとしている紺野に向かって言った。
「ん?これで終わり?」
「……え?」
少しきょとんとしたような紺野の表情。
そう、たぶん紺野は俺が何か言うのを待っていた。
それが紺野の待っていた言葉かどうかはわからないが……

「ずるいな。俺だけしてるところ見せるなんて。」
「………………」
「今度は紺野も俺に見せてほしいな。」
「え?えっ?」
さすがにそう言われることは想定外だったのだろう。明らかに動揺しているさまが伺える。
「だって俺だけじゃ不公平じゃんか。」
「そんな……ここでなんて……そんな……そんなこと……」

ホテルや自分の部屋では何度か見せてもらったこともあるが、さすがに教室だと別なのだろう。最後は懇願するような表情になる。
そんな紺野を見るとさすがにかわいそうになってくる。
とはいえ、俺はいつもそんな紺野の表情にほだされ、甘やかしてしまうのだが。

「……いいよ、じゃ一人えっちは。そのかわりもっとあそこ見せて。」
俺はそう取引を申し出た。
さすがに紺野もそれを断ることはできず、こっくりとうなずく。
……いや、ひょっとしたら紺野も俺の心理をわかっていて自分から誘導したのかもしれなかった。

「じゃその机の上に座って。それで足開いて。あ、パンツは全部脱がずにそのままのほうがいいな。」
俺は机を並べてベッドかテーブルのようにする。
紺野は言われるがまま机の上に登り、こちらを向いて座ると左右に足を広げた。
「なんか…パンツひっかかるんだけど。」
「そうだな……じゃあひざまで下げてよ。そしたらもうちょっと広がるだろ。」
俺が言うと紺野はパンツをひざのあたりまで下げ、机の上に後ろ手をついて身体をのけぞらせる。
「あ、足も机の上に乗せちゃってよ。そしたら良く見えるからさ。」
「……もう……えっちなんだから……」
そう言うと紺野は端から下がっていた足先を机の上に乗せた。
ちょうど正面にいる俺から見ると、机の上に紺野が乗っている。
その足はM字に開かれ、架け橋のように両膝の間にパンツが架けられている。
その奥にはスカートに覆われて暗くなってはいるものの、紺野のその部分が確かに存在していた。

「いいねえ。とってもエッチな光景だな。うん、そそるよ。」
俺が冗談めかして言うと紺野は
「……もう……バカ……」
と顔を赤くして呟いた。

俺は紺野の両足の間に顔を近づけ、中をのぞきこむ。
スカートがかかっていて少し暗い。
「暗くて見えないからこれめくっちゃうな。」
俺はそう言うと、スカートを紺野のへそのあたりまでめくりあげた。
あらわになる紺野のそこ。
両足の付け根の奥に割れ目が見える。
もちろん、何度も見たことはあるが制服を着ている状態で、しかも教室でなんてのは初めてだ。

俺は人差し指を立てると、ゆっくりと紺野のその割れ目に近づけてゆく。
俺からは見えないが紺野の視線を感じる。
紺野の両足、そして身体を支えている腕に力が入っていくように見える。
紺野はいつもそうだ。
俺に触れられ、愛撫されることを感知すると緊張して身構え、身体に力をこめる。
「別に緊張してるつもりはないんだけどね……」
とはいつも言うが、身体と意識とは別なのだろう。
だがその反応が初々しくて俺は好きだ。

ちょっとじらしてやろうか……

俺はそう悪戯心を出すと、割れ目に触れるか触れないかのところで指先を止める。
そのまま微妙に前後に動かして時間を稼ぐ。
無論、紺野の視線を感じているからの行為だ。
そして、それを証明するかのように指先の動きに合わせて紺野のそこも微妙に前後に動いているのがわかる。
いつ触れるか…いつ触れてくるかということを紺野も感じているのだろう。
早く触れてほしい…でも触れてくれない…
焦らされていることを紺野も感じているはずだ。

そして、その時俺は不意に顔を上げ、紺野の顔を見た。
思ったとおり紺野と目が合う。
と、紺野はあわてて顔だけを横に向けて視線をそらす。
その横を向いた紺野の耳が、みるみるうちに赤く染まっていくのが見えた。
そして、
バカ……
と小さく呟いた声も……

「ん?バカって言った?」
俺がそう言うと紺野は一瞬顔をこちらに向け、また横を向く。
「そんなこと言う紺野はこうだぞ。」
俺は指先を前に突き出して紺野の割れ目に触れた。

んっ……んんんんんっ………

大きなため息とともに紺野の身体に力が入る。
たぶん……待っていたのだろう。ため息の中に歓びを感じたような気がした。

そのまま俺は指を割れ目に沿って上下に動かせる。
それまで閉じられていた紺野の割れ目が開き、中に閉じ込められていた液体があふれ、俺の指にまとわりついてくる。

「紺野……もうこんなになってるぞ。えっちだなぁ。」
「もう…知らない……」

そんなやりとりも実は楽しい。

そのまま俺は続けて割れ目に沿って指を上下させる。
指の動きに合わせ、紺野の胸が大きく動く。

……んっ……ふうっ……んっ……

漏れてくる吐息。
それは次第に荒く、小刻みなものへと変化してゆく。
俺は少し悪戯心を出し、紺野の割れ目の先端にあるポッチを人差し指と中指でつまんで弄んだ。

ひゃうっ!

その刹那、刺激に反応して紺野が声を上げる。
と、あわてて周囲を見回してまた俺を見た。
無理もない。土曜日で休みとはいえ、俺たちのように誰かが学校に来ているかもしれない。
一応教室は締め切っているとはいえ、誰が気づいてドアを開けるかわからない。
もし、俺と紺野が教室でこんなことをしているところを見られでもしたら……

「……もう……いきなりなんだもん……声出ちゃったじゃない……」

半分涙目で紺野が言う。
声を出してしまったことへの緊張と、愛撫による快感によるものとおそらくその両方だろう。

「ごめんごめん。でも……気持ちよかった?」
俺が言うと紺野はこくんとうなずく。
「……もっと……する?」
また紺野はうなずく。
「……でも……ちゃんと人が来ないかどうか見ててよ……」
と続けて言う。
「大丈夫。ちゃんと見とくから。」

紺野に言われるまでもない。
こんな痴態を人に見られでもしたら俺たちは立場がない。
いや、俺はまだしも紺野は立ち直れないだろう。
いくら卒業を間近に控えているこの時期だと言ってもだ。
俺がそう言うと紺野は安心したのか、身体を起こし
「……ね……キスして。」
と俺にねだってきた。

紺野はまたゆっくりと身体を机の上に倒してゆくと、今度は完全にその上に仰向けになる。
そして足を持ち上げるとゆっくりと膝を折り曲げ、左右に開いてゆく。
ちょうど赤ん坊がおむつを取り替えてもらうときの姿勢。
その正面、両足の間から見るとまるで大きな桃のような紺野の臀部が目に入る。
なにもまとっていない、裸の下半身。
それを取り巻くようにスカートの布が広がり、そして片方の足首にちょこんとひっかかっているパンツ。
桃の中央には縦割れの溝がはっきりと姿を見せ、その中心は少し開かれてかすかにサーモンピンクをした
粘膜が見える。
割れ目の始まりからすこし上には、黒々とたたえられた芝生。
その向こうにはわずかにへそがその姿を見せる。

なんともいえない、実にエロい姿。
さっき放出したばかりだというのに、俺の分身はまた元気を回復しつつあった。

俺は目線を机の天板にまで落とすように身体をかがめると、紺野の両足の間から自分の身を近づけてゆく。

「もうちょっと足上げて広げて。あっ、自分で両足抱えてもいいからさ。」
俺がそう言うと紺野はそれに従い、自分で両手を膝の裏に回して両足を抱える。

俺の目の前に見える紺野のそこは、光に当たって妖しくきらめき、すでに充分に濡れぼそっているのがはっきりとわかる。
その中心にある口は、紺野が呼吸するのに合わせて小さく動き、まるでそれ自体が呼吸をしている別の生き物であるかのようだ。
そしてその生き物は、俺が次にどういう動きをするのかを今か今かと待ち望んでいるように見えた。

いつもならこのまま紺野のそこにキスをしてそのまま舌を使って愛撫するのだが、今日はすこし趣向を変えてやろうと思った。

俺はまた人指し指を立てると紺野のそこに触れる。
そして今度は、指をそのまま紺野の中に沈めていった。

……ふううううっっっ………

ふたたび紺野が大きなため息を吐く。
膝を抱えている腕に力が入ってゆくのがわかる。
それと息を合わせるかのように俺の指は紺野のそこに呑み込まれてゆく。
暖かい襞が俺の指にまとわりつき、締め付けてくる。

俺は指を奥まで侵入させると一息呼吸を置き、今度はゆっくりと抜きにかかる。

……んっ……んんんんっ………

今度は押し殺したような吐息。
抜き終わった指先には、紺野の体内から染み出した液体がべっとりとまとわりついている。

紺野の……蜜……

俺は指先をぺろりと舐めると、再度紺野のそこに指を沈め、前後に動かせ始める。
ゆっくりと、そして時折早くと緩急をつけてゆく。

……んっ……ふうっ……んんっ……ふううっ……ふううっ……

指の動きにあわせ、吐息が次第に喘ぎ声にと変わる。
しかし声は押し殺したままだ。
変に大きな声を上げれば、もし誰かが校内にいたら様子を見に来るかもしれない。
そんな怖れがあるからだろう。
紺野は懸命に声が出そうになるのを堪えて我慢している。
おそらく、顔はもう真っ赤になっているはずだ。

俺は中指も立て、二本に増やしてそれを揃えると再び紺野のそこへと侵入を開始する。
「痛くないか?」
「……うん……大丈夫……」

頭の上から紺野の声がする。
自分の両腕で膝を抱え、その部分を丸出しにしながら言うのは傍から見れば結構間抜けな姿かも知れないが、
俺にとって見ればそれも可愛い。
何よりも紺野が俺の目の前で自分の一番大事なところを無防備にさらけ出しているのだ。
それこそ赤ん坊が母親の前でそうであるように。
そんな紺野の姿に思わずいつものようにそこにむしゃぶりつきたい気分になってしまうが、今日のところは我慢だ。

……んっ……ふうっ……んんっ……んっ……ふううっ……

指のリズムに合わせて喘ぐ紺野。
元々あまり声を出すほうではないのだが、いつにもまして声を出しそうになっているのをかみ殺している。
広々とした教室でしているという開放感。
その一方で誰かが不意に教室に入ってくるんじゃないかというスリル。
そんなせめぎあいが俺にも…そして紺野にもあるに違いない。
そしてそんなシチュエーションが俺たちをますます高ぶらせ、興奮させていた。

……んあっ…はあっ…んんんっ…・・・くうっ……くふうっ……

押し殺した紺野の喘ぎはますます強く、激しくなる。
俺の指にまとわりつく紺野の体液は、次第に透明なものから白濁した粘り気のあるものへと変わってゆく。
もう絶頂は近いはずだ。

俺はそのまま紺野をイカせてやることにする。
実は何度か直前で寸止めしてやったこともあるのだが、そのたびに紺野はとても切ない表情をする。
まるで親に放り出された子供のような表情で俺を見つめてくる。
残念だが、それを我慢できるだけの太い神経は俺にはない。
もちろん、甘やかしていることは自分でもわかっているのだが、俺には耐えられなかった。

やがて……

……ふあっ……ひあっ……ひああああああっっっんんんんんっっっ…………

と、ひときわ長く、そして押し殺した吐息とともに紺野は絶頂をむかえた……

その後もしばらく紺野は机の上に横たわっていた。
さすがにまだ膝を抱えているということはなかったが、その手足は力なく伸びている。
制服の上はちゃんと着たままで、スカートは捲れ上がっている。
そしてそこに見えるのはむき出しの下半身。
足首にはこの行為に及ぶまで着けていた下着がわずかにひっかかっている。
顔は横を向いているので表情はよく見えないが、たぶん昇りつめて余韻に浸っているに違いない。

俺は紺野の頬をやさしく撫でる。
そろそろ帰……
そう言いかけたとき、紺野がむくりと起き上がった。

「……ごめん……あたしだけイッちゃって……そこに座って……」
気だるげな表情で紺野は言った。
いや別に俺は……
と言いかけようとしたが、紺野はそんな俺のことをおかまいもせずに俺をイスに座らせると
自分はひざまずき、俺の両足の間に身体を入れる。
そして慣れた手つきでズボンのベルトを外し、ジッパーを降ろしてパンツとともに
半分脱がせると俺の分身を露出させた。

一度精を放出したとはいうものの、さっきからの紺野の痴態でまた回復しつつあった俺の分身。
紺野は両手でそれをやさしく包むと
「……あのときもこうして手でしてあげたよね。」
と上下に動かし始める。
「ん…ああ……」
と俺は生返事。
「案外すぐに出しちゃったよね。」
「仕方ないだろ。あの時はまだ経験もなかったし女の子に触ってもらったのも初めてだったんだから。」
「へへーそうだね。」
紺野は俺を見上げて悪戯っぽく微笑む。

「…あたしも……初めてだったよ。男の子のおちんちん見たのも触ったのも。」
「……そうだな……」
「あれからいっぱいいろんなことしたよね。」
口調がしみじみしたものに変わる。

そう……それから俺たちはいろんなことをした。
いろんな体位を試してみたことはもちろん、互いの一人えっちの見せ合いをしたこともあったし、
女子トイレの個室で口でしてもらったこともあれば屋上の給水棟の陰でしたこともあった。
無論、互いの初体験のときを含めてホテルやお互いの部屋でしたことのほうがはるかに多いわけなんだが、
この教室でしたことだけはなかった。
だからこそ、今日はその想い出作りを兼ねてこの教室で、って流れになりつつあるんだが……

「…でもこの教室でしたことはなかったよな。」
「うん。」
「……しちゃう?」
俺が言うと紺野はこくんと頷く。
どうやら同じことを考えていたようだった。

「…でもちゃんとあの時のこと思い出してからね。」
そう言うと、紺野は再び俺の分身へと目を向けると、
一旦止めていた俺の分身を包むその手のひらを再び上下に動かせ始めた。。

「へへ…でも今は最初のときに比べたら保つようになったよね。」
「……ん……まあな。なにごとも経験だな。」
「でもあたし知ってるよ。ここをこうすれば……」
紺野はそう言うと分身の裏スジあたりをゆっくりと、不規則な動きで刺激する。
たちまち俺の全身に快感が走る。
さっき精を放出したばかりなのに、また出てしまいそうだ。

「……ちょ、ちょっとそこは……」
俺はたまらず紺野に言う。
紺野は動かせていた手を止めて俺のほうを見た。
「へへー。A君ここが弱いんだよね。」
「……よく…知ってるな……」
「うん。あたしA君のことならなんでも知ってる……って……A君だってあたしのこと全部知ってるじゃない……」
最後のほうは消え入りそうに小さな声になると、また紺野は顔を赤らめる。
そしてそれを隠すためだろうか、ふたたび俺の分身を手で弄びはじめた。

そして、ふと手を止めたかと思うと不意に口に含み、舌を絡ませ始めた。
手よりも暖かい粘膜の感触が俺の分身を包む。
ねっとりとまとわりつく液体は紺野の唾液。
ぴちゃぴちゃと湿ったいやらしい音が紺野の口から漏れる。

たまに女子トイレの中でしてもらっている行為。
だが、正直今日はここまではしてもらうつもりはなかった。
たぶん、さっきイったことで紺野自身が高ぶっているのだろう。
まるでなにかに取り憑かれでもしたかのように一心不乱に俺のものを頬張り、舌を絡ませる。
俺はそんな紺野がますます愛おしくなり、そっと上から髪をなでてやる。
汗で少し湿った紺野の髪。
顔に少し張り付いているそれを俺はやさしくほぐす。
ふと、紺野がその動きを止め、上目遣いに俺を見た。

「へへ…はいはふいっふぇもふはひひひゃはめほ……」

ん?なにを言ってるんだ?

俺がきょとんとしていると、紺野はそんな俺の表情を見逃さず、口に入れていた俺のモノを一旦離した。
「ん?聞こえなかった?」
俺はこくんとうなずく。
すると紺野はまた俺のものを両手で包むと、やさしく手を上下させる。

「…大学入っても……」
「……ん?」
「……浮気しちゃダメだよ……」

ああ、なんだそんなことか。
俺が浮気するわけないだろ。
俺はいつだって…いや、これからも紺野一筋……

「……もし浮気なんかしたら……」
そう言うや否や、紺野の目が妖しく光る。
何度か見たことがある、ワル紺野の目だ。
「……こうしてやるんだから。」
「い……痛ててっ!」

紺野はいきなり両手に力を入れる。
当然のことながら俺の分身は強く締め付けられ、俺は思わず声を上げた。
次の刹那、紺野のほうを見やると妖しい光は消え、元の紺野の瞳に戻っている。

「へへー」
「……もう…痛いじゃないかよ。」
「…だって大学入って浮気されたら困るもん。」
「……浮気なんてしないって。」
「ホント?」
「ああ。約束する。」
「うん。ならばよし。」
そう言って紺野は微笑むと、再び俺のものを口に含む。

……この笑顔がたまらないんだよな……

「……な、俺たちいつまでもずっと一緒にいような。」
ふと俺が漏らすと、紺野は動かしていた舌を止めてこちらを見た。
「……ふぇ……」
少しびっくりした表情。
「ん?なんかおかしいこと言ったか?」
俺が言うと紺野は俺のものからまた口を離すと
「……それって…もしかして…プロポーズ?」
と俺に聞いてきた。

ん?そうなのか?そんなつもりじゃなかったんだが……
それに以前にも何度か言ってなかったっけ……

とはいうものの紺野はすっかりそう受け取ったらしく、みるみる顔がまた赤くなる。

ま、いいか。
所詮先のことはどうなるかわからないけど、今の時点ではそれでもいい。
俺にとってももしそうなってくれたらこんなにありがたいことはない。

「……え……ああ……紺野がそう取ってくれるんならそれでいいよ……」
と、俺は少し照れ隠し気味に答えた。
「……それに……俺はそうなってくれたほうがうれしいし……」
これは本音。
このまま紺野と一生添い遂げられたら……
という願望も正直ある。

「…え…やだ…どうしよう……」
俺の思惑とは別に、紺野は明らかに動揺を隠せないでいる。
「ん?イヤか?」
その動揺を知りつつ、今度は俺が紺野に問いかける。
にっこり微笑む紺野もかわいいが、こうして動揺している紺野もとてもかわいい。
俺が内心ニヤニヤしつつ紺野の挙動を眺めていると、紺野は動揺のあまりまた俺の分身を包む手に力をこめた。

「…い・・・痛い…痛いって。」
「…あ、ごめんごめん。」
思わず出た俺の声に我に返ったかのように紺野はこちらを向くと、俺のモノから手を離した。

「だって…いきなり言うんだもん……びっくりした……」
「あ…悪かったかな。」
「……ううん……びっくりしたけど……うれしかった……」

俺たちはしばらくそうした会話をしながら互いに見つめあう。
そして……たぶん同じことを考えていた。

紺野は何も言わずにこくんとうなずくと、ゆっくりと立ち上がると俺の膝の上に腰を降ろそうとする。

「……このままでいいよね……」
その言葉に今度は俺がうなずく。
紺野は俺の身体に自分の身体を寄せると、両手を俺の頭の後ろに回して俺を抱きかかえる姿勢を取った。
そして…そのまま狙いを定めて腰を沈めようとする……

「あ……ちょっと待って。ゴム……」
俺がそう言って一呼吸置いて避妊の準備をしようとすると紺野は何を思ったのか

「……今日は……いいから……」
と言ってきた。

え……
俺はびっくりした。
そりゃ確かにゴム越しより直接紺野の粘膜に触れるほうが何倍も気持ちいい。
現に数度ではあるが直接させてもらってその感触は充分すぎるほど俺にはわかっている。
正直願わくば毎回でもさせてほしいぐらいだ。
それに、紺野の生理の周期からすると今日は安全日のはず。
だが…もし……万一……
俺が当惑していると、紺野はその心中を見透かしたかのように

「……だって……卒業の記念だもん……」
と俺に語りかけるように言った。
そしてそれに続けて
「…それに……さっきプロポーズしてくれたし……万一のことがあったら責任取ってくれるよね。」
と、今度は少しイジ悪げな目つきを浮かべた。

ここまで言われたら俺としても行くしかない。
万一デキてしまったらその時は責任を取ろう。
幸い、その時期は当然ながら高校生じゃないし、なんとかなるだろう。
学生結婚だって……いや、学校辞めたっていいじゃないか。

あらためて俺は腹をくくることにした。

「……本当に……いいんだよな。」
俺が念押しすると紺野はこくんとうなずき、俺の分身に狙いをつけて自らの腰を沈めてゆく。

………ふううううううっっっっ……

紺野の低いくぐもり声とともに、俺の分身がその体内に深く侵入してゆく。

「……あ……ここ教室だから……」
ふと忘れかけていたことを俺は紺野に言う。
もしこんなところを誰かに見られでもしたら……
どう弁解してもごまかせないだろうが、唯一の救いは二人とも裸でないことだけだ。

「……ん……わかってる……なるべく声…出さないようにする……」
目を閉じて紺野が言う。

その間も俺の分身は紺野の体内を奥へと進んでゆく。
おれにまとわりついてくる紺野の粘膜。
まるでそれ自身が生き物のようにたくさんの暖かい襞で俺に絡みつき、逃がさないようにする。
ゴム付きのときとは比べ物にならないほどの快感と、そして紺野の体温を感じる。
そして……紺野と一つにつながっているという実感。

……んんんんっ………

紺野の吐息と波長を合わせるかのように俺の分身は紺野の壺の最奥へと達した。
イスに座っている俺、そしてその俺の太ももをまたぐように紺野がその上に座っている。
そして……スカートに隠されて見えないとはいえ、中心で互いの身体をつないでいる俺の分身。
紺野の両腕は俺の背中に回され、俺の両手も紺野を抱えて密着している。
まるで道端にある男女交合の道祖神のような二人。

そして、これは紺野の好きな体位でもある。
互いの身体が密着し、挿入をしながらでもイチャつくことができるからだそうだ。
俺のほうにすれば、紺野の体重が太ももにかかってくるのでいささか大変なのだが、紺野が望むのでなるべく必ず一度はこの体位をはさむようにしていた。

「……動く……よ」
「……うん……」

俺はそうささやくと、自分の身体を前後にゆすり始めた。
それと同時に俺の分身も前後に動き、紺野に刺激を与える。

……んっ…んんっ…んんんっ………

その刺激に、紺野が吐息を漏らす。
俺の背中に回す腕に力がこもる。

俺はそのまま続けて自分の身体を前後にゆする。

……んっ……んんんっ……ふうっ……んんんんっ……

絶え間なく漏れ続ける紺野の吐息。
俺の動きに合わせるかのようにイスが小さくカタカタ音を立てる。

しばらくそうした動きをしていたが、俺は紺野を抱えている両手を下に降ろし、今度は背中と腰…いや、尻を抱えると紺野の身体を上下に動かせ、同時に俺の腰も上下させた。
紺野のほうもその俺の動きに気がつくと、自分から腰を上下させて俺の動きに連動させる。

それまで紺野の身体の中を前後に動いていた俺の分身は今度は上下に動く。
上から下へ、下から上へ……分身は時折壺の奥に達し、紺野の身体自体を下から上へと突き上げる。

……んんっ……んあっ……ふううっ……ふううっ……んんあっ……はあっ……

刺激にたまらず声を出す紺野。
だが場所が場所だけに懸命に声を漏らすまいと堪えているのがわかる。
俺の身体をつかむ腕により力が入り、それでも我慢できなくなったのか時折手で自分の口を押さえる。
スカートの中の、俺たちがつながっている部分からはぴちゃぴちゃと湿った音が聞こえる。
俺の分身に直接まとわりついてくる紺野の襞。
ゴム越しとは比べ物にならないほど快感を与えるそれに、俺は思わず精を放出しまいそうになるのを堪える。

カタカタ鳴るイスの音を気にしながら、俺はさらに紺野を突いた。

……ふあっ……んんっ……はああっ……ふううっ……はあっ……

声を漏らすまいと懸命に刺激に堪え、我慢する紺野。
そんな紺野の唇を、俺は何度も何度も自分のそれで塞ぐ。
ねっとりと舌が絡まり、俺たちは何度も上下二つの口を通じてつながりを持つ。

このままイこうか……

そう思わないでもなかったが、最後はやはり俺の好きなようにしたい。
それに、この姿勢はあまり長くなると実はつらい。
紺野はイヤがるかもしれないが……

俺は腰と手の動きを止める。
紺野も少し怪訝な表情をしながらも自分の身体を上下に動かすのを止めた。

「最後は……いいかな?」
俺が言うと紺野は小さくうなずき、自ら身体を動かせて俺の膝の上から降りる。

………んんっ……
ちゅるっ

紺野の長い吐息と共に、二人をつないでいた俺の分身が抜けるとき、そんな湿った音が聞こえたような気がした。

スカートの中にこもっていた紺野のメスの匂いが広がり、大き目の、それこそ桃のような形をした尻が俺の目の前に姿を現す。
紺野の一番恥ずかしい部分が今、俺の目の前にはっきりと晒されていた。
二つの丘の中央の谷間には菊門とそれに従う皺、そして数センチの間隔を置いてそのすぐ下から続く割れ目。
体液で濡れぼそったその中心に翼のような襞があり、それは充血して左右にぷっくりと開いている。
襞の両側にわずかにある黒々とした芝生は、その体液で濡れてぺったりと張り付き、光をあびて艶やかに光っている。
その中央にある穴はまるで別の生き物のようにぱくぱくと呼吸をして俺を、いや俺の分身をいざなっていた。
俺の目の錯覚だろうが、紺野は微妙に尻を左右に振り、早く早くと俺をせかしている気がした。

俺は自分の分身を手で支え、紺野のそこに狙いを定めるとゆっくりとそこにあてがう。

「……じゃ……いくよ……最後はちゃんと外に出すから。」
俺が言うと紺野は
「………いいよ……中で……」
とうわごとのように言った………

………ふううううううううっっっっっ………

俺の分身が身体の中に沈んでゆくのと歩調を合わせるように紺野は長い吐息を吐く。
ゆっくりと、しかし確実に俺のものが中に侵入してゆくのがはっきりと見える。
それは、まるで生き物が餌を飲み込んでゆく光景に似ていた。


……んっ…んっ…はあっ……ふああっ……ふあっ……

俺はそのまま後ろから紺野を突き始める。
強く、弱く、深く、浅く。
時には腰を回して紺野の中をかき回す。

……んあっ……ふあっ……はあっ……ふああっ……はあっ……

俺のリズムに快感が刺激され、紺野は声を上げようとするのを懸命に我慢する。
時には手で口を押さえ、時には着ているものの袖を噛み、時には机にしがみついて懸命に声を上げまいと堪えている。

ぱん、ぱん、ぱん、ぱんと肉の叩く音。
ぴちゃっ、ぴちゃっ、ぴちゃっと俺たちのつながりを示す湿った音が吐息と、机がカタカタ動く音に混じって聞こえる。
さっきの体位とは違い、今度は俺の分身が紺野に出入りしている状態がはっきりと見える。
俺が腰を引くと、分身を逃すまいと紺野の襞もまとわりつきながら顔を外にのぞかせる。
俺のそれは、紺野の壺から染み出した体液によって妖しく光っている。
そしてその体液は時折俺の動きに合わせて床に飛び散る。

……んあっ……ふあっ……はあっ……ふああっ……はあっ……

なおも漏れ続ける吐息のリズムが早くなり、絶頂が近いことを俺に知らせる。
それに歩調を合わせるように俺もまた絶頂を迎えつつあった。

「……本当に……いいんだな………」
俺がそう言って最後の確認をすると、紺野は激しく首を縦に振ってOKの返事をする。

そして……俺はそれが今日2回目とは思えないほどの大量の精を紺野の中に注ぎ込む。
何億もの俺の遺伝子が放たれ、紺野の中で広がり…そして溶けてゆく……

はーっ、はーっ、はーっ、はーっ………

行為が終わっても紺野はしばらくそのままの姿勢で机に伏せていた。
身体の力が抜けてぐったりした様子は、絶頂を迎えたことを俺に教えてくれている。
俺たちがつながっていた紺野のもう一つの口は、ひくひくと小さく痙攣していてそのたびに
俺が注ぎ込んだ体液が逆流して小さく吐き出され、その一部は太ももへと伝わって流れていた。

俺はティッシュを取るとまず自分の分身の後始末をし、そして紺野の太ももからその部分にかけて丁寧に拭い取ってやる。
中で出したときはこの後始末が大変だ。
俺たちのベッドのシーツにこぼれ落ちて二人であわてたこともあったし、
しばらく逆流が止まらないことを知らず、紺野の下着を汚してしまったこともある。

「……う……ん……」
紺野はゆっくりと身体を起こすと、足首にひっかかっていたパンツをたくし上げて履こうとした。
と、一瞬手を休めるとなにやらポケットの中をまさぐってなにやら小さな包みを取り出す。

「それ何?」
俺が聞くと
「ん……ナプキン。だってそのまま履いたら汚れちゃうし。」
と、包みを破り、パンツのクロッチにあてがって装着するとパンツを履き、たくし上げていたスカートを降ろす。
これで俺たちはここに来たときの姿に戻ったことになる。

「ふーん、そんな使い方あるのか。」
「だって…汚れるのイヤだし気持ち悪いし。これだったら後で捨てちゃえばいいから。
……捨てるときちょっと臭うけどね。」
紺野はそう言うと
「さ、することしたし早く荷物取って帰ろ。遅くなっちゃうよ。あ、疲れたから帰りになにかおごってよね。」
と自分のロッカーのほうへ足を早めた。


その後……紺野の生理は予定通りやってきて、俺としては少し安心したわけだが、
それを告げるときの紺野の顔は少しだけ残念がっているように見えた……

(了)
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カテゴリ:小説・物語
テーマ:えっちな体験談・告白 - ジャンル:アダルト

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